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しぞりりりりんに。しぞりりりりんに。 さて、講談社ノベルスではこの言葉(呪文?)が帯になっていますね。 ぱっと聞いての感想は「何これ分けわかんない」ですが、とにか本書での『擬音』の表現の仕方は目を見張るのもがあります。 主人公の獅見朋成雄の一人称によって成り立つどこか狂った世界が、綿密に表現され、あなたも「舞城ワールド」に引きずり込まれることと思います…。 「しゅこりんき しゅこりんき しゅこりんき」 「しかしこ しかしこ しかしこ」 「しゆりんすちん しゆりんすちんしゆりんすちん」 この音が気になった人は、読んでみることをオススメします。
『山ん中の獅見朋成雄』です。 従来の舞城作品は、純文学でありながら、ミステリー的な謎解きがあったりと、何らかのエンターテインメント的な楽しみ要素がかなり多く含有していたのですが。 本作品が含有率が違います。かなり純文学寄り、といっていいでしょう。 エンタメ的な楽しみを期待して読むと、全くワケワカランということになりそうです。 モヒ寛がやられたので犯人を捜す、的要素はありますけれども。 盆、とか、盛り込まれているアイディアは豊富なので、そこが楽しみどころともいえるのでしょうが。 最もシンプルなみどころは、足の速い主人公が変わるところでしょうか。 たてがみを剃り落とすことによって自分のアイデンティティと名前を失い、元には戻れなくなってしまう。 擬音語に特徴があります。毛を剃るシーンとか。 最後の読後感は良かったのですが、舞城の特色である、エンタメとしての面白さが少なく、難しかったので★3で。
舞城さん作品はどの作品も水準以上のモノが多いです。しかし、「煙か土か食い物」を読んでしまった読者からは少し刺激が少なく感じてしまう事もあるかも知れません。 しかし、それでもなお、舞城さんにしか書けない小説で、独特のリズムと擬音に更なる鋭さを増しています。ですから、中毒性が高く、最後まで一気に読めます。ただし、導入部が今までの作品より大人しく感じましたので、今までの始まってすぐの、金鎚で頭を叩かれる様な、最初からのツカミは少し弱いかも知れません。 変わった、今までに無い物語をお求めの方に、文章のリズムに乗る事の快楽を得てみたい方にオススメいたします。