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スーパーコンピューターを20万円で創る (集英社新書 395G)

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スーパーコンピューターを20万円で創る (集英社新書 395G)の商品レビュー

5.0 縁遠い話ではありますが・・・
これは面白かった。3時間くらいで一気に読んだ。

内容は、著者を主人公としたノンフィクション。
著者が東京大学の大学院生時代に立ち上げに関わった「GRAPE」という
スーパーコンピュータの開発話。

コンピュータの専門家が一人もいない大学の研究室から、
ン億円もするスーパーコンピュータ並みの計算力を持ったコンピュータが生み出される。
その予算はたった20万円。開発メンバーもたったの4人。

著者はその4人の中でもハードウェアの設計部分を担当した方。
設計経験はおろか、電気回路も満足に読めない状態からの出発。

何か啓示的な出来事がプロジェクトを成功に導く・・・ではなく、ひたすら努力。

開発された1990年前後は今のようにインターネットで情報を収集できるわけでもなく、
他の研究室メンバーも、天文学者の教授、ソフトウェア担当の博士課程生、
広報担当の助手、といったふうに役割が異なっていたため、まさに孤軍奮闘。


最初の方は天文学の専門用語や説明が続き、読みづらく感じたりしましたが、
それもドラマのテイストとして楽しめます。

著者はマンガのノンフィクション作家としてデビューの経歴もあるようで、
大変読みやすく感じました。


チームプレイに見える開発や研究も、細かく見れば個人の作業の集約であって、
その過程には孤独な努力、試行錯誤が必要とされる。

しかし、個人の孤独な作業に見えた開発や研究も、振り返ると周りの協力なしでは
なし得なかった、まさにチームプレイの結果だと感じる。

そう振り返ったような内容でした。


きっと第三者のノンフィクション作家が書いていたら、4人のメンバーに当時を振り返って
もらうようなインタビューを新たに取っていると思うのですが、それはありません。

それが著者の思いをどう表しているのか分かりませんが、
ノンフィクション作品という形をとりつつ、非常に回顧録的な内容で面白かったです。
5.0 20万円だけではできません。。。
 この本の著者(今は某大学の教授)が漫画の「栄光なき天才たち」の原作者というのは驚きでした(ファンでした)が、この本は栄光あるお話です。
天文計算専用のスーパーコンピュータを作った学生と先生方の実話。材料費は20万円ですが、決して「20万円」だけでこんなものは作れません。必須条件は、何よりも自分の作りたいものを作る情熱とそれを作れる環境、それなりの能力、仲間である、ということがこの本からは伝わってきます。
4.0 「プロジェクトX」的面白さ
星の運動のシミュレーション専用計算機 GRAPE の開発のドキュメンタリーである。

いわゆる汎用の計算機の CPU では各瞬間に働いている部分はわずかだ。何でも出来るように作ると、様々な命令に対応しないといけないので、一つの命令で働く部分はわずかになる。問題を限定することで、命令を限定できて、しかも、その順序も決まる。それで、全部の部分が常に働いている状況を作ることが出来る。著者らは1989年にこの発想で、スーパーコンピュータに匹敵する性能の専用計算機を、一から手作りした。

考えてみれば、いい時代だったものだ。もう少し前ならこの程度の複雑さでも素人の手に負えるものではなかっただろうし、もう少し後なら、必要なツールは大掛かりになっていて、やっぱり素人の手に負えるものではなかっただろう。著者が計算機の設計を始めた時には、本当に素人で、それでも、ロジックは追えるほどの規模だったし、ハンダ付けの数も素人の手に負えるほどだった。

そんな状況での開発はいかにも「プロジェクトX」的面白さはあるし、しかも、世界レベルのものが出来上がるのだから、話として面白くないはずがない。私は同時代の雰囲気を知っているので、面白く読んだし、ちょっと嫉妬もした。

本書の魅力のもう一つは文体である。著者は開発の中心人物であるのに、第三者的な視点でまさしき「ドキュメンタリー」に仕上げている。助教授の戎崎氏との確執も上手に客観的な記載に昇華させている。これは、彼が漫画のシナリオを書いていたからであろう。文章がうまいのだ。

と言うわけで、いい食材を上手に料理してあって、あと言う間に読んでしまった。大変お薦め。
4.0 情熱で0から1を作りあげた
あぁ、理系本好きには堪らない一冊だ!
プロジェクトXやディスカバリーが好きな人には、
間違いなく本書はお奨めできる。 損はしない。

天体の謎を解きたい、その情熱に惹かれた人達が、
自分用の世界最高のスーパーコンピュータを作った。
その費用は20万円。 買えばその1〜10万倍だ。
その時、その場所に、最高の舞台と役者が揃った時、
熱い情熱によって、人はこれ程までに光り輝くのだ。

 本当のチームワークとは何か?
 それはきっと、馴れ合いでもなければ
 助け合いでもない。

本当の実力と自信を持った、プロが放つ言葉だ。
そして彼・彼女は、天才ではなく努力家であった。
ハーフ・フル、半分もできれば十分だ、と完全主義を
捨て去って、粘り強く努力を続けた末の輝きだ。
そんな彼等が放つ強い輝きは、天体から生命科学へと
その舞台を広げ、今もなお輝きを失わない。

そういやプロジェクトXは終わったんだっけ(笑
5.0 宴会には出席しません
ぼくは酒を飲めないので、5年くらい前から忘年会など宴会には出席しないことにしています。
5年より前には1次会くらいはつき合っていたんですが、止めてしまいました。

時間とお金がもったいないからです。
それより家族とのんびり過ごした方がいいですからね。

「そんなんじゃ出世できないぞ」と脅す酒飲みのおじさんもいました。
そういうおじさんもそれほど出世してないじゃん。
あはははは。

ま、確かにつき合いが悪いと日本の会社では出世できないということもあるのかもしれません。
ノミニケーションって言うんですか、コミュニケーションが悪くなる。
でも本来、コミュニケーションは普段の仕事時間の中でちゃんと取ればいいものでしょう。
飲み会につき合うことによって多少出世するかもしれませんが、ノミニケーションで出世したってたかが知れていると思います。

もちろん宴席が好きならどんどん出席すべきです。それを否定するつもりはありません。
でも好きでもないのに「おつきあい」で出席するのはばからしい、とぼくは思うのです。
他にやりたいことがあるなら、そっちを優先した方がいい。

伊藤智義『スーパーコンピューターを20万円で創る』集英社新書¥680-にこう書いてありました。

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杉本(大一郎)が研究者として一流であることは述べてきたとおりであるが、大学の実務も人一倍抱えており、多忙な大学人であった。そのためもあってか、当時は、学生たちとは校務を超えてまで自分からコミュニケーションを取ろうとはしなかった。
例えば、ある学生が杉本に、「たまには先生も、ぼくたちと一緒に飲みに行きましょうよ」と誘ったことがあった。杉本はにべもなく、こう答えている。
「飲み会というものは、見知らぬ者どうしが知り合うためにするもんや。すでに知っている者どうしで飲んでどうなる?そんな時間があるなら、勉強でもしておきなさい」(151p)
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まったくその通りだと思います。
嫌な飲み会につき合うくらいなら、勉強したほうがいいです。
同僚とのコミュニケーションは仕事を通じてすればいいと、ぼくは思っています。

「あいつ、よく勉強していていい仕事するな」と思ってもらう方が、ぼくにとって嬉しいことなんです。
飲み会に出ないで節約した時間とお金で、本を読み、腕を磨き、家族と過ごし、休息を取る。
それを次の日に活かす。

まー、変わり者の言い分なんですがねー。

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