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とにかく衝撃を受けました。読了後なんとも言えない気分に・・・ 主人公である彰彦はある日、自分が原作者となった仮想現実のゲームにテスターとして招待されます。 そこで出会うのは梨紗という美しい女性。二人はすぐに打ち解け、仲は深まります。 すべては順調に進んでいるはずでした。ある事件が彼らの身に降りかかるまでは・・・ 衝撃を受けた点はいくつもあるのですが、ネタバレしかねないので触れることができません。 主人公に感情移入しすぎるあまり自分自身も主人公と同じ恐怖と疑問を抱く、それほどのリアリティを持った作品です。 驚いたことにこの作品が作られたのは、1989年ということです。 しかし本作は今読んでも全く違和感がありません。 それどころかこれから後何十年もほぼ改稿することなく読み続けられるのではないかと思います。 それほどに完成され、先を見据えられた物語です。 空想と現実、真実と嘘が入り乱れた不可思議な世界を恐怖と共に体験できるお話でした。
メビウスの輪を知ったのは、小学5年生のときだった。 紙には表と裏がある。わざわざことばにしなくとも、そんなことわかっていた。 では、その表と裏をつなげたらどうなるのだろう。 表も裏もなくなってしまう、という先生の説明はしっくりこなかった。 表だけになってしまった。そっちの方がしっくりきた。 だけど、表が裏を殺した、表が裏を食べてしまったようでこわかった。 クラインの壺という空間のイメージはよくわかりません。 この本を読んで沸いたイメージは、むしろ、 メビウスの輪を平行に並べ、その間を行き来するような世界です。 この小説で、表や裏を提示する必要はないと思います。 自我を持ってしまうと、もう自我のない世界には戻れない。 それと同じように、 一度入ったらもう戻れない世界、それがクラインの壺。 主人公も読者もいっしょ。だから、ホラーとは一味違う恐怖が沸いてくる。 RPGが味だから。 僕は自分がいる方が表で、自分が進む方が前だと思っているつもりです。
あるゲームの作者「上杉彰彦」が主人公です。 1989年の作品だそうですが、今読んでも全く陳腐感の無い斬新なアイディアに驚きます。 最初から最後まで著者のペースに見事に嵌ってしまいました。 読みながら、仮想の世界なのか現実の世界なのか良く分からなくなり、私は本当に現実の世界に生きているのだろうか、と考えてしまいました。 是非この奇妙な感覚を味わってみて下さい。 こんなシュミレーションゲームがあれば是非トライしてみたいです。
SFミステリーと呼ぶのが相応しい作品でした。この手の作品は時代の流れ とともに古臭くなるものが多いのですが、「クラインの壷」に関しては 全くその心配は無用です。但し、もし私が当時この作品を読んでいたら 今以上の衝撃を受けたことは間違いないです。 ドラマとか映画とかの題材にしても十分すぎるほどのクオリティを持った 作品です。「世にも奇妙な物語」とかに使って欲しいほどです。 ストーリーはとても素晴らしいのですが、キャラクターの設定があまり に普通過ぎたような気がします。それが★−1の理由です。 ミステリー好き、SF好きの人にはオススメの作品です。是非♪
題材は斬新で面白いと思いました。 現実か否か、自分の体験が信じられなくなる怖さが ひしひしと伝わってきます。 ただ… 話を広げるだけ広げてその終わり方!?というのは 感じました。 最後を読んだ時は一瞬えっ、という驚きはあるものの、 すぐに、いろいろな話がなんだか未消化なままで、 宙ぶらりんに終わったような気がしてしまうのです。 この終わり方にしてしまえば、いろいろなエピソードも 一応解決はするのですが… 人によるのかもしれませんが、私自身は「結局どうだった んだろう?」と想像を働かせる楽しさよりも、何も分から なかったストレスの方が勝ってしまいました…(笑)