一般的にオススメしやすい!
田中啓文氏にしては、珍しい、一般的にオススメしやすい作品。
個人的には、バカなダジャレ満載の、グログロホラーや
不条理極まりない、SFなども大好きなのですが、
人には勧めにくい。しかし、この作品は、誰にでもススメられる、
人情と、ユーモアに満ちた、ライトミステリです。
短編は、すべて落語がモチーフ。
毎回の最初に、カンタンな噺の解説が入り、
作中でも、解りやすく解説される。
読むほどに、落語が聞きたくなり、
情緒ある、古きよき文化を知りたくなる、
そんな作品です。
リズミカル
落語について何も知らない私が一介の通になれる。
そんな素敵な本です。謎自体そんな大掛かりなものはありませんが、
一話一話無駄なところなく、知識の押し付けもなく、
テンポよく話が進んでいきます。
章ごとのテーマの噺との関係性も
しっかりしているのにしつこさがない。
キャラの描き分けもうまく、
特に主人公の不良少年は
気が付くと大きく成長していて、
その展開にどこも無理がないというところが
作者の筆力を感じさせます。
師匠の梅寿の破天荒な生活ぶりも
茶目っ気、人間味があって共感が持てます。
よくできた一話完結のコメディドラマを見ている気分で
肩がこることは全くありません。
楽しい時間を過ごした後、落語をのぞいてみたくなります。
テーマ、内容の重い本に疲れたときにお勧めです