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『噂の真相』25年戦記 (集英社新書)

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『噂の真相』25年戦記 (集英社新書)の商品レビュー

4.0 古き出版文化
出版文化がわかる本。ただ、今はなかなかこういう出版文化が難しいのだろう。
雑誌のジャーナリズムが成り立っていた時代。人はそれを黄金時代と呼ぶのかもしれない。
僕も20代、30代の頃は、よく雑誌を読んだ。しかし、今は読まない。若い人はもっと読まないだろう。
そう考えると、ここに書いてあることはすべて「古きよき時代」の話となってしまうのかもしれない。
そういう意味で、哀愁がこもった一冊。
4.0 贔屓の引き倒しになりかねないなあ
『噂の真相』と聞くと大学時代の友人を思い出す。
私も彼の愛読していたこの雑誌をたまに見せてもらっていた。
ゴチャゴチャとした版組、ざらっとした紙、そして虚実綯い交ぜの文章。
他の雑誌や新聞とは一線を画した雑誌で面白かった。
とくに一行情報を楽しんでいた。

その『噂の真相』の編集長が雑誌休刊後に雑誌の歴史を振り返ったものがこの本。
創刊から「皇室ポルノ事件」「ロス疑惑」を巡る報道合戦、「右翼襲撃」・・・
波瀾万丈、満身創痍という言葉がこれほどに合う雑誌もないだろう。
広告打ち止めを機に広告に頼らない経営に変換、右翼団体の抗議からエセ同和団体の糾弾へ・・・窮地を逆手にとって隘路を切り開く手腕もまさにゲリラ雑誌の本領発揮というべきか。

『噂の真相』の歴史を紐解くうちにマスメディア批判も花開く。
権力や金銭におもねる部分もある主流マスコミへの批判は首肯するところもある。
それでもすこし自分たちを褒めすぎかなとも思う。
『噂の真相』が日本のマスコミに与えた影響は小さなものではないのは確かだ。しかし、ここまで大きいものでもないし、ここまで正しいものでもないと感じる。
5.0 休刊後、滲み出る存在感
 朝日、日経といった大手メディアに比べ格下にみられることも多いゲリラジャーナリズム。私自身「噂の真相」を手にとったことすらなく、休刊に際した大手メディアの報道で改めてその存在を知った。
 確かに`一流'メディアには高学歴の社員が集まることも事実だろうが、ジャーナリストとしての本分は足で稼ぎ発信することにあり、その点ではむしろ様々な意味でしがらみの少ないゲリラジャーナリズムの方が優位にたつようにも思える。
 本書を読むと頑ななまでの著者の反権力としての姿勢が浮かび上がる。そして、それを可能ならしめた一因が収益をスポンサー広告に依拠しない、換言すればスポンサーの圧力に屈する必要のない「噂の真相」自身のビジネスモデルにあったことがわかる。
 大手メディアでは一記者が特ダネを見つけても、記事になるまでに組織の壁さらに有形無形の圧力を超えねばならず、運良く記事になっても既に骨抜きということも珍しくない。一方、「噂の真相」では綿密な調査にもとづく信憑性の有無のみが記事成立の根拠となっており、事実大手メディアの記者から自社では記事にできないネタが持ち込まれることも多かったようである。
 権力者から疎まれつづけた雑誌が消えて、はや三年になろうとしている。だが、そうしたメディアの存在自体が民主国家としての成熟度を示すバロメーターであることは、最近のロシアの例をみても明らかである。
 第二、第三の「噂の真相」が書店に並ぶことができるのか、それとも消えてしまうのか。大げさではなく日本のあり方を左右する問題である。

 
3.0 岡留安則クロニクル
悪名だかい雑誌「噂の真相」編集長の著書である。
「噂の真相」は(真実もあるようだが)ありもしないことを書いて、
その人の名誉を下げるような最低な雑誌である。
個人的にこのオトコは嫌いだ・・・。

しかし、嫌いだからといって読まないわけじゃない。
この本は岡留の戦いを書いたエッセイと見た。
あー、そんなことがあったのか。と思わせてくれるような文章は
一種のネタになるかもしれない。一見の価値はある。

しかし「あの人の論調がマトモになったのは自分のおかげ」みたいな文章には
さすがの俺も笑ってしまったがな!
エッセイってこんなのしかないのでしょうか?
4.0 題名の通り『戦記』である
 題名の通り日本一のスキャンダル雑誌?『噂の真相』の戦いの歴史の内幕であるとともに同誌編集長であった著者のジャーナリズム論である。
数々のスキャンダルをスクープしてきた同誌だけに内幕だけでも非常に楽しめる。
 創刊2年目に起こった『皇室ポルノ事件』の結末は、著者は感じていないようだがちょっと情けなくもあり、これ自体が著者自身の暴露記事になっている

 私は、一時期『噂の真相』を定期購読していたのだが、最後は興味本位でだけ書かれたとしか思えない、どうでもいいような暴露記事の多さに閉口し結局は読まなくなった。
 著者は、どんなにいい記事を書いても読んでもらわなければ意味はないと言う。そして、『噂の真相は』反権力・反権威のスタンスだけではなくヒューマン・インタレスト(大衆の好奇心?)との2本柱としたことが、同誌を月間総合誌部数で文藝春秋に次ぐ第2位を維持できた理由であると述べている。私が噂の真相から離れたのは、このヒューマンインタレストになじめなかったからであろう。
 同誌のヒューマン・インタレストに属する記事は発行部数の増加に貢献、広告に頼らない経営を実現しタブーなきスクープ記事を可能にする重要な要素だったのだろうが、私のようにそれで離れていった読者もいたのだ。しかし、著者は、難しいことばかり記事にして読者が離れては何の意味がなく、離れる以上に新しい読者が増えればそれで良いと言う。このような雑誌を25年も発行し続けた人はやはりただものではない。

 著者の独善的とも思えるジャーナリズム論が気になるものの、大手出版社の記者達がしがらみによって自ら書くことが出来ない記事の駆け込み寺でもあった『噂の真相』の歴史を知ることができる、当事者しか書くことが出来ない貴重な作品である。






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