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虚刀流七代目当主・鑢七花(やすりしちか)と白髪の奇策士・とがめの冒険第十弾。 今回、七花ととがめが変体刀蒐集のために訪れたのは、陸奥の百刑場。そこは、とがめの父・飛騨鷹比等が、七花の父・鑢六枝に殺された場所だった... 今回は、七花ととがめは内面的な戦いをすることになります。とがめの原点である、父や一族が殺された地を訪れた二人は、自称・仙人。七花にとっては、姉や、先に戦った汽口慚愧、七花が敗れたこなゆきといった人物の面影を宿していた。相対するものの、「苦手なもの」に見えるのだという。外見が七花の苦手なものであるというのなら、内面は... といった感じで、場所も、蒐集相手も、七花ととがめをゆすぶります。十という節目で、お話の終了に向かって、七花ととがめの内面を整理するような話になっています。これまで戦ってきたことで、「刀」でしかなかった七花がどう変わったのか、これまでを思い、これからを考えるよう促される七花。そして、変体刀についても、ある秘密が明かされています。この戦いで新たな境地を開いた二人が、今後どうなっていくのか、そして、ラストはどうなるのか。残り二巻が楽しみです。
12ヶ月連続刊行の10作目になります. 伏せ字ばかりの意味深な会話にはじまり,ある人物や今回の刀など, 少し前からチラついている,物語の背景に迫る描写が多くなっていて, 新たに明かされる刀の秘密も含め,完結が近づいている印象を受けます. また,今回の刀やその所有者と,物語の雰囲気もこれまでと違っていて, 特に序章を伏線とした中盤以降は,主人公らの内面を映し出すだけでなく, 今回の『経験』が主人公たちに与える影響,物語の結末に興味が惹かれます. ほかにも,登場場面やセリフは圧倒的に主人公のほうが多いのですが, 真の中心は別の人物になっているというのも,これまたおもしろい趣向. 禅問答のようなやり取りなどは,ちょっとしたファンタジのようでもあり, そのクセのある長いセリフは,著者のファンには楽しみどころのひとつかと. 反面,刀や敵のことを毎度のように書き連ねるのはいつもガッカリします. 『意図』はわかりませんが,これだけつづき作品内でも何度もやられては….