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暗黒神話 (集英社文庫―コミック版)

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暗黒神話 (集英社文庫―コミック版)の商品レビュー

5.0 百億千億みたい。金帯に「少年は宇宙を統べる」と。
表紙や題名から独特な漫画だという印象を受けました。実際中身も濃いです。
日本の神話や遺跡と仏教を絡ませ、少年は宇宙を統べると書いてある通り、壮大なストーリーでした。
百億の昼と千億の夜に似た雰囲気があります。宗教色が強いのに科学的な説明がされたりします。「胎蔵界曼荼羅は空間の構造と原理を・・・」みたいな。
絵もそれほど強烈ではなく安心しました。ただ人が溶けたり死んだり化け物がでてきたりするので大人向けの作品でしょう。

両胸をえぐるように穴が開いた石製の人の彫刻(長岩横穴群)タイル張りのように見えるチブサン古墳などが登場しますが、なんだろうと思ってgoogle検索したら全部実在のもので、そうしうた裏設定がストーリーに奥行きを与えています。
ブラフマンやアートマンも仏教では重要な単語で、これを作者はうまく解釈して漫画に反映させてるのか、オリジナルストーリーかなと疑いつつもwikipediaみると作中での役割が原典の説明と同じことをしていたり、よく調べたんでしょうね。
ラストは凄かった。こういう解釈の仕方があるのかっていう未知の物にであった感動がありました。
ブッダの五十六億七千万年後に生まれ変わるのはそういう意味だったのか!
生まれ変わる話はよく聞きますが別に五十六億だろうがどうでもいいと思ってたんですが、この作品を読んでから7000万という端数まで覚えてしまった。

徐副伝説のほうも中国史が好きだったもので知っていたんですが、同じように発想が斬新でした。精衛の話も同じく実在する伝説で、陶淵明の詩もはじめて知った(ちなみに徐福伝説は本書の4分の1ぐらいの厚さ)。

最後に、雰囲気は百億千億に似てますが私は百億が好きだったので、その視点からするともうちょっと多く描いてくれてもよかったと思う。科学的な単語も直接物語に関わりはなかったし、ちょっと気になるのがタイムカプセルは誰が作ったのか。
古代文明?そもそもあったの?、そこを詳しく科学的な感じで説明してほしかった。誰が作ったのかな?
5.0 代表作の一つ。諸星作品入門。
諸星大二郎は好悪のわかれる漫画家だと思う。
諸星の作品を一度も読んだことのない人に、はじめて読むべき作品として本書を勧めたい。この作品には諸星作品の殆ど全ての要素が揃っているからだ。この作品が気に入れば、他の作品も面白く読めるはずだ。
まず人間が死ぬ時、普通の死に方をしない。ドロドロに溶けながら死んでゆく。しかもドロドロになりながらしばらく生きているのだ。この点、アーサー・マッケンの影響が大きいと思う。
誰もが知っている伝説や神話が物語の枠組みとなっている。伝説や神話は古代人の空想譚ではなく、実際にあった出来事に近いものだったという設定。むしろ実際にあった出来事は、神話・伝説以上に不気味で生々しいものなのだ。この作品では日本神話が作品の枠組みになっている。
出てくる怪物がどこか畸形じみている。あるいは人間が畸形化する。幽霊ではなく、妖怪がでてくる。ヌメヌメした異形の生命体。とにかく気味が悪い。
一種の終末論になっている。厭世観とエロティシズムの要素が強い。死と生が断絶していない。個体同士が融合する。奇妙な宗教性がある。
女性嫌悪の傾向がある。
一歩間違えれば悪趣味な作品になってしまう危うい部分を、抜群のセンスの良さで上質なホラー作品に仕上げている。著者の正気を疑いたくなるほど、想像力が駆使されている。
日常のほんの裏面に途方もない暗黒世界が存しているという設定。
こうした要素が、比較的短い作品の中にカッキリとまとまっている。起承転結がうまくできている。ともすれば茫洋と拡散してしまう欠点がこの作品にはない。
(また、この作品は「孔子暗黒伝」とリンクしているらしい。)
5.0 日本神話の真実が壮大に描かれた作品、実に濃厚です。
ギリシャ神話というと神々と人間の愛とエロスの物語が主ですが、日本神話となると実に恐ろしく不思議で鬼畜なお話ばかり、日本でいう神とは何なのか、本当に神聖な存在なのか?、そんな日本神話を題材に壮大な物語が描かれています、マンガ本というとすぐに読めてしまうイメージですが、こちらは実に内容が濃厚、読むのに時間がかかります、大満足な内容でした、肩に蛇柄のアザを持つ少年、そのアザは聖跡、神々に転輪聖王となるべき選ばれた証であった、なぜ、少年が?そこには少年の隠された出生に原因があった、転輪聖王とは?魏志倭人伝に隠された真実、邪馬台国とは?女王、卑弥呼が迎えた衝撃の終焉とは?そこには不老不死に至るおぞましい真実が隠されていた、日本各地の神々より聖跡を受ける旅の果て、少年が迎える衝撃の運命とは、壮大なスケールに日本神話の知識を集結した実に濃厚なストーリー、お勧めです。
5.0 壮大な構想と描写力
個人的には作者の最高傑作長編。冒頭から舞台が長野に飛ぶが、これは出雲の神々が大和の神に追い出され、諏訪神社に流竄したという伝説によるものだろう。

このように古代神話から始まり、主人公の少年(=ヤマトタケルの生まれ変り)が邪馬台国ゆかりの地を巡る一方、邪馬台国に対抗したと言われる熊襲の末裔と少年との戦いが描かれる。少年が各地を転々とする様は、まさにヤマトタケルが全国を転戦したという神話と重なる。更にその中に、歴史上謎の人物とされる竹内宿彌を"古代カプセル"から復活させ、少年のアドバイザー役として活躍させるサービスぶり(竹内宿彌自身、長寿伝説が残っている)。

話は古代伝説と日本仏教に留まらず、古代インド神教にまで及び、馬頭星雲の接近と共に、少年は最高神アートマンと一体化するのだ。

荒唐無稽な話の様だが、読者を惹きつける強烈な魅力があり、また一つ々々のエピソードは綿密な調査に基づいていることが窺える。少年誌に掲載したとは思えない壮大な構想力と写実的な描写力には圧倒される。

同時収録の「徐福伝説」も面白い。徐福も謎の人物で、何故始皇帝が"不老不死"の薬の探索役を徐福に命じたか(徐福がどうやって取り入ったか)、今もって不明である。実際、九州には「徐福」が流れ着いたという伝説が何箇所かに残っているという。
5.0 おもしろ
この漫画が少年ジャンプで連載されてたってのが信じられない。
読まないだろう、小学生は。

小生もずいぶん昔に読んだが、そのときは
さっぱり意味が分からなかった。
そして本書が文庫で出ていたので久々に読んでみたらびっくり。
なんとおもしろいことか。

まさに歴史を舞台にした壮大な推理漫画。
じゃあそれが事実なの?、などと言ってはいけない。
史実と神話が織り交ぜられた時代。
事実は容易には分からない。だからおもしろい。

想像するのは自由。
まさにエンターテイメント。

そんなエンターテイメントを漫画にした著者に拍手喝采。
そしてその奇想天外、抜群の推理力に乾杯。

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