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モテたい理由 (講談社現代新書 1921)

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モテたい理由 (講談社現代新書 1921)の商品レビュー

4.0 赤坂真理がチャタレイ夫人みたいに感じられたりもする
 冒頭に「古今東西、男の価値を究極的に担保してきたのは戦争だった」、「社会が戦争を『考えてもいけない』禁止原理主義をとれば、男の価値は下落していく」(p8)と、ハッキリ書かれている。それから終章では、日本がそうなった理由をアメリカに戦争で負け、洗脳され、植民地になったからだと示唆している。要するに、日本の男どもは、戦争に負けて腑抜けになった、と。すると話は、腑抜け男どもが仕切る社会で女はどう生きるか、という問題なのか?
 著者は女性誌をいろいろ分析するし、「カレ友クラクラ作戦」(p35〜)の場合みたいにツッコミを入れないでもないのだが、むしろ、「私が今のマスメディア状況を見て思うのは『包囲戦』のようだということだ。(中略)圧倒的な物量で『包囲』されたときは、戦うことも逃げることもできない。無力にへたりこむ、それだけ」(p207)というような諦念の方が、強い。腑抜け社会で、女どもも一緒になって腐れている、そういう観察だ。
 でもね、日本だけが植民地ってワケでも、日本の男だけが腑抜けってワケでもないし、日本の女だけが腐れているワケでもないと思うのですよ(パリス・ヒルトンって、日本人じゃないしね)。著者は現代日本社会論に持って行こうとしつつ、話がそんなに簡単じゃないことに気づいたんだと思う。だから終章があるワケで、日本の中学に適応できず、たぶん80年直前に米国の高校に留学させられ、でも1年で戻ってきて日本の私立に編入し、しかし1年生をダブって…著者が慶応大に入ったのは、多分80年代半ば。在学中にバブル期を迎えるという、そういう個人史が、この本の視点に濃厚な影を落としているのだと思う。
 だからこれは、日本社会の物語ではなく、赤坂真理の物語として読まれるべき本なんだな。そう読むと、かなり楽しめる。
1.0 女なら女がわかるのか??
多くの方が既に述べているようにエッセイであって、何かの主張を論じているのではない。出てくるのは著者の信念であって、それ以上のものではない。新書もこういう形態になるモンだと、よく確かめもせずに買ったことに後悔。

「女とは・・・である。女の私がいうのだから間違いない。」
とはいうものの、あまりにナイーブなというか謙虚さの見当たらない信念である。
私は男だが、男の一般的な性質を述べることなどできはしない。

「モテ」という言葉が近年社会のスローガン化され・・・というのは日本語の質としてもどうかと思うが、これも単なる信念としか思えない。

信念であっても断定口調で述べられると私のように人生経験の少ない人間はひるんでしまうので、そのような人は読まない方が良いと思う。
私の知っている講談社現代新書はカバーに意匠をこらした内容の厚いものであったはずなのに、いつの間にか単純なカバーの薄い内容になってしまったのかと。
1.0 結局斎藤美奈子みたいなことがしたかったのか?
新書を買うとき、私はだいたい「はじめに」とか「序文」の部分を立ち読みして、その新書ではいったい何が論じられているのか
を吟味するようにしている(新書は特にタイトルに偽りアリが多いので)。ところが、この『モテたい理由』はそれがついてなくて、
唐突に第一章がはじまる。
私が思うに、筆者はこの本の大枠が決まった後「私はこの本でいったい何が書きたかったのか」というのが自分でもわからなく
なったのではなかろうか。だから「はじめに」を書かなかったのではないか。それぐらい、何が書きたいのか理解しかねる内容。

筆者もそれを感じていたらしく、終章の冒頭で「この本は混迷した。ゆえに、読者のみなさんも時に混迷させてしまったかもしれ
ない」(212p)と吐露する。おお、自分でもわかっているのかと思ったが直後に「しかしそれは、私たちの生きている時代と社会
そのものの混乱なのかもしれない。」(同上)。
・・・時代と社会が混乱していようとなかろうと、誰だってこの本を読めば混乱するよ。そして、混乱していたのはこれを書いて
いたときの筆者ではないか。そしてこの終章『戦争とアメリカと私』(まずこのタイトルがすごい)は、さらに読者の混迷を深めていく。
詳しくは読みたい人だけ読めばいいが、前段とは打って変わり、戦後責任論とか日本はアメリカの植民地ではないか、
ということが筆者の重っくるしい10代の体験とブレンドされて論じられる。

本のタイトルにしても、最終段階になって最も分量の多い女性ファッション誌評論の部分を連想させるコピーにしようという折り合
わせが行われたのではないか(いや、実際はどうか知らんけど)。それぐらい話があっちやこっちに飛んでいて、いったい
この人はこの本で何が言いたいのか?ということがわからなくなってくる。
しかも、そのファッション誌評論の部分も、斎藤美奈子みたいなことがしたかったのだろうけれども、『趣味は読書』の斎藤
の芸には遠く及ばないし、この人は小説も書いているらしく、文体の我が強くて、語り口がなんだかひどく読みにくかった。
とにかく芸が雑なのである。もう少し、詳細に調べた方がよかったのではないか。

背表紙を見た。
どうもこれも講談社現代新書になるらしい。
2.0 語るな論じろ。
タイトルと帯に魅かれて購入したが、大ハズレ。得るところは何もなかった。本書の男女論は酒井順子や小倉千加子がこれまで散々言ってきたことの焼き直しにすぎず、しかも洞察や分析の鋭さという点で、彼女らの著書に遠く及ばない。雑誌のキャッチコピーを継ぎ接ぎしたかのような纏まりのない文体は、読む者の意欲を萎えさせる。そして本書終盤で突如語られ出す体験談は、読者の共感に甘えているのだろうが、私には論旨不明であった。著者紹介によれば著者はこれまで何冊かの「小説らしきもの」を書いてきたとのことだが、本書も著者にとっては「社会評論らしきもの」なのだろう。無分類ゆえの無責任といったところか。近年新書が粗製濫造気味なのは知っていたが、講談社現代新書のような老舗でもそうとは知らなかった。本書から私が得た唯一の知見である。
3.0 うん、疲れたよね…
非常におもしろく読んだのですが、タイトルと中身にギャップがあるのと、
後半が自分語りに終わってしまったことを残念に思ったことで、★三つ。
(後半も「赤坂真理のエッセイ」として読めば、
なかなか興味深いのですが、この本に載せる必要はなかった気がします)

私は仕事の関係でいわゆる「モテ本」を大量に読んでいるのですが、
「雑誌ウォッチャー」を自称する著者が女性誌を読んでいると、
定期的に襲われるという「鬱」の感覚がとてもよくわかります……
「もう疲れたよ…」という帯コピーは実に秀逸。
長らく(といっても、ここ二年ほどですが)「モテ」に関わり、
「モテ」を読み込み、いろんな意味で「モテ」に振り回されてきた私にとって、
この本は一種の「癒し本」ですら、ありました。

「モテブーム」にイマヒトツ乗り切れず、かと言って無視することもできず、
グルグルしてしまった人には、たいへんおすすめの一冊です。
「うん、疲れたよね…」と思わずタメイキをついてしまいます(笑)。

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