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短編集ってこともあって、とても読みやすいのが印象的でした。 短く、サッとオチまで持っていく感じです。 中でもSEVEN ROOMSは、もっと続きが読みたい!って思わせる作品でした。 緊張感、リアルさ等で、読んでて気分が悪くなりました。 どちらかというと、世にも奇妙な物語の作品にあるかな?って思いました。 乙一さんの書くものは、世にも〜の作品に似通っているものがあるかと。 狂気を描くという点では、誰にも劣っていないかと思います。
まさにこれこそ、「黒い乙一」の代表作ですね。 どの作品も、ページ数は少ないのですが、迫力があります。 乙一は、見ているようなグロテスクさはあまり好まず、読者それぞれの捉え方により様々な精神的に追い込むような、ジワジワとこみ上げる恐怖を描く鬼才の持ち主だと思っています。 しかし、本当に活字中毒者だと自負するような私みたいな人間は、最近気がついてしまいました。 彼は、常にベースになる作家が居るような・・・・。その下書きを、もっと自分流にオリジナリティにテイストを加えて読者を新しい本の世界へ導く作家なのです。 今作は、同じく福岡出身の赤川次郎が見え隠れする・・・・。 さらには鈴木光司もある。でも、どちらの作家にもない恐怖のどんでん返しで、乙一節全開です。 もしかすると、同郷なこともあり、赤川次郎を尊敬しているのかも? 私も福岡なので、こんな有能な作家を発掘していることに誇りを持てます。 「暗いところで待ち合わせ」なんかが好きな いわゆる 白い乙一派は絶対抵抗があるでしょう。 彼は筆力がありすぎるというか、たんたんと怖いせいか?なんだか心の内側に染み付いて忘れられない物語を作り出すので、心が萎えて 「しばらく乙一は止めよう」と思ってしまいます。 今回ほど思ったのは初めてかも。 「カザリとヨーコ」・「そ・ふぁー」は、なんだかリアルすぎて目を背けそうになりました。 こんな状況に自分がなったら?私は正常でいられる自信はあるだろうか?とか真剣に考えたり。 「seven rooms」と「zoo」は、タイプの違う狂人を描き、ラストをぼかす。これが怖い! どうなったかは、私たちの想像に任せられてしまいます。 「陽だまりの詩」は唯一、先が読めてしまうので、あまり推理しない方が楽しいかも。 しばらく間を空けて、乙一離れをしても、また戻って来てしまう。 軽い中毒症状に悩まされてみませんか?
若者に圧倒的な人気のある作者の作品で代表作だそうなので読んでみました…が、まったく受け付けませんでした。カザリとヨーコは視点はいいものの台詞がいかにも嘘臭く感じてしまう。なんだかなぁ…。自分の年齢が30だからなんでしょうか。オチありきのストーリーに全く何も感じませんでした。やっぱりトマス・H・クックやキングに戻ります。文章力の低下が叫ばれていますが、これが最高と位置づけられるのなら最もだなぁと思う今日この頃ですね。同じ短編でも悪意の国のアリスやカトリーヌアルレーの方が怖くて面白いです。
◆「ZOO」 男の元に毎日送られてくる恋人の腐乱死体の写真。 彼女を殺し、写真を送ってくるのは誰なのか? 日々「犯人探し」に明け暮れる男は、 やがて衝撃の事実を知ることに……! 作中において、惰性や拘束を象徴する「ZOO(=動物園)」 というモチーフと、男の切迫感や閉塞感の対置が絶妙。
短編集。 ・カザリとヨーコ―――双子なのに、カザリとヨーコは扱いがちがう。まずヨーコは母親から飯をつくってもらえない。ヨーコはカザリの食べ残しを食べて、台所で座布団ひとつを敷いて生活している。 乙一らしいといえば乙一らしい話。まず乙一は奇抜で新しい感じのする設定を敷き、ゆるやかに展開させ、最後にそれを結末に持っていく。そういう作品が多いということは、それが彼のプロットのスタイルなのだろう。まさにその王道のような作品。他人はおろか自分の親にさえネグレクトされているヨーコが、自虐的とさえ受け取れる軽快な一人称で語る。サクッと読めるわりには衝撃が大きい。 ・Seven Rooms―――ある日突然、僕と姉は暗い部屋に閉じ込められる。天井には裸の電球がひとつ、部屋の中央を貫くように一本の溝が流れている。犯人の目的もわからないし、閉じ込められた理由もわからない。 乙一といえば「黒乙一」と「白乙一」がいるというが、これはまぎれもなく黒いほうである。はっきりいって救いようのない鬱小説である。まず読者に提示されるマテリアルがあまりに限られているので、いやでも鮮明な映像が脳裏に浮かぶ。もちろん力量の高さがそうさせるのだが、それにしてももうちょっと救いようのある話は書けないのか。この話、まるっきりホラーである。 ・So-far そ・ふぁー―――ある日、父は母が見えなくなってしまい、母は父が見えなくなってしまった。僕には両方見えるのだが、どうしてだろう。 展開は読めるといえば読めるし、読めないといえば読めない。こういう人間の心理を逆手にとった小説はたしかに面白いが、それだけで終わってしまうので残念。ちょっと炭酸の強いだけの、味の薄いコーラのようである。 ・陽だまりの詩―――謎の病原菌によって人類が滅亡した地球。とある科学者はロボットをつくり、独りで暮らしている。 この本の中では一番いいお話。前述した乙一のプロットを踏襲している。内容としては白乙一なのだろうが、『死』というものを正面から捕らえた作品。映画のほうも、かなり良かった。 ・ZOO―――毎朝、郵便ポストに彼女の写真が入ってくる。それは彼女の死体だった。毎日、毎日、腐食が進行していくその写真を僕はスキャナーに読み取り、映像にしている。犯人は一体誰なのだろう。 微妙。つーか、表題作が微妙ってどうなの。カザリとヨーコという本にしちゃえばいいのに。