私にとっては
この作品は、「新し過ぎる」のだが。なぜならば私にとっての彼女は、彼女の勢いが付いてきた、当時「りぼん」で描いていた、1975~7年頃の彼女だからだ。ちなみに彼女デビューは16歳、1972年10月ではなかったか?(獅子座生まれのあなたさま)だがしかし、そんな事を言ってもはじまらない。今こうして、廃盤にならず残っている文庫を通してモノを言うしかない。解説で森雅行という「漫画家」(この人は幸せだ、志を通してしまったのだから)が言う通り、彼女のファンは一様に「ラブレター」を書いたものだ。私だって例外じゃない。高2若いなあ、と作中でつぶやかせたのも、「オリオン座から流星にのって」の作に影響があったのを見て取らずにはいられなかった。心の中で、「認めて」もらったことを強く覚えている。つまり、感謝の念を、だ。さて、この自選集、当時の読者である私が読むに、彼女のキャラクターの真骨頂は、「ほのかに眠い昼下がり」の<ロリカ>の花園さんと(P228)「涙のストローハット」の央子ちゃん(P303)にあるのではないかと思う。 特に花園さんの肉感性というのは、女性が女性を描写したことによる、その柔らかさが図らずも出て、大人になった私の奥所に触れるものが、今でもある。それは、過去もそうだったろうし、今後もきっとそうだろう。
彼女のホームは北九州だ。191Pの観覧車、あれは小倉のものではないか。本物を見たときに強くそう感じた。
文庫として、今、読んでも当時と本質的な変わりはない。温故知新。今の少女漫画しか知らないなら、読んで損はないと思う。
昔懐かしい
昨今の少女漫画の基盤になりつつある陸奥A子さんの懐かし自選集。
収録作品は、表題作含め「流れ星パラダイス」「陽気なブルー・カナリア」「月のベンチで待っているから」「土曜の午後のチアフル・ティアフル」
「ほのかに眠い昼下がり」「AHCHOO GIRLS」「涙のストロー・ハット」
どの作品も、未だに現代の少女・女性に通じるものを持っている。
ほのかに光る、懐かしい少女時代の「恋」への憧れめいた物を思い出させてくれる。
当時、陸奥作品を好きだった大人の女性に。
そして、現在の過激傾向が高くなってきた少女漫画に付き合いがたいものを感じる少女に、読んでみて欲しい一冊。