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不安の力 (集英社文庫)

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不安の力 (集英社文庫)の商品レビュー

4.0 気持ちが軽くなります
今、この世の中を生きていくという事は、不安と共に生きていくということです。
私は不安な気持ちが抜けずどうしようもない時は、五木氏の本を読むことにしています。そうすると、ふっと気持ちが軽くなり、楽になるのです。
五木氏は書いています。「自分が不安を感じ、ときにはパニックに陥ったりするのも、自分が人間らしい柔らかいやさしいこころを持っているからだ、と考えかたを変えてみる。むしろ、不安を肯定的に受けとめて、不安とどう共生していくか、ということを考えてみたらどうでしょうか。」と。
人生には苦しくてどうしようもない時があります。そんな時には五木氏の本を手にとってください。必ず気持ちが軽くなります。
3.0 それでもいいじゃない
 表紙が奈良美智、という理由だけで
買った。

 なんとなく世の中に流されて、なんとなく
不安にかられてしまったとき、ちょっと目線を
ずらす方法を五木博之は知っている。

 もうだめ!これじゃだめ!がむしゃらに
不安をかき消そうとする人を尻目に、萎えたって
いいんじゃない?と五木氏は言う。

 軽くないが、重くもない。しなやかに
生きる知恵がつまった一冊である。
4.0 不安は安心のもと
この本、簡単に言えば「不安は安心のもと」。もっと深いものがあるかもしれないけど、シンプルにいくとやっぱりこういうことだと思う。

人はほんとたくさんの不安を持っている。その不安を必死に振り切ろうと前向きに考えたり、忘れようとしたり。だけど、そんなことはしないくていい。不安を感じるから、安心があるんだ。

死ぬことに対して不安に思う。もちろん私もそう。死ねば自分が忘れ去られるのではないか…どうなるの…色んな不安がある。しかし、死ぬという不安があるからこそ、今を生きられるんじゃないかなと思う。不安の力を精一杯使って生きればいいんじゃないかと思う。

4.0 ーー
今、「不安」などただでさえ、関わりたくない代物であるので、おもたい印象を与えるこの本のタイトルへの抵抗が無いこともなかったが、著者が五木寛之さんだったので、読んでみることにした。
普通、我々人間は、不安や不幸など忌み嫌うものであるが、不安こそが、あらゆる原動力になっている一面があり、幸福もそれまでの不安がなければ、感じいるものでないことが分かった。 不安への対処は、あるがままに受け止めればいいということが、この一冊で納得できると思う。現代人の健康思考や美容も不安感の裏返しだが、それを意識すればするほど、逆に「不安」という悪循環に陥ってしまう。結局、ポジティブ思考に走りすぎる前に、不安感さえ有り難く思ったほうが、物事の中庸をとらえるこつなようだ。 極論に走りすぎない、五木寛之氏の深く温かな知恵を教えてもらえる一冊だ。本書の随所にちりばめられたキーワードは読み手のそれぞれが感じるがままに掴み取れば良いと思う。 物事の真理を見つめてみたい時、宗教や占いに走りすぎる前に、五木氏の本を読んでみると、バランスよく物事の視野が広がり、「安心」だ。
常識的な内容でもあるので、人によっては物足りなさも感じるかもしれないが、このくらいが丁度よいと思う。
5.0 悟りの境地に達した人間らしい人間:五木寛之からの贈り物
五木寛之は昔から今に至るまで基本的なスタンスや生き方が変わらないので、何ともいえぬ安心感を与えてくれる。書くことがなくなったら「時代や読者に望まれていないのだ」と心得て無理して書こうとはせず、休筆して大学で仏教の勉強をしたりお寺巡りをしたりする。気負っておらず、かといって諦念しているわけでもなく、強く自己主張するわけでもなく、かといって自分の芯や信念や哲学がないわけでは決してない。右も左も上も下も全て経験し尽くした後で老境の今、上下左右の真ん中を漂っている、というイメージの作家。それも無理して自分の位置を真ん中に保とうとしているのではなくて、自然とそうなっている感じ。風貌、声、話し方も魅力的だ。

・不安を排除、克服しようとするのではなく不安と共生したらよいこと、
・時代・環境自体が不安定になっているのだから不安を感じる人の方が却って人間らしいやさしさをもった人間であること、
・「死」や「汚」等、見たくないもの、感じたくないものを敢えて日常生活から隔離してあたかもそれらがないもののように振る舞う現代の方がおかしいのであって、それらと共に生きる方が人生に厚みが出ること=これが不安との共生でもある、
・「老い」や「死」という区切りがあるからこそ生きていけるのであって、永遠の生を与えられれば却ってうんざりするはずであること、

等々、卓見で説得性も高く、何よりも読者の心を楽にしてくれる。年齢差はあるけれど、この人と共に人生を歩んで来られてラッキーだった、と思う。

一つの悟りの境地に達しているけれど、それでいて人間らしさを失わない、そんな作家から僕らへのあたたかい贈り物だ。

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