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失われた町

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失われた町の商品レビュー

5.0 それでも日々は続いていくから。
「感情抑制」「消滅耐性」「電域」「汚染対象」…世界観を構築するために出てくる単語が見事にいかにも「お役所用語」ぽくて、すぐにこの物語の世界に馴染むことができた。(「となり町戦争」「バスジャック」でも使われていた手法ですね)

「失う」という圧倒的に大きな出来事の前に、登場人物それぞれが「それでも前を向いて生きていく」という選択をするまでの過程が丁寧に描かれている。全体のトーンとしては暗いが、作者の、人生に対する力強い意志を感じて、私はさわやかな読了感を得ることができた。多少の青臭さはあるのかもしれないけど、読書によって「元気になりたい」「勇気をもらいたい」と考える人にはおすすめ。
4.0 『終わりの始まり』から『始まりの終わり』へ。
別れとも、死とも違うその現象は『消滅』
30年に一度、一つの町から人だけが失われる。
前触れも光も音もなく、唐突に[町]の意識によって人々は消滅する。
人民を失った町はその後、地名・写真・記録を全て管理局により抹消される。
『消滅』という汚染を防ぐために。。。

消滅による[喪失]を抱えて生きる人達の思いを次から次へ繋げていく
終わりの無い小説です。


私は基本的に、現代を舞台にした話の中に
超自然的な現象や能力がでてくるのは好きじゃないんですが
この話は受け入れやすかったです。

物語が1本の線で繋がったら、もう一度繰り返して読みたくなる本です。
2.0 読みにくい少女小説。
近未来SFのような、ファンタジーのような、恋愛小説のような、青春群像のような…

それらをひっくるめた私の感想はタイトルの通り、「読みにくい少女小説だな」でした。
難しい設定や言葉が色々と出てきますが、どこまで必要性があったのか疑問ですし、結局話は解決せずに終わるのでストレスになりました。

メインの登場人物は聡明な美男美女ばかりで、話も美談で終わって…
どこをとっても現実味に欠ける、我が身にたとえて真剣に考えることの出来ない内容です。
エンターテインメントとして純粋に楽しむには世界観が曖昧すぎですし。

もう少し、書きたいことをシンプルに展開したらよかったんじゃないでしょうか。
4.0 要するに未来の日本が舞台のSFなのだと思う
『となり町戦争』が面白かったので本作品も購入してみました。
しばらく積読になっていたのですが、ふと読み始めたら3日ぐらいで読んでしまいました。
読了できなかった方もあるようなので、好みが分かれるのかもしれませんね。

近未来の日本ぐらいの感じで読み始めたのですが、「戦争」「高射砲台」「居留地」など登場してきて、どうもだいぶ未来の話みたい?
少なくとも150年以上は経っている模様。
私はフィリップ・K・ディックみたいな「いかにも未来」で「登場人物が英米人名前」の小説に慣れているせいか、
日本人名前で現代と同じような町の描写が出てくるとうっかりしてしまいます。

「町」が人々の意思を飲み込み、コントロールし、やがて消滅させてしまう。
これが30年に一度起きている「日本」で、その現象と関わり合ったり闘ったりする人々の人間ドラマ。

読んでいて所々で村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を思い出しました。
作者は読んだことあるのだろうか?

舞台設定や風景の描写は魅力的でした。
感覚的にも、言っていることもよく分かる、気がしました(私にとっては)。
登場人物もなかなか魅力的。特に白瀬さんが好きです。
ただ、「町」の設定がよく分からなかった。
意思を持つというのは分かるんだけど(「世界の終わり」もそういう側面がある)
結局何なんだろう?と。
それは考えなくてもいいのかな。ただ、作者に「町についてはどうものだと考えてい
るんですか?」と聞いてみたいような気はします・・・・。

部分的にサイバーパンクっぽい場面もあるけど、そうでもない。

批判的に読めば「詰め込みすぎ?「という感もなくはないですが、結局のところは
面白かったです。こういう世界は好きです。
ただ、読み終わってちょっとすっきりしないというのはある。
それでどうなるのかと、続きが気になるという意味で。

4.0 多彩な前提に戸惑うが
三十年に一度、町が消滅するが、それには、非常に多くのルールを従えている。
この架空の世界に入り込むのに、少々時間を要したが、それに対する説明も小出しに行われる。
ハードSFの様な前提とは異なり、著者が設けたルールが、煩雑でもある。

この世界に一度入り込むと、様々な人間模様が展開され、妙にしんみりとした部分も多くて、面白い。
ただ、徹底した空想世界の構築を描くのか、人間模様を描くのかの重点が定まらず、少々中途半端な印象だ。
しかし、著者の最近の作品では、その両方の描写が、さらに徹底かつ洗練されたものとなっている。

小説宝石2007年10月号に掲載された、著者の短編「遠距離恋愛」では、
浮遊都市に住む彼との距離は、上下に離れているのだが、人間模様を重視しつつ、さらにハード化している。
著者の作風の方向性は、現在のところ、ハードSFに向かっている。

この作品では、ハード性が不足している?印象は拭えないが、
家族や最愛の人を失った人々のやるせなさが描かれ、相応の読み応えがあった。

賛否両論はあるだろうが、私は本作品が好きだ。
今後のハードな長編作品にも期待する。

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