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本のタイトルの付けかたがうまく、何気なく手にとって買ってしまう人もいるかもしれません。 しかし、買ってはならない本、読む価値のない本と言っておきましょう。 他の方のレビューにも少々匂わせる記述がありましたが、著者は自身の脳内で作った結論を、ある一定の脅迫的な言葉遣いを用いながら、納得のいく理由を示すことなくその認証を迫ってきます。 「すべて」だの「べきだ」だの、いったいその根拠はなんだろう、と読みながら疑問を感じずにはいられない表現も散見されます。 しかも著者は、自分が実際に台湾に住み、言語を操り、といったことを基にいかにも自分の言動に根拠があるかのようなものいいをします。 しかし、台湾人の私からすると、残念ながら彼の事実を把握する能力は現実から激しく乖離しているといわざるを得ません。 おそらくどこに住んでいようと、中文、台語ができようとできまいと、結果は同じでしょう。 ですから、台湾ビギナーの方は注意なさってください。 もうおそらく酒井氏の本がこの先、出版されることはないでしょう。 その意味で突っ込み所満載の叩き台としての利用なら可能かと思いますし、手元においてもいいかもしれません。 マーケットプレイスなら安く手に入ることですし。
かつて日本であり、今は「一つの中国」論によって中国であって中国でない国となった台湾。 日本語を話す人も多く親日的なイメージが強い。 台湾への日本人旅行者は、昨年ついに累計100万人を超えた。 本書はその台湾の戦後を追い、蒋介石の国民党支配から蒋経国、李登輝、陳水扁と 続く、民主化の歴史を分かりやすく説明している。 現在、台湾からの資本進出や、野党政治家の大陸訪問など、中国側の懐柔作戦が 進んでいるようだが、その一方で中国は武力侵攻も辞さずと、台湾に向けての ミサイル配備を進めている。 このように、中国は硬軟両面から台湾吸収を図っているが、台湾独立党の時代から 外省人の支配に抵抗してきた台湾市民は、香港やマカオのようには吸収されそうにない。 その辺が「したたか」ということなのだろうか。 イラクと同様、対立を煽って自国のプレゼンスを高める手法を取るアメリカの思惑もあり、 台湾は独立という最終目標を達成できるのだろうか。 台湾に居住する筆者の生の目が、微妙に揺れる市民の思いと迷いをとらえている。 残念ながらタイトルが内容とマッチしていないので評価は、4。
ネットでの過激な物言いで知られる筆者の新書版。タイトルの印象と は違って、中身は著者の経験した民進党の裏話である。内部者しか わからない話もあり、この点が星3つの根拠。 ただしひいきの引き倒しといったきらいもあり、名前を出さないエコ ノミストの意見を引き、民進党の経済政策が実体経済をよく把握して いるといった評価には少し疑問を感じる。 李登輝等の上からの民主化という視点ではなく、市民レベルの要求 があっての民主化という視点を強調するのは納得できる。もっとも これは日本でよく見られる李登輝の一方的賛美論への反論としては 有用だが、冷静な台湾ウォッチャーでは普通の観点かもしれない。 全体的に、台湾を理解しているのは著者だけとスタンスが見え隠れ してしまうが、著者はすでに冷静なウォッチャーというより、民進党 側の党派性言説で、著書を通じて、日本からも台湾独立・反中国運動 を推進しようとしているのかもしれない。