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この本は発売直後に購入したのに、先日ようやく読んだ。読めば面白いことは確信しつつ、5か月も本棚に放置してあったわけだが、確かにこのシリーズには「そんなに急がなくてもいいや」と思わせる何かがあると思う。 山下和美は、やはり柳沢教授シリーズで化けたと言えるだろう。で、そういう出世作には作品のスタート時の設定を乗り越え(内破し)て、作者自身が「これだったんだ!」と自分の世界を発見していく喜びが感じられることが多い。最初の設定からすれば矛盾・齟齬を含む展開にもなるが、それがスリリングとも言える。新たなステージが徐々に、または一気に姿を現す時には、読んでいてワクワクさせられる。 で、この「不思議な少年」の話だが、そういう作者そのものの変貌の予兆が見つけられない。作者が柳沢教授シリーズで到達した天上界から、下界を見下ろすがごとく描かれているように思える。実際、柳沢教授そのものが最近の巻ではほとんど「不思議な少年」で、二つの物語は非常に似通ったテイストになっている。「納まっちゃった」と言えば言える。いい話なんだけど、「目を離すと、どうなるか分からない!」というハラハラ・ドキドキ感はない。だから読むのが後回しにもなる。 ただ、大家の風情で鷹揚に始まった物語ではあるが、このままエピソードの積み重ねで終わるとも思えない。「不思議な少年」の存在と意味について、いつか、何らかの決着がつけられねばならない。それがこの作品を駆動する不均衡であり、時限爆弾であり、根拠だろう。そしてこの根拠そのものに向き合うとき、山下和美は、また新たなステージへと移るのかもしれない。 やはり、目は離せないのかな?
第3巻は自分の生き方に不安を持っている人にはたまらないだろう。主題は読む人によって変化するかもしれないが、自分と闘うこと、自ら行動すること、本巻に含まれているお話ではその話題が繊細に描かれていると思う。私はこの巻のお話に今までの巻には無かった感動を覚えました。それはたぶん今回のお話が、現代に生きる我々にとって(時代設定などの点で)より現実味を持っているからだと思います。
私はこの巻のお話に今までの巻には無かった感動を覚えました。それはたぶん今回のお話が、現代に生きる我々にとって(時代設定などの点で)より現実味を持っているからだと思います。