真実、というより・・・
事例はある学校に子どもを通わせたある親のインタビューのみで構成されていて、
その内容の裏づけや学校の言い分はもちろん、真の当事者である子ども自身の気持ちにさえ言及していません。
そういう意味では「真実」と銘打つのはどうかな~、
せいぜい「現実」がいいとこではないかと思います。
つまり、「有名私立」に行ったからといってすべてがバラ色じゃないよという至極当たり前の現実。実は、私が一番なるほど・・と思ったのは、
あとがきがわりの「取材を終えて私たちに見えてきたもの」です。
もしかして個々の事例は、このあとがきを書くための"オードブル"だったのかも・・・?!
私立学校を選ぶ「大いなるリスク」
小学校あるいは中学校から私立に子供を入学させた母親あるいは父親の体験談。
首都圏を中心に、全部で13校の学校体験が
1.私立に入れてよかった
2.不満はあるが、とりあえずガマンして現状維持
3.耐え切れずに転校
の3種類のケースにわけて掲載されています。著書の前書きにも少し触れられていますが、
インタビューがあくまでも片親への単独インタビューのみで、
学校側の主張や当事者である子へのインタビュー、客観的に判断できるデータ、裏づけ等の提示は何もありませんので、
匿名で語られる内容を鵜呑みにするのはどうかと正直感じました。
また、学校名も「明治以降に創設され、小学校から大学まで擁する良家の子女を集めたA学園」というような書き方で、
私立学校に精通していらっしゃる方なら、「ピン」とくるのかもしれませんが、
うとい私が推測できたのは13校中3校だけでした。
従って、特定の学校の風聞を知りたい方には不適と思われますが、
最近の「私立至上主義」の風潮にかすみがちな、「私立を選ぶリスク」をとりあえず考えさせてくれる本ではあります。