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乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない (集英社新書)

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乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない (集英社新書)の商品レビュー

4.0 足るを知る
バブル後の閉塞感。そこに追い討ちをかけるサブプライムローンから始まった最近の不況。大きなお金が流れる市場は、普段の生活には関係なくても、じわりじわりと生活を覆う。経済とは一体なんなのか?橋本治は経済を思考する。

どこまでも経済成長を続ける。それはバブルの終焉でもう終わった。にもかかわらず人々は、「景気が良くならないかな〜」と昔と同じような話を蒸し返す。この本が説くのは、昭和の高度成長気的な考えで今を乗り切ろうとしても無駄だ、ということだ。経済成長が見込めない今、日本人はどうすればいいのだろう?ということになるのだけれど、結論は「我慢する」ということに落ち着く。つまり、バブルの反省もないまま、同じように考えても時代が変化しているので対応できない。バブルがはじけることが間違っているのなら、その前に戻って違う方法で経済を考えないと、何も変わらない。つまり、高度成長をする前の「我慢」をもう一度手元に引き戻すことが大切じゃないか、と。

結局「我慢」することに至るのって、僕の場合、仏教の本なんかにある「足るを知る」って思想といっしょだったので、あまり驚かなかった。けど、身の丈にあった生活を送る、そう考えるだけで豊かな時間が取り戻せるだろうし、そんなことをこれっぽっちも考えたことがない人なら一度読んでみる価値はあると思う。
1.0 悪しき素人主義
 『上司は思いつきでものを言う』はそこそこ面白かったけど、この本はシラけました。
著者は『「わからない」という方法』という本を書いているのに、
この本では「わからないこと」を「わからないと言いつつ」、「わかったように」断言してます。

 視点は面白いから、一般受けはいいかもしれませんね。
 だけど、「ああ、この人はわかってないんだな」と思わせる記述が随所に見られます。
例えば著者は「世界経済が破綻するとはどういうことかわからない」と言いつつ、他方では、
「エコノミストは世界経済が破綻するとは絶対に言わない、エコノミストの存在理由がなくなるからだ」と言っています。
矛盾してます。

専門家が「世界経済の破綻」を言わないのは、「一国の経済の破綻」や「世界的な恐慌」はありえても、
「世界経済の破綻」は論理的にありえないからでしょう。
著者は「世界経済の破綻」と「世界的な恐慌」との区別がつかないんでしょう。
「破産」と「赤字」の区別がつかないレベルです。
もう少し、エコノミストが何か、経済が何かを知ってから語ればいいのに、
そういうことに無知のまま、単に思いつきや先入観でモノを言っている感じです。
せめて50時間でも勉強すれば多少が違った理解になるでしょうに。

 著者は「素人だからこそ本質が見える」という悪しき素人主義に陥っているのかもしれません。
視点が変わっていればいいんでしょうか、面白ければいいんでしょうか・・・。
 例えば、サッカーをすこしかじった程度のお笑い芸人が、サッカーの戦術について語る。
仕事柄、変わった切り口でものを捉えるのはお手の物だから、一般受けはいい。
でも、やっぱりズレてる。
この本に限って言えば、そんな感じでした。

 素人でも「本質を突いた鋭い疑問」を持つ人は確かにいます。
だけど、鋭い疑問を持つことと、的確な答えに迫れることは別であって、
鋭い疑問を持ったとしても、地道に現実を分析して真剣に考え抜いた人でなければ
的確な答えには迫ることはできない。
「専門家」と呼ばれるか「素人」であるかはその差にすぎませんが、大きな差でもあります。

 まったく経済がわからない人には「もしかしたら」参考になるのかもしれませんが、
あくまで「素人が素人なりに思いつきでモノを言ってみた」本として読むに留めるべきだと思います。
3.0 経済アレルギーの人はまずこの一冊から
またしても著者の思考筋のたくましさを感じさせられる。
ご存知のように彼はわかりやすい言葉でわかりにくいものを書く書き手で、わかりにくいのはわかりやすく書いたら読んだそばから忘れられてしまうからで、しかも本は読んでほしいけれど自分をそんなに信用してほしくないと思っていて、オレの本にはウソとかわざと書いてないことがあるかもしれないぞ、それを見抜け、考えろ、考えろ、考えろ、という書き手なのだ。
あくまで口調は優しいけれど、この姿勢は書き手としてはスパルタの部類といっていいと思う。だから、本気でついていく人は多くならないし、ついていきたくてもついていけない、という読み手も多くなる。著者は貧乏しているのだそうだ。
経済について数字を「全く」用いずして説明する、というのは橋本らしい。日本も世界も経済がすでに飽和状態、では、どうすればいいのか。という項のあとに「我慢」の話が来る。私にはよくわからない。イギリス人みたいに現金をなるべく使わないように生きるといい、なのか、地域通貨とか物々交換に可能性がある、なのか、そんなことまで著者は絶対に語らない。あとはよろしく、である。
経世済民とエコノミックの違いから書き起こして我慢まで持っていって終わり、ということは入り口の近くまで引っ張って来ただけということで、このあとに「こうすればよい」という処方箋が箇条書きになっていたりしたらフツーの書き手と同じになってしまう。
橋本はまことに辛抱強く(数少ない)日本の読者の思考筋を鍛えようとしている。…この試みはどんな形でいつごろ実を結ぶのだろうか。
4.0 面白い論理。
著者の論理的思考の仕方が見えるところと、
まだ何をいいたいのかを著者本人もわかっていない
ということが個人的に面白く読めた。

本人が何をいいたいのかよくわかっていない、しかしこの様に書いてしまう
という「勢い」とも「情熱」とも取れるものを感じた。
3.0 読みにくい
なぜかは分かりませんが読みにくいです。世のお父さんが自分の子供に職業教育を施せば教育効率が高くなるという節はその通りだと思いました。「お父さんの職業を継がなくてもいいんだよ」という考え方自体は悪いことではありませんが、職業に関する知識を与えることまで放棄しなくていいはずですよね。あとフロンティア=マーケットの図式はいまさらですが、はっとさせられました。

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