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ほぼ日刊イトイ新聞の本 (講談社文庫)

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ほぼ日刊イトイ新聞の本 (講談社文庫)の商品レビュー

4.0 クリエイティブに生きることはカッコいいこと
 この本は、1日100万アクセスを誇るホームページ「ほぼ日」ができあがるまでの、ちょっと早い「社史」です。
 その経緯そのものもとても興味深いのですが、「クリエイティブ」に生きるとはこんなにカッコいいんだぜ!と本書で糸井さんに教えてもらいました。
 「ほぼ日」を立ち上げる前の糸井さんには、当時の広告業界はとても窮屈な場所だったようです。(未曾有の不況の現在はもっとそうかも)糸井さんは、「クリエイティブがイニシアティブをとれるような仕事がしたい」とインターネットという新しい「仕事場」を作り上げました。
 糸井さんたちのひとつひとつの試行錯誤はわくわくするほどおもしろいのですが、個人的には、「ほぼ日」を立ち上げる直前にナンシー関さんに叱られて、「自分って面白くなかったんだ」と気づく件は、こんなに正直に自分自身を見つめるなんて…と感激しました。
 「クリエイティブ」に関心のある方には、必読書だと思います。
3.0 何かに一生懸命になること
ある日、ポストをのぞいたら、友人からお勧め図書が届いていて、それがこの本でした。

糸井さんという方は、知識人というイメージなので、なんとなく敬遠したいタイプの人と思っていました。

とりあえず読み始めたけど、文章は苦手だな。と思った次第で。ほぼ日刊イトイ新聞というサイトも耳にはしたけど、一度も見に行ったことはなく。

それでも、何か、一生懸命やっている人の、それが形になっていく様をその当事者の気持ちとともに、知ることはおもしろいものだなぁ。と思いました。特にこれが!というわけではないのだけど、元気づけられるというか。

とにかく、50歳にもなって、なんだか青臭い悩みに一生懸命まじめに取り組む姿に感動させられます。最初は、そんな・・・贅沢な悩みを。みたいな気持ちもあるのだけど、途中から、そうか。頑張って欲しいです。みたいな気持ちに変わっていたわけです。

なかなかいいです。
4.0 肩肘張らない,でも追求はやめない姿勢が心に残ります。
 本書は2001年に出版された同名書の文庫版です。文庫化に際し、「第八章 その後の『ほぼ日』」が追加されました。文庫化前の本も読んでいましたが、改めて、糸井氏の考えに触れることができ、『ほぼ日』編集部のその後の様子が窺い知れて、温かい気持ちになりました。糸井氏の肩肘張らない、大上段に構えずに語ってくれる「考えたこと」は聞く方も素直に受け取ることができます。司馬遼太郎氏の描く坂本竜馬が「議論に負けても人は意見を変えない。だから、議論はするだけ無駄だ」といっていましたが、糸井氏のスタンスもそれに通じるものがあります。自分の意見に人が従う必要はないけれど、自分は自分の意見に従ってあれこれやっていくよ、という姿勢が感じられます。

 いくつか、ハッとさせられた点を挙げましょう。

 「なにかがガラッと変わるときというのは、いろんな関係なさそうな要素が、複雑にからみあって、ちょっぴりずつ流れをつくっていくもんなんだと、ぼくは思っている(P.16)」・・・だから、糸井氏は自分がインターネットを始めた理由を簡単に説明できないで、説明のためにこの本を書いてしまったわけです。この気持ちはすごくよく分かります。私も、会社を辞めて、専攻も変えて、大学院にいる理由をやはり簡単には説明できません(表向きの説明はありますが・・・)。

 「みんなが同じように考えるわけでもないし、世の中の大きな流れになっていないけれど魅力的な考え方もあるものだ。そういう小さくて見過ごされそうな、しかもチャーミングな考え方は、プロフェッショナルを自称している人間にはだんだん見えにくくなっていくものなのだ(P.18)」・・・多分、まだプロではない新社会人には見えたりしますが、そういう人々には「早くプロになれ!」というプレッシャーがかかります。光るものが見えなくなると、その仕事に精通しているとはいえ楽しいものではなくなってきます。
5.0 「ほぼ日」の誕生と成功の舞台裏+α
糸井重里が49歳にしてパソコンを購入し、インターネットの世界とメールの面白さを知るところから話は遡って語られている。新しい何かが産声をあげる、その舞台裏の話というのは読んでいて滅法面白い。書評誌「本の雑誌」の誕生秘話、その黎明期が綴られた本も数冊読んだけれど、その時のワクワク感を本書も味わわせてくれた。さらにこの本は単なる舞台裏以上のモノも含まれている。これからの企業のありかたについて。働くことについて。組織論など。職種は違えど、いろんな社会人の明日を明るくするためのヒントがたくさんあると思う。「明日はアタシの風が吹く」だ。読了後、ますます「ほぼ日」が愛しくなることだろう。ダーリンはすごい!
5.0 熱くない「プロジェクトX」
現時点で「ほぼ日」が成功しているのか?と問えば、
「何をもって成功とするのか?」という、
さらなる問いにぶつかることになるだろう。

本書は、「ニッチ」や「インタラクティブ」といったインターネットの特性に
いち早く着目した糸井氏と「ほぼ日」の物語であるが、
立ち上げにまつわる様々な苦労話も、氏特有のクールな語り口によって
暑苦しい思いをすることなく、読み進めることができる。

さらに本書では「なぜ働くのか」とか「顧客価値とは何か」について、
巷にあふれるビジネス本やノウハウ本とは全く違った視点から、
実に納得感のある主張が展開されている。

「マス」を相手に最大公約数的なモノを作って、広告で「お化粧して」売る
という大量生産方式に、市場の可能性/自分のやりがいの両面から限界を感じ、
糸井氏の出した答えが「ほぼ日」だった。

現在進行形で進む様々な「試み」にビジネスとして注目しつつ、
翻って自分はどうか、「楽しんで」生きているか?
そんな自問自答さえ呼び起こす書籍である。

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