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東京物語 (集英社文庫)

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東京物語 (集英社文庫)の商品レビュー

5.0 すぎさぁったむかしがぁ、あざやかぁによみがえる〜
主人公久雄とは5歳違い、社会に出るのも4年ぐらい遅いので、
彼が経験するかれこれは、私とは10年ぐらい違うのだけれど。

なんか、あったなぁ、と。かなりコンテンポラリってしまいました。

キャンディーズ解散・ジョンレノン暗殺・江川卓の初登板・名古屋五輪落選・
北の湖引退そしてベルリンの壁崩壊と

世界史的に重いものも今や忘れ去られているできごとも、
昔を思い出すときって、そういうエピソードとリンクしてるものです。

あるなぁ、あるよ

この頃、同業の人間とよく交わすのは、

コンピュータが来て、返って仕事がきつくなったよね、ってぇのと、

昔はこういう制作現場は超ヒエラルキーで、ってやつ。

年寄りは若い人に、若い人はなんでも喰ってやろうと、
手ぐすね引いてピラミッディな関係式があったものです。

いまやパソコンがベテランの自信も技術もないがしろにしているところは
事実ある。

おかげで烏口のひけない私がいまだに業界に残れているのだが。

久雄はあの80年代の徒弟制を生きてやがて一人前になっていく。

途中寄り道した恋が実らないのもミソである。

いまどき、多くのプロダクションの社長はこんな感じだろうなぁ。




5.0 昔の記憶を呼び覚ましてくれた
奥田英朗氏とはほぼ同世代だが、出身地も違うし東京で青春時代を過ごしたわけでもなく(あ、いや23〜24歳の2年間だけ浦和在住東京通勤をしたことがあるな)、コピーライターをしたこともない。しかし、主人公の言動や気持ちに共感できるところが多く、懐かしい気持ちで読んだ。6つの短編がほぼ年代順に収録されているのだが、ジョン・レノンが死んだ最初の第1話だけが順番が繰り上がっている。作者の思い入れなのだろうか?
当時のできごとをあちこちに登場させて、昔の記憶を呼び覚ましてくれた。ノグチユミコ氏の表紙のイラストも感じが出ていて非常に良い。
2.0 出来が軽い
恐らく、書かれている年代と同じ時代を過ごした方には感動もひとしきりなのだろうが、
冷静に読み進めると内容は薄く、ちっぽけな悩みや苦労だけの話で、さして愕くことも得ることも少ないことに気がつく。

半自伝的な内容を読むに、
筆者の青春時代に、もっと人に言えぬような苦悩や激しい憤りなどはなかったのか?
と思えるほどの平々凡々は中身は、さらりと考えもなく読めるため、
暇つぶしにはもってこいかもしれない。

話の進め方はまあ上手いが、それは文体の巧さとは別物で、
上手い日記やブログに剛毛が生えた程度。

そのため、今まで深く物語を読み進めたことがない方には、非常にお勧めかもしれない。
5.0 本書は青春小説でもあり時代小説でもある―作家・奥田英朗の誕生史!
 本書の主人公・田村久雄は、著者である奥田氏と同じ1959年生まれ。巻末の「解説」も指摘するように、主人公はある意味で著者自身である(決定的に異なるのは、久雄が岐阜市でなく名古屋市出身になっていること)。ゆえに本書は、1980年代を時代的背景として、作家である奥田英朗の誕生・形成史として読み進めることができる。90年代に大学に入学したわたしにとって、本書で描かれている6編に登場する話題にはピンとこないものもただあったが、それでも読んでいて懐かしい感覚に浸ることができる。「古き良き時代」をノスタルジックに想起するというわけではない。ただ、自分史において鮮烈な記憶がない諸事実を知ることで、思わず自分が詳しく知らない時代にタイプスリップしたような感覚になったのであろう。88年のソウル五輪の対抗地が名古屋市であったなんて、今までついぞ知らなかった。

 時系列的にいえば、第2編の「春一番」が1978年4月4日で最も古く、締めの作品である第6編の「バチェラー・パーティー」が1989年11月10日で最も新しい。上京してから10年以上に及ぶ久雄の20代を多角的に描き出した一連の作品は、自らの青春時代とのズレがあったにせよ、多くの読者の心をくすぐるのではないか。地方から東京に「上京」すること自体、1つの大きなイベントである。6つの作品のなかで、特に印象に残ったのは、楽しくも淡い学生時代を綴った「レモン」、母親が強引にお見合い女性を連れてきたことから始まる濃厚な一日を扱った「彼女のハイヒール」の2作品。ここでいう学生時代とはむろん大学時代のことだが、この4年間というのは、人生において特別な意味を持っているように思う。卒業してすぐには分からないが、次第にその貴重さを実感できる。いずれにせよ、作家・奥田英朗が生まれるまでの一端を知りたい人は、本書を是非とも読まれたい。その息吹を感じることができる。
5.0 テンポよくユーモアが散りばめられた一冊
コピーライターとして活動している主人公の上京、大学時代、広告代理店時代、企業時、お見合いの話などを収録。

テンポとユーモアがあって読みやすい。
そして、主人公の『誰に気を使うのでなく、素直に生きている』ところに共感と魅力を感じた。

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