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怪笑小説 (集英社文庫)

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怪笑小説 (集英社文庫)の商品レビュー

4.0 ブラック+ホロリ
本作は、ブラックユーモアに満ちた短編を中心に全9編からなります。
あとがきとして、著者自身の自作解説が付されています。

まず、冒頭の「鬱積電車」のリアルさに驚かされます。
もちろんデフォルメはされていますが、私自身日々こんな電車で通っています(笑)

そして、立川志の輔師匠が新作落語の原案に用いたという「しかばね台分譲住宅」。
ブラックユーモアもさることながら、本作を読んでいて、
何となく古典落語の「粗忽長屋」や「算段の平兵衛」を連想しました。
著者が落語好きなのか知りたいところです。

さらに、強烈な印象を残すのがトリを取る「動物家族」です。

他方、個人的に好きなのは、元教師たちが生徒の成長を思い知らされながらも、
どこか温かい結末の用意された「逆転同窓会」。
そして、老いることの哀しみを描いて本家(笑)並みに胸を打つ、
「あるジーサンに線香を」です。


5.0 東野圭吾にぴったりな、気持ち良い面白さ
東野圭吾を見直してしまった。
身近に話題になっている社会現象を題材に、料理しすぎず素材を生かした良い味付けに仕上がっている。
多芸で芸達者とは思っていたけれど、この形式は東野圭吾という作家に適しているように思う。
今後も、毒笑・黒笑と続けて読んでみる気になった。
3.0 ○笑小説3種レビュー
怪笑、毒笑、黒笑の3つをセットで購入しました。
「あのころ僕らはアホでした」を読んで、東野圭吾の著作をもっと読みたいと手を出すことにしました。
結論から言えばどれも「引っ張るわりにオチが弱い」「特に笑える小説ではない」というのが私の感想なのですが…以下個別レビュー。

3つの中で一番面白かったのがこの怪笑小説。
「超たぬき理論」はこの世のオカルト・超常現象は全部たぬきの仕業である、と主張する人物が主人公。
幼いころ出会ったタヌキの「キューちゃん」との別れから全てが始まったのだが…
「あるジーサンに線香を」、アルジャーノンのパロディーですが、別に知らなくても読めます。
しょぼくれた老人が若返りを通じてどんどん変化していく様子は見ていて面白いです。

そのほかのものは筆者が何を言いたいのかわからない、何のパロディーかはわかるが別に面白くない、という程度でした。
5.0 練り上げられた充実のエッセイ集。東野氏の「笑い」へのこだわりに注目!
 本書はこれに続く『毒笑小説』と『黒笑小説』とあわせ3部作をなしている。今回残りの2冊を読み、東野圭吾氏の笑いへの「こだわり」をあらためて痛感させられた。3部作の出発点『怪笑小説』に所収された計9本のエッセイはどれも魅力的で練り上げられたものばかりで興味が尽きない。巻末には東野氏自身による異例ともいうべき「あとがき」がすべてのエッセイに対して付され、各エッセイの背景にある作者の心理や執筆動機などを窺い知ることができる。

 「解説」を担当された真保裕一氏が丁重に述べているように、従来の東野圭吾の諸作品に慣れ親しんだ読者からすれば、本書のような短編集はそのタイトルからして思わず首を傾げざるを得ないであろう。「あとがき」が作者の「照れ隠し」であるという説明には十分に納得できる。貴重な「あとがき」である。本書の内容について詳しく紹介する必要はない。興味をそそる主題から自由に読んでいけばいい。個人的には「逆転同窓会」、「しかばね台分譲住宅」、「あるジーサンに線香を」の3編が特に印象深かった。

 なお『毒笑小説』の巻末には、京極夏彦氏との対談が掲載されており、両者が「笑い」作品にかなりの労力を費やしていることが克明に記されている。「この人おかしいのではないか」と思われるくらいの作品を仕上げたいという覚悟のもとに執筆していることを知った以上、われわれは単に「流し読む」のでなく、作者の「笑い魂」なるものを少しは意識して読み進めたほうがよい。「笑うスイッチと泣くスイッチ」は「近所にある」という二人の呼吸ぴったりの会話に私は思わず「なるほど、深い!」と呟いたほどだ。

 いずれにせよ本書を含む3部作(もしかしたら更に続きがあるのかもしれない)は、東野圭吾の諸作品において特別な意味を有しており、本格推理を書き上げたとき以上のエネルギーが凝縮されていることを忘れてはならない。「笑い」の奥深さに挑む傑作集だ。

4.0 ユーモアのセンスが光る作品郡
おもわず、うふふ。。とほくそえんでしまう短編小説集です。
巨人の星のパロディー版のような一徹おやじがおもしろかった。最後のオチが最高です。
(これを読んで思い出したことは、私の友人のこと。彼女は巨人の星のテーマソングの中で、”思い込んだら、試練の道を。。。”のところで、アニメ映像で飛馬がテニスコートとか整備するときにつかう鉄の丸いやつ(リヤカーみたいに引くものがついているあれです)を、一徹おやじに叱咤激励されて引っ張っているのをみて、あー、この鉄のまるいものは”コンダラ”(重いコンダラ?)っていうんだと20年間疑わなかったそうです。)
あと、ちょっと切ないのはアルジャーノンに花束を張りの、”あるじいさんに線香を”。おかしいながらもちょっと泣けるお話です。
最初の”鬱積電車”はオチは別にして、本当に電車の中って、あんなふうに心の中で各自が考えていそうで興味深かった。


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