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金魚すくいに用いる道具の名称を「ポイ」という。そこから付けられたタイトルの本作。桑島由一待望の新作は「青春金魚すくい小説」である。主人公は中学3年生の寅次。母親は家を出て行き、今は父親と二人暮らしである。彼の父は金魚すくいの名人だったが、ある大会で不正を行ったとして、町中から卑怯者のレッテルを貼られている。その息子である寅次も、卑怯者の息子として様々な嫌がらせを受けて育った為、父親と金魚すくいを憎悪していた。そんな夏のある日、たまたま聞いた医者と父親の会話から、自分の命はこの夏までだと知ってしまう。ショックを受ける寅次にさらに追い打ちをかける事態が。幼なじみの女の子桜に許婚がいたのだ。家の為に従おうとする桜を救うべく、寅次は許婚の野崎に勝負を申し込む。だが、よりによって勝負は金魚すくい大会で優勝することに決まってしまう。大会を一週間後に控え、金魚すくいに詳しい後輩のあかりの指導の元、特訓が開始されるが、病魔は着実に寅次を蝕んでいた……。あとがきに、『なるべく真っ当な「青春小説」を目指しましたが、いざ書きあがってみると、ほらね、いつもの通りでしょ、というあれになってしまいました』とあるが、これまでの桑島作品に比べると精彩を欠いてるように思った。正直……楽しめなかったのである。大好きな作家なので心苦しいのだが、初めて読んでてキツイと感じた。桑島作品中、単体では最長のページ数なのだが、長い割に内容が薄く感じられた。長々とあらすじに書いたように、あれもこれもといろんな要素を詰め込み過ぎた結果、物語の焦点がぼやけ、全体として消化不良に終わってしまったようなのである。要素をもう少し絞ってまとめていた方が良くなっていたように思うのだが…。