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ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)

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ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)の商品レビュー

5.0 この社会でどうやって生き残るか・・・
上巻が「人生の示唆に富む」のに対し下巻は謎解きのようなストーリーがクライマックスに向かって高まる。読み始めたら目が離せず、主人公たちの会話をどんどん追っていく自分に気づく。本を読んで、気持ちがちょっと楽になる。生きるのにそこまで生真面目にとらえなくていいんだよ、常に死は身近にあるものであり、上手にダンスステップを踏めばいいのだと、心の中でなんども繰り返す。また、いつか読んでみたい、間違いなく名作だと思う。
5.0 ハワイ、そしてピナ・コラーダ
この下巻ですが、実際にこのあいだハワイ旅行に持って行って実地体験してきました。
ロイヤル・ハワイアン・ホテルのマイタイ・バーで飲むピナ・コラーダは最高です。
(ハレクラニ・ホテルでは、ピナはもうメニューになかったのが残念でした。)
ユキ、そして僕と一緒にハワイに滞在している気持ちになりました。
13歳の、痛々しく繊細な美少女のユキと、失われた10代を追体験していく34歳の僕。。
正直、キキの行方やメイの殺人事件については小説的にそれほどいい筋だと思えないのですが、細部にこだわり、高度資本主義社会で生きていかなくてはならない都会人の姿に何よりも共感を覚えます。
五反田君がやはりひときわ光っています。僕の周りの人々が次々と死んでいくその喪失感は、『ノルウェイの森』に通じる哀しさがあります。
5.0 4作品の中で一番面白く読みました
「ダンスダンスダンス」は「風の歌を聴け」から始まる、ぼく(主人公)が活躍する第4作品目です。(タイトルだけではシリーズ第何作目か分かりませんので始めて購入する方は注意が必要です。)

 本作では、タイトルが現すように、主人公(ぼく)はかなり積極的な動きをする。北海道、ハワイなどでの生活、また深い謎を解くためにも時には攻撃的なコミュニケーションをとる。それらは、ダンスを踊り続けるという羊男からのアドバイスにもよるのだろうが、ストーリーも奇想天外でこれまでの作品以上に奇想天外で楽しい。

 個人的には、4作品の中で一番面白く読みました。
4.0 五反田君≒高度資本主義社会に適応した〈鼠〉
鼠3部作の続編

久しぶりに読み返してみましたが、とても村上春樹さんらしい、もっとも村上春樹ワールド(あちらの世界とこちらの世界という2つの世界が出てきたり、自身に非は無いものの巻き込まれる事や、様々に魅力的なキャラクターたちや、使用される楽曲の選曲の素晴らしさ、時々出てくる固有名詞を交えるのが絶妙な事とか、物語を終えた後の余韻の深さ等)な作品。恐らく、ほぼ全ての長編作品を読んでいますが、中でも、村上さん的に洗練されたというべき作品です。とても80年代的としか言いようの無い状況を的確に残す作品とも言えると思います。

中でも特筆すべき特徴として、〈鼠〉よりもあるいみ〈鼠〉らしい、あるいは〈僕〉より〈僕〉らしく高度資本主義社会に暮らす五反田君の存在がこの小説のその他と違うところだと思います。五反田君のセリフ一つ一つに頷けます。今はさらに時代が進んで、細かな、些細な部分にさらに無自覚になった(ならずにはいられないのか?)感じがしますが、その基本的方向性は今も同じです。

村上春樹を批判する事は容易な事ですが(その閉鎖性や、ニヒルさを批判される事がとても多いですが、キチンと読めば根本は違う事が理解されていないと思います、読みやすさは善き事と、私は考えます)、その考え方なり立ち位置には敬意を表して良いと考えます、ずっと村上春樹的ではいられませんけれど、通過すべき場所ではあると思います。

80年代が懐かしいな、と言う方にオススメ致します。
4.0 現実(こちら側の世界)にとどまり、誰よりも上手に踊り続けよ
『ねじまき鳥クロニクル』や『アフターダーク』で大きなモチーフとなる、(こちら側の世界)と(そちら側の世界)という、現実世界ともう一つ先のメタ次元の世界の表現が、本作に於いては微妙に顕現せられているのが印象的である。

高度資本主義社会にあって、文明の合理化ないし洗練化と共に、我々は様々なものを失い続ける訳であるけれども、それでも結局のところ、人は決して独りきりでは生きていけず、他人との繋がりを保ちながら、常に現実(こちら側の世界)で踊り続ける、すなわち現実と戦い続けるしかないのだ、というメッセージを受け取った。

取り敢えず氏の作品は、やはり読みやすい。リズムに乗ってポンポンと読めた。ノスタルジーに耽りすぎず、高度資本主義社会から逃避せずに生きていこう、ということが読み取れた訳だが、或いは氏のこういった平易で何処か計算書染みた文体自体が、高度資本主義社会の象徴でもあるのだろうか。合理化、洗練化、その中でもう一つ先の次元の世界を感じながら、何が起きても変ではないこの世界を生き延びていこう。

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