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風花

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風花の商品レビュー

3.0 湘南ダディは読みました。

恋愛結婚をした「のゆり」は夫、卓哉の不倫を知り、悶々とした気持ちのまま幼い頃から気心のしれた叔父と温泉旅行にでかけ、湯治場の従業員に不倫カップルと勘違いされるという最初の章の「風花」にはじまり、季節の移ろいの中でのゆりと卓哉の顛末が言葉静かに語られる作品です。「風花」はこれだけで独立した短編として味わいがある章ですが、巻末の初出をみると「風花」の発表から、幼い頃父親の不倫に悩む母親と雨中の山をさ迷い歩いた思い出「夏の雨」にいたるまでには約2年がたっていますので月が経過していますので、作者はひょっとすると最初は短編「風花」で終えるつもりだったのかもしれません。 
しかし宿の湯殿でのゆりが見た落書「死んだらおしまい」を、おそらく作者はのゆりに再生のテーマとして与えたかったのでその後の章を書きつないだのではないかと思います。
卓哉から別れてくれと言われながらも転勤先までついていき、卓哉の二人目の不倫の相手を知り、別居して自活するようになって、言うべきときに適切な言葉がでない「のゆり」はやがて次第に自らの殻をやぶり、縒りをもどそうとしてきた卓哉に決然として「おなか、すいた」といえる女になっていきます。
主人公の「のゆり」については、これほど優柔不断な若い女性っているのかしらとか、こんな妻をもったら亭主もいろいろ浮気をするだろうなという読者もいるでしょうし、愛とか恋とかは当事者二人だけのあやふやな概念的な約束ごとだからすぐに熱くなったり冷えたりもするけれど、夫婦とか結婚となるとあえて選択した社会的な制度なのでそうは簡単に棄てきれないのはわかるという読者もいるでしょう。
帯にあるように恋愛小説なのかは別として、若い女性の自立を声高にではなく描いた作品であることは間違いありません。
1.0 期待していただけに…
主人公の決断力のなさには最後までイライラさせられっぱなし。
夫に浮気されながらも年の近い叔父と旅行したり年下の大学生と恋人まがいの付き合いをしたり。こんなにふらふらしてていいのか?
友達にこんな女性がいたら絶対に付き合いは疎遠になるな、と最後まで不愉快な存在の主人公でした。
かなり期待して購入しただけにあまりのつまらなさに非常に残念でなりません。

3.0 きっと現実ってこんな風
夫の浮気が発覚したというのに、なぜかゆらゆらとのんびり生きている主人公の「のゆり」。
「絶対別れたくない」なんて言ってるわりに、彼女が夫をそれほど深く愛しているようには感じない。
年の近い叔父と仲が良く、二人だけで温泉旅行に行ったり、
年下の男の子と親しくなって、お茶したりホテルに誘われたり、
女性から見たら「なんなの〜!この女!!」みたいな主人公。

読者はこの事態に同時に普段通りの生活を送るのゆりにイライラするでしょう。
でも、現実ってこんなものなのかも・・・。
どうすることもできなくて、前にも後ろにも進めなくて、
ただ「うまくいってた頃のように戻りたい」と思いながら時間だけが過ぎていく。
別れって劇的じゃなく、こんなふうに静かに受け入れていくものなのかなぁ。

追えば逃げられ、追われると逃げる。
そんな二人だったけど、最後ののゆりの選択はたくましい。
それまでは同性としてのゆりが嫌いだったけど、最後には見直してしまいました。
1.0 もやもや感だけが残った作品
初めての川上作品でした。
のゆりという主人公に最後まで入り込めず、イライラしたまま読み終えてしまいました。
心の揺れはとてもよく描かれていてすごいなあと思いましたが、設定されているのゆりの生活自体に現実感がなくて。卓哉にいたっては何考えてるかさっぱり解らないままでした。
結婚7年目の子供のいない夫婦に、旦那の不倫相手が2人発覚・堕胎・相手との対決・・・がこんなに淡々といくわけないと思うのです。
感動ものが好きな人、起伏に富んだ物語が好きな人、小説の中だけでもはっきりした気分になりたい人には向かない作品だとおもいます。
5.0 大したことないのに泣くのが人間
 恋愛と結婚を一続きの地平でシンプルにとらえた味わい深い作品だった。夫の不倫と、その後のボタンの掛け違え。あまりにもありふれた素材を、全くドラマチックに盛り上げることなく、そっけなく描ききった。
作中「のゆり」が感じるように、確かに恋愛なんてつまらないものだ。そんなに大騒ぎする物か?食べたり、働いたり、セックスしたり、いたずら電話にいらついたりする日常の一要素じゃないか。でも、そういいながら動揺する。動揺を言葉で整理して分析して、落ち着こうとするのだけれど涙が出る。
いいなあ。この小説には「ふつうの人間」が、息を殺すようなひそやかで確かな手応えで描かれていた。

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