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FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)

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FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)の商品レビュー

3.0 いろんなことに夢中になれなくなったのはいつ頃からだろう。
とよ田みのるさんの漫画は前々から気になっていて、(人物の線の描き方とか、コマ構成とか)
元々ラブコメが苦手で敬遠していたのですが、ピンボールといったマイナーなネタと
装丁の良さに惹かれて今回読んでみました。

ギャグセンスが素晴らしい。特に、山田さんのとぼけた台詞にいちいち傷ついてる深町くんとか、プルプルおじいちゃんとか、マゾ丸出しフリオくんの「ガビーン」。爆笑しました。
山田さんの唇のゆれとか、ネコ目な男子とかも面白い人物造形です。ピンボールマシーンの造形もカッコイイ。
ジャンプな擬音もなんだか懐かしかった、、、

ただ、話の中で気になったことが何点か。
舞台設定がMixi的というか、セカイ系的というか、そういったものの上で成立している。
例えば、ゲーセン内でのコミュニティ関係とか、会話とか。シカゴに来ているのに全然外国に来ている感じがしないとか。(それは、絵画の技量のせいかもしれないし、日本中が
既に新自由主義によってアメリカの郊外化してしまったからかもしれませんが)

あと、日本国で生活している若年寄りな私としては「ただ、心が震えるのです」「本気で楽しみたいだけ」「その先にある世界を見てみたい」「幸せになりたいのです」「意味なんかもとめてんじゃねーよ」等の発言は幼児的で自己満足、現実逃避にしか捉えられませんでした。
まあ、その先の「世界」が決定的に取り返しのつかない所では全然なく、健康的なのでいいんじゃあないでしょうか。
この熱い世界観についてこれるかどうかが、評価の分かれるところではあります。
4.0 読み切り版の方が完成度は高いかも
「ラブロマ」よりもキャラがかわいいし、ピンボールという珍しい題材を扱って作者の個性が出ています。素晴らしく面白いマンガです。
ただ、個人的には連載版のヒロインの言動には疑問がつきまといました。卒業式の日に告白する主人公に対して「いいですよ、ただしピンボールでハイスコアを出してくれれば」というヒロインの発言には、「いや、そういうことで決めるの変でしょ!」というツッコミがもっともで、最後までいまいちスッキリしないし、ピンヘッドエキスポ(大会)では、自分をそこまで連れてきてくれた恩人でもある主人公に対して「私、UFOさん(ハイスコアラー)が好きなのだと思います」なんて言い放ってしまうなんて、思いやりも社交辞令も欠いた振る舞いで、それでもヒロインに恋し続ける主人公への感情移入を阻みます。いやもちろん現実世界にはそんな失礼な人間がウヨウヨしてるのは知ってますし、主人公が相手を好きになったんだから向こうもこっちを自動的に好きになってくれなきゃイヤだなんて子供みたいなことは言いませんが、物語として、ヒロインのどこが、万難を排してまで好きになれる所なのか、分からなくなってしまうのではマズいのではないかと。全体的にヒロイン、エラそーだし。
その点、読み切り版(収録されてます)の方が、ヒロインの「真剣にピンボールに打ち込んでいる横顔」や「暴言を吐ける性格」に一目惚れした、ということで魅力の説明がつくので、納得して読んでいけるところがあります。一つのテーマに向かって一気に進みますし。
というわけで、連載版のヒロインだけが減点対象なんですが、全体的には、最高にお薦めの漫画です。裏表紙の、手を繋いでる2人の絵もとてもいいです。
5.0 独特の勢いと愛らしさがあります
前作ラブロマを楽しく読んだ方には是非オススメしたい。

主人公が好きになった相手はピンボールマニア。
「私と付き合いたいならこの台のベストスコアを越えて」と、聞くだけならなんて我が儘な人だと思うような所も、筆者独特の緩すぎない引き締め方で和やかに、でも熱く話は進んでいきます。
どこまでもポジティブというか、とても元気になれる1冊。

余談ですが主人公がピンボールに挑戦する際、熱中しすぎて世界が自分とピンボールだけになるシーンがあります。
周りにいた人がぼやけて、輪郭だけになって、意識からいなくなる。
本気で何かに熱中した事がある人は、そうだよ こうなるんだよ!と思ったのではないでしょうか?(笑)
次回作にも期待しつつ、とにかく今一押しの1冊です!
5.0 ピンボール愛に溢れてる!
主人公がピンボールにはまっていくのに、一緒に引き込まれて、ピンボールがやりたくなりました。
でも、どこにいけば!? ゲーセンに行ってもおいてあるの見たことない!
5.0 新作は前代未聞のピンボールラブコメ
主人公、深町ミチオは卒業式にあこがれの山田華に告白するも、彼女がだした交際の条件は、あるピンボールマシンのハイスコアを超えることでした。

傑作『ラブロマ』の最終巻から約1年半、待望のとよ田みのるの新作はピンボールという非常にめずらしい題材をあつかう意表を突く作品でした。

ラブコメではあるのですが恋愛模様は脇にまわり、メインはあくまでピンボール。
ここまでピンボールを主眼においた物語は、コミックのみならずフィクション全般にわたってもかなり特殊です。
濃密なピンボール描写はクセになるおもしろさで、ピンボールのスリルとスピード感、プレイヤーの息がつまる緊張感とハードルをクリアしたときの喜びを十分に疑似体験させてくれ、さらに極度の集中が「むこう側」を見せてくれる場面は本当にすばらしいです(「やっと静かになった」の鳥肌がたつほどの演出は白眉!)。

『スプリンター』『ピンポン』などのある種のスポーツマンガのように「神の領域」をめぐる物語だともいえるのですが、その手のストーリーにつきものの「孤独」「狂気」といった言葉とはまったく無縁で、「むこう側」をみることが全面的にピンボールの楽しさとしてポジティブに語られる健全さは作者の資質だと思います。

1巻完結という点に関しては、多少ヒロインの山田華をはじめキャラクターに寄った物語をもっと見たかったという気持ちはありますが(深町と山田のその後の話を読んでみたい!)、コンパクトにまとまっているがゆえに作品が濃密でブレのないものになっていると感じます。

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