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9・11ジェネレーション―米国留学中の女子高生が学んだ「戦争」 (集英社新書)

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9・11ジェネレーション―米国留学中の女子高生が学んだ「戦争」 (集英社新書)の商品レビュー

5.0 9.11 直後のアメリカの雰囲気が見える
岡崎玲子。すごい子だなあ。日本ジャーナリスト会議の「黒田清JCJ新人賞」をぶっちぎりでもらうわけだ。

アメリカで3本の指に入るエリート中高校(チョート校)在学中に起きた 9.11 事件から昨年の卒業までに、彼女の身の回りで起きたことや考えたことを綴った本だ。かなりリベラルな彼女の友人や先生はが戦争の雰囲気に巻き込まれて行くのを、彼女がもどかしく見続けた思いが伝わって来て、読者にもアメリカという国や戦争のプロパガンダなど、いろいろ考えさせてくれる。

文句をつければ、9.11 からイラク戦争までの周りの反応を冷静に描写する部分がもっとほしかった。特に後半は彼女の考えを述べている部分が多い。彼女の考え自身は、高校生としてはものすごく深く考えていて、同感する部分がほとんどなんだけど、それだからこそ、私にとっては新しい情報とはなり得なかった。これは、あくまで「文句をつければ」の話で、文章もスラスラ読めるし、論理も明快だし、大変な才能には間違いない。

私としては職業柄チョート校の教育には大変興味を持った。徹底したエリート教育で、学生の知的レベルが極めて高いことを前提に、自分で調べて授業時間では徹底して議論する教育なんて、やってみたいなあ。歴史の授業では授業時間に事実の羅列を教えたりしないのね。数学をこの調子ではちょっとできないでしょうけど。わが国でこういう教育をする高校(大学でもいい)は出てこないのだろうか。出て来ても、大衆/メディアは受け入れてくれるだろうか。高額の学費を払う父兄(お客さんね)はどれくらいいるのだろうか。そもそも、そんな授業をできる人材を集めることができるのだろうか。と、沢山の疑問が浮かんで来た。次は、彼女の処女作「 レイコ@チョート校?アメリカ東部名門プレップスクールの16歳」を読もう。
5.0 今、改めて感じる911という出来事
2001年のあの日から、多くの月日がたち、
改めて再認識をすると言う目的でこの本を読んだ。

本の中には、
その時、その場所で起こっていた痛々しいほどの現実と、
それに向き合うひたむきな若さが在り在りと表現されている。

この本を通じ、
「僕らが知っているのは、たった一部の報道である」

ということを再認識させられた。
そしてそれは事実ではないこともあるのだろう。


世の中には様々な価値観がある。

ただし、それを認め、フラットに見られる社会は少ない。
まして、それが自分の身が危険にさらされている場合にはことさら。

人種のるつぼ、と呼ばれているニューヨークでさえ
そのような現実がおきていたと知れば、
人間の限界というか、本能の忠実さを感じずにはいられなかった。


だが、
それでも、作者である岡崎さんは懸命にそれと向かい合い、
正しい視点でそれを見つめようと努力をし続けていることが、
本を通してハッキリと伝わってくる。

また、
この作者が非常に優秀な人物であること、
そしてそれが類まれなる教育と環境によって育まれてきた事がひしひしと感じられた。


僕はこの本を1人の秀才が書いた本としてではなく、
日本の未来に活かす為に、残していければと思う。


例えば教育の現場でこの本を使ってみてはいかがだろう?

1人1人が感じること、そして判断することの大切さ。
それを行えるだけの責任と知識を得ることの大切さ。

もの凄くたくさんのことをこの本は気づかせてくれる。


そしてそれが平和へとつながっていく第一歩になる。


5.0 すばらしい著作
米国の超エリート高校留学中に同時多発テロ,イラク戦争を経験した日本の女子高生が,戦争,米国社会等について高校生の立場から思索を深めていく。
著者は,生真面目で極めて優秀な高校生なのだろう。本の内容は,単に自分の体験を報告するというよりも,自分の思索の結果を発表するという点に重点がある。この点で高校生らしくないと物足らなさを感じる人もいるかも知れない。しかし,大きく難しい問題を単純化せず,また誇張もせず,大きな視野で見つめて,高校生の感性から自分の問題として思索を深めていく,すばらしい内容になっている。視点は,ジャーナリストよりも研究者に近い。
著者が将来どのような職に就くかはわからないが,どんな職に就いても一級の仕事ができる人物になると思う。
4.0 もう少し素朴な観察を文章にしてほしかったかも。
 日本人にこんな優秀な高校生がいるのか!!と驚かされるぐらい、本書の内容は全体として大人びています。
 しかしもっとも興味深く読めるのは、逆に大人びていない箇所ですね。とくに一章。9・11以降のアメリカ人の不安と焦燥感の高まりが、高校生の素朴な視点から描かれていて、他の人には書けない優れた報告になっていると思います。

 後半になると著者の政治論・歴史論が増えてくるのですが、その辺りは正直なところ、刺激になりませんでした。著者の主張よりも、もっと、アメリカの学生たちに対する観察、解釈に軸を置いたアメリカ論が読みたいというのが僕の個人的な感想です。そうしてこそ、著者のオリジナリティが出てくるのではないでしょうか。
 でもまあ、一読の価値はある良い本だと思います。

3.0 著者の”立ち位置”が見えにくく感じました
”若さ”を強調するタイトルとは裏腹に、年齢を感じさせない、著者の冷静な観察眼と洞察とによって書き進められた本書であったが、

年齢を感じさせないが故の”違和感”が、一読して強く印象に残った。

その”違和感”とは、「著者の拠って立つところが見えにくい」ということである。
確かに、俯瞰してみれば、「日米の違い」を探る視点からは「日本」が何らかの”立ち位置”になっていることは間違いなく感じられるのだが、
”戦争”はとどのつまり、人と人とがきっかけとなっておこすもの、すなわち「人」というところに注目した場合、彼女の”立ち位置”が途端に見えにくくなる。

つまり、「国」や「社会」という1つの”組織体”に焦点を当てた観察眼/洞察には理解し、時には同意できるところもあるのだが、「人」というミクロに焦点をあてて読もうとすると、著者自身の人となりも見えにくく、また名前が紹介される(著者を取り巻く)アメリカ市民1人1人の人となりも見えにくいことに気付く。

全般を通じて、非常に「概念」「理想形」を軸とした観察眼/洞察になっているようにみえるところが、”戦争”の本質に迫りきれていない(むしろ本質から目がそらされてしまうような)感を受けることになり残念。

社会の裏表、人間の裏表を理解する試みを継続しつつ、それを超えるような著述活動を今後著者が目指されんことを祈念したい。
特にその「裏表」の間にこそ、戦争/暴力といった争いの根源、そして苦悩が潜んでいるはずだから・・・。

その過程で、自ずと著者の”立ち位置”が行間から現れてくるに違いない。(もしかしたら著者は”立ち位置が見えない”書き手を志向しているのかもしれないが、”立ち位置が見える”というプロセスを経た後にはじめて、"立ち位置の見えない”書き手としての大成の道が見えると考える)

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