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蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

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蒼穹の昴(1) (講談社文庫)の商品レビュー

5.0 近代中国をここまで面白く書けるとは。
高校時代,世界史で中国近代史も少しだけやったけど,教科書に「李鴻章」とか「袁世凱」の名前がゴチック体太字になってるので,興味ないけど覚えた。
つまらなかったので,その後,忘れた。
そんな「李鴻章」や「袁世凱」を激動時代に生きる血の通った人物として
生き生きと描き出す浅田次郎さんの筆力はさすがでした。
「面白い」という意味では文句なく,4巻一気に読みました。
マジメに書いているとはいえ,浅田節は健在で,会話はテンポ良く,時折ひょうきんですらあります。
西太后の権力に対する執着ぶりを慈悲と解釈するのは,
ちょっと無理があったように思いますが,
全体が面白いので,評価を損ねるほどではありませんでした。
個人的には,主人公春児の妹「玲玲」がよかったです。
春児のように出世階段を登っていくわけではないので,
大人になっても,遠い世界の人物として描かれず,
常に身近な存在として現実感をもって登場します。
ひたむきでチャーミングな名脇役でした。
フィクションながら,ストーリーの最後,
彼女の昴をつかんで幸せになってほしいなあと思いました。

5.0 浅田作品の最高峰!
読み終えたときにこんなに衝撃を受けた作品は初めてでした。
続編の「珍妃の井戸」、「中原の虹」とともに、
浅田次郎作品の最高傑作と言える一作ではないでしょうか。

ご存知の方も多いと思いますが、著者のエッセイ「勇気凛々ルリの色」にも、
この本の編集者さんが登場しています(名前は伏せられていますが・・・)。
こちらもオススメです!
5.0 こんなに夢中にさせてくれた作品は久し振りです。
浅田先生の作品が好きで、『地下鉄に乗って』は、原作と映画を観、
特に『壬生義士伝』においては、映画、そして渡辺謙主演の長編ドラマも観ました。
そして『蒼穹の昴』。ああ、どうしよう。気づけば4冊。読むの大変そうだな。。
そんな思いで久々に浅田作品を手に取りました。
そんな私が仕事中でも仕事をほっぽり出しても、本を読みたくなったのは初めてかも
しれません。格別に、群を抜いて面白かった。
春児、文秀、そして小説の登場人物すべての生き様が心に焼きつきました。
キャラクター、そして背景描写の素晴らしさに何度も唸らせられました。
後半が残念という意見もありますが、これだけ膨大な情報量を1本のストーリー
としてまとめられたこと自体に感服です。
登場人物が綺麗事でまとめられていると言われると、確かにそうかもしれません。
春児などは心が清らか過ぎて本当に雲の上のような存在に思え、
最初はこんな人間っているのか。と、私も抵抗を抱きました。
ただ、それは荒廃した目で物事を見ようとする心に映る一つの真実なんだろうとも思っています。
(決してそれが間違っているとは思いません)
しかし、結局、人間が心を打たれるもの、そして求め続けて止まないものとは、
そんな綺麗事とも思えるような希望であって、決してドロドロとした陰鬱なものでは無い。
どんなに心が打ちひしがれようと、ズタズタになろうとも、人間が人間として生きる為に必要なもの、
抱き続けなくてはいけないものは、春児のようなまっすぐに輝く昴の光なんだろうと思います。

『蒼穹の昴』は私の愛読書のひとつになりました。
この作品に出会えて本当に良かった。
3.0 後半が残念
浅田次郎の作品の多くには好感を持ちファンですが、この「蒼穹の昴」は前半が力強く、すばらしい出来なだけに後半の不完全燃焼が非常に残念で、結果、星は3つです。

歴史ドラマとしては、近代中国の興味深い時代を取り上げて、実在・架空の魅力的な人物を混在させ、独自の解釈と創造性を持って非常に面白いストーリー展開です。登場人物の成長や苦難を乗り越えていく様を読み進むのは、確かな手ごたえがあり、どんどん話の中に引き込まれます。

ただし、後半になると、他のリビューアーの方もコメントされていた通り、あまりに多くの人物を起用して飽和状態になり、一つの話の大きな流れが滞ってしまいました。まるで、デッサンはしっかり出来ていたはずなのに、色を沢山塗りすぎてゴチャゴチャになった絵画のようです。もっとメインのキャラクターにしっかり光を当てて強弱をつけて話を終えて欲しかった。それが出来る力のある作家だと思いますが、思い入れが強すぎ、あれもこれも盛り込んでしてしまったのが敗因でしょうか・・・。

また、これも既に指摘されている点ですが、西太后が数多の解釈と異なり愛情豊かな女性として描かれていますが、その割に残酷な仕置きの場面が多く、いささか説得力に欠けているように感じました。

歴史物が好きな方もあまり興味のない方も前半は「科挙」「宦官」制度など、非常に興味深く読ませるので、充分楽しめると思います。後半は前半の勢いは感じられません。
5.0 時間を忘れます。
清朝末期の混乱を描いた壮大で陰鬱で、そして爽快な物語です。
一部、歴史上の人物が出てきますが、あくまでもこれはフィクション。
それでも、綿密な人物描写、混沌の社会構図。拡散した複線が一気に
加速していく速度感を行間の端々に感じることができます。
それぞれの、魅力的に描かれた人物も花を添えています。
4巻すべて一度に読破してしまうほど引き込まれました。

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