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ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)

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ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫)の商品レビュー

5.0 踊るんだよ 誰もがびっくりするくらい上手に
大学4年生のときに、この本を手に取り、とても印象に残っていた。今、12年後改めて読み直すと、主人公の年齢と同じになっていた。自分がこの本にとても影響を受けていたことを再認識し、この小説の文体をまねして友人たちと話していたことが思い返された。今でも、この本は示唆に満ちていて、生きるためのコツをたくさん与えてくれる。すばらしい本だとおもう。
5.0 nowhere men
四部作の内で一番共感した。時代が80年代で私の青春時代にあたるからかもしれない。
「羊をめぐる冒険」ほど評価されていないようだが、かなりの秀作だ。現実と超現実が相互貫入しているところが面白い。
80年代は現実感覚が麻痺した捉えどころの無い時代だった。何が権力を握っているのか、誰が敵なのかサッパリわからぬ時代だった。誰もが見当識を失っていた。誰もが「羊抜け」状態だった。思念のみ存在する表現の冬の時代。主人公も現実復帰できそうで、できない。
四部作中でも、作者は最も真摯に自己告白しているように思う。
このシリーズは作者と主人公が老人になるまで続けてもらいたい。
「風の歌を聴け」ではなく「風に訊け」の作者をモデルにしたと思われる作家が(どういうわけか)登場する。ボードリヤールの理論の影響もあるかもしれない。ツイン・ピークス(この作品の2年後に放映されたテレビ映画。)に似たところもある。
5.0 4作品の中で一番面白く読みました
 「ダンスダンスダンス」は「風の歌を聴け」から始まる、ぼく(主人公)が活躍する第4作品目です。(タイトルだけではシリーズ第何作目か分かりませんので始めて購入する方は注意が必要です。)

 本作では、タイトルが現すように、主人公(ぼく)はかなり積極的な動きをする。北海道、ハワイなどでの生活、また深い謎を解くためにも時には攻撃的なコミュニケーションをとる。それらは、ダンスを踊り続けるという羊男からのアドバイスにもよるのだろうが、ストーリーも奇想天外でこれまでの作品以上に奇想天外で楽しい。

 個人的には、4作品の中で一番面白く読みました。
5.0 高度資本主義社会
『ノルウェイの森』とほぼ同じ時期に書かれた作品ということですが、『ノルウェイの森』
とは対照的に、それほどの深刻さはなく、書きたいことを書きたいように書いているという
感じがしました。「スイミングスクールで鰐に食べられる」など、ジョークも冴えていて、
のびのびとしていて、僕にとってはとても好きな作品です。

しかし、高度資本主義社会で生活する我々の人生の意味やむなしさ、そのなかでの人との
関わりなどに関する重要な考察も見受けられます。読んでいて、なんだか親しい友人と
語っている気分になります。有名な文学作品にはない、この親近感が魅力的なのかもしれません。
5.0 変容する村上春樹
 初期三部作の続きで最後の作。もちろん 今後村上が更なる続編を作る可能性は排除しないが おそらく 作らないと思っている。

 村上にしては珍しく後書で 本書の主人公は 「原則として」三部作と同人物であると言っている。逆に言うと そう言わないと それが分からない読者が多いのではという村上の懸念かもしれない。
 それほど 前の三つの作品との断層があるのだと言う事なのだと思う。

 この作品では村上はひたすら「死」を扱っている。出てくる登場人物達は 現実からのやり直しを求めながらも どうしようもなく死に取り付かれて死んでいく。

 本書を書いていた頃の村上は 40歳程度で 欧州で「常駐的旅行者」という立場で 放浪していた頃だ。そんな疲れと影が どこか本書に漂っている気もしてならない。

 本書は評価としては分かれているようだ。むしろ 元々の村上ファンからは 幾分かマイナス評価を得ている趣もある。確かに 話がきちんと完結しておらず 答えを出さないというスタイルが本書あたりから 村上には出てきたような気がする。その点で 読んでいてもどかしさがある。
 但し 初期三部作、特に 始めの二作に見られた村上のスタイリッシュな軽さの中に おりのようによどんでいたものが はっきりと主張され始めたという点では貴重な一作だと僕は考えている。ストーリーテリングの冴えも申し分ないと思うからだ。

 

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