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『鏡家サーガシリーズ』の2作目になる作品で,01年12月のノベルスの文庫化. 前作の鏡家三男から本作では次女がメインに,時間は約10年前となっています. とはいうものの,彼女自身の登場は少なく,それ以外の人物がはじまりから登場し, 物語も彼女のそばで起こるものの,登場の少なさからか少し離れたところという印象. また,いくつかの物語が並行して進むため,登場人物の把握がだいぶしづらく感じます. ほかにも物語の動きだしが遅く,上の理由も重なり序盤からスムーズに入っていけません. ほかにも,特別な能力がキモになっているのに,背景についてはまったく説明がされず, 「能力がある」「能力があるからこうなった」と語られるだけで置いて行かれたようです. そのため,前作以上にムチャクチャな終盤も,荒唐無稽なだけでまったくついていけません. コスプレをとおした作品の『テーマ』も,当たり前のことをただ大げさに言っているだけで, 前作以上とも思えるアニメネタの多さも,主人公の妙なテンションもあって疲れてしまいます. これ以外にも,読み手に語りかけるいわゆる『メタ的』な描写は好みがわかれるでしょうし, グロテスクや読むに耐えない陰湿さも,本当にそこまで必要だったのか疑問に残るところです. なお,解説(文庫版のみ)は上野浩平さん,前作のみと語っていたあとがきはやはりありません.
加筆修正されたそうですが基本的には相変わらずなんです。どっかのレビューで佐藤作品は冷たいエンタメと評されていましたがまさしくその通り。もちろん細かい違いはあります。 その違いは読んでみてからということで、最も特筆すべきは解説があの上遠野浩平であることです。上遠野浩平と言えば電撃文庫のブギーポップシリーズで有名な小説家さんですが、何故この人なのかというとたぶんノベルス版の帯を書いたのが上遠野さんだったので、じゃ今度は解説を、みたいなことかもしれません。今度の解説もブギーポップではお約束になっている作者もどきの2人によるあとがき形式(わかりにくい表現ですが読めば納得するはずです)を書いています。