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教室にあった48の机と椅子がすべて消え、代わりに コピーされた遺書と男子高校生の死体が残されていた。 しかも、窓は施錠され、ドアは内側から、 ガムテープが貼られているという密室状態だった……。 本作は、探偵役が「世界」から徹底的に拒絶される物語 であるのですが、それはじつは他の登場人物も同様です。 彼ら一人ひとりが、不条理で理不尽な「世界」に翻弄され、 裏切られていった果てに「密閉教室」が現前したのです。 「密閉教室」とは、いわば「世界」の矛盾と歪みの結節点であり、 なお且つ、混沌とした「世界」をなだめる供犠でもあるのでしょう。
▼あらすじ 早朝の教室に少年の死体が横たわっている。 しかも、教室に在るべきはずの机と椅子が、ひとつ残らず消えていた。 そして、そこにはなぜかコピーされた遺書が残されていて……。 死者の級友にして、ミステリーマニアである工藤順也は、 この事件の真相を暴くことができるのか!! ▼感想 作中、探偵役の工藤は試行錯誤しながら推理を重ねていきますが、 ことごとくその考えは覆されていきます。 彼の信奉するロジックの力は決して現実には届かない―― ということが繰り返し強調されるわけです。 のちに、苦悩する探偵・法月綸太郎を生み出した著者が、 処女作の時点で推理小説の無底性という主題を追究していた ことを証す記念碑的作品。
新本格最強のパズラー作家、法月綸太郎のデビュー作にして最大の異色作。そしてそのノーカット版。新本格を語るとき、デビューが先となった綾辻の十角館の殺人が必ずあげられるが、新本格の無限の可能性を秘めたこの密閉教室も忘れてはならない。本作のたたえる、荒削りだが、端正さを失わない瑞々しい感性を読み取れないしたり顔の大人にはけして分かりはしないだろう。新本格の本質を。型破りと伝統が華麗にクロスオーヴァーする青春ミステリ。ぜひ、己の感性を試すように読んでほしい。
教室の机と椅子が全てなくなり。 しかも密室で。 人が死んでいる。 なぜ?どうして? 今回はノーカット版であるということで ノベルズと比べるのも いいかと。