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時間はどこで生まれるのか (集英社新書)

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時間はどこで生まれるのか (集英社新書)の商品レビュー

4.0 要素還元主義を貫いた時間学
物理学で習う知識をずらずらと総動員して、時間を考えるというお話。
2章では相対論、3章では量子力学、4章では素粒子論、
5・6章では熱力学、統計力学
あぁ、なるほど、時間という概念がそこには意味がなかったり、
あったとしても、絶対的なものではないことが、言われてみれば
確かにそうだ、と、一般教養的な物理学の復習のお話が続く。
流石、カリスマ予備校講師だけある。

そして7章で、時間を生み出す原因は、
秩序を維持しようとする意思によるものである、
・・・と言う話にもって行くのだが、どうも議論が弱すぎる。

なぜならば、お互い相互に関係しあうことで、秩序が生まれるという
非線形科学の視点が、完全に抜け落ちているからだ。
あぁ、要素還元主義の限界、ある意味では 現代物理学の限界かと、
個人的に感じた。よって、☆4つ。
4.0 科学と哲学:乖離から融合へ
素人ながらも物理学には興味を持っています。世界の真理に近づくためには書かせない学問で、思考実験というものは自分の頭を非常に刺激するので好きな学問になっているのかな。物理学の中で、時間という単語がもつ意味合いを再確認したくて購入、通読
読んでみると、相対性理論、量子論、反粒子、エントロピー増大の法則など現在の物理学で欠かせない分野の中で時間がどのような意味合いを持つかを記載し、人間(観測者、生命)から見たときの時間の意味合いを再確認して、筆者の考えを終章に導きだしている。物理学からのアプローチと人間中心の時間へのアプローチをうまく組み合わせてあった非常に面白かった。内容として自分にとっては難しい内容も多々ありましたが、「主観的時間」「反秩序への抵抗が意志」「マクロでしか意味を持たない観測値」「不可逆過程」など面白いものも多々ありました。もう少し説明のほしいところもあると感じましたが、自分が無学故なのでその分野の書籍を読むきっかけにもなりそうです。
時間について漠然と物理学的な側面、人間的な側面から興味のある方は一度読んでみることを勧めます。自分の興味がある分野をはっきりと認識できることができるかもしれません。
3.0 門外漢から一言
「時間とは何か」という問いに、これまでありとあらゆる人智が挑んできた。
ある人は哲学の徒として。またある人は物理学の徒として。
本書はこれまですれ違ってきたこれら二つの学問を架橋し、「時間はどこから生まれてくるのか」ということを探求した意欲作・・・になるはずなのだが。

筆者によれば、そもそも量子の世界、つまりミクロの世界には空間も時間も存在しないわけで、時間というのは我々の主観的事実として初めて現れる。ではその主観としての時間はどこで生まれるのか?本書はそれを、万物を支配するエントロピー増大の法則の不可逆性から、無秩序への移行にあらがう生物の「意志」の存在を見出す。

どうも筆者の導き出したこの「意志」の存在という結論、一言で言うなら「意外とふつうやな・・・」といったところだろうか。

僕のような物理科学の門外漢(高校の時19点をたたき出し、そうそうにその道をあきらめました)からすれば、筆者がだしたこの「マクロ世界における時間の生成の秘密」よりも(つまり筆者自身による哲学と物理学を融合した思索よりも)、「ミクロ世界における時空の不在」という、物理学者にとってはきわめて常識的な事実のほうが遙かに魅力的に見えてしまったわけだ。

本書の構成は、20世紀の相対論と量子論の誕生によって「ミクロ世界における時空の不在」が証明されたことをまず論じて、その次にエントロピー増大の法則から「マクロ世界における時空の生成の秘密」を論じているのだけれど、なんなんだろ・・・この感覚。

前半ほどやたらむずかしく、後半に行くほど簡単になっていくという不思議な本である。
例えるならば、前菜の方がメインディッシュよりおいしそうに見えたんだけど、すぐ引っ込められちゃった、という感じ?要するに、量子物理学に明るくない僕のような素人向けに出版される新書であるならば、「ミクロ世界における時空の不在」→「マクロ世界における時空の生成の秘密」という構成よりも、「マクロ世界における時空の生成の秘密」→「ミクロ世界における時空の不在」という構成にしたほうが、よりおもしろくなっていたと思うんだが・・・。

でもそれだと単なる量子物理学における時間論の入門書になって、タイトルも大幅に変更しなければならないだろうし、それだと筆者が別段書きたくない本になってしまうんだろうけれど。
3.0 理系の素養がないと理解できない
途中までは何とか読んだが、やはり物理、数学、哲学などの素養のないものには難解で理解できなかったのが現実である。時間と言うタイトルに惹かれて購入してみたもののミクロの世界では時間と言う観念がないと言うのがまず理解できない。グラフや数式が出てくるとさらに解らない。注釈が多くで面倒になってくる。理系の素養がないのを残念に思う。
2.0 時間論の罠にはまってる
時間論である。物理で修士を出た作家で、哲学的な時間論を批判している。しかし、結局、哲学に絡み取られている。純粋に物理の視点からすれば、時間と言うパラメータが現象の説明に便利だと割り切れるのだと、私は思う。そして、その「時間」を定義しているのは、時間が出てくるすべての方程式なのだ。数学の点や直線などと同じだと思えば良いのだ。

本書でも、主観的時間とか物理的時間とか出て来るが、物理的時間については、これくらいドライに述べてから、その先に進めば良いのにと思う。結局のところ、熱力学的時間に話を持って行っている。その上で、生物は秩序をもたらす云々で、主観的時間に話を持って行こうとしている。うーん、これはなんだかよく分からなかった。議論に無理があるんじゃないかなあ。

時間論なんて哲学のつもりでも物理の到達点を理解しないといけないという著者の主張は確かにその通りなのだが、結論は哲学者を納得させるものにはならなかったようだ。

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