クリーンエネルギーのホントのところ
なぜ技術大国ドイツは、運転目前の高速増殖炉を停止し
すべての原子炉の停止計画を決めたのだろうか。
小指の爪半分にも満たないサイズのプルトニウムは
標準家庭4ヶ月分の電力を賄ってなお余裕があるというのに...。使用済み核燃料は廃棄時に約150℃、1000年たっても120℃まで
しか冷めず、強烈な放射能を出し続ける。
保存容器に密封し、地底に埋めた場合、約100年後に保存容器は
跡形もなくなり、地下水や土の栄養分とともに地表を汚染し始め
るという。
原発1基から年間100個以上の「それ」が出る。
「それ」をリサイクルする時には大量の放射性煙が吐き出される。
「それ」を高速増殖し、ほぼ使い切る為に使用する"金属ナトリウム"
は、現代技術では完全にはコントロールできないという。
そして・日本中にある「それ」は、原爆約6000発分。
ロシアは広大なウラル地帯に、アメリカは日本国土の数倍
の土地に「それ」の廃棄場所を計画している。
日本は........?
この本が発表されたのは、約10年前。
約10年経った今、技術はどこまで進歩したのか。
現在の現状レポートを熱望します。
そもそも無理な原子力発電
どんな技術にも事故は付き物である。安全と言われる飛行機だって、年間1000人規模の死者を出している。それでも飛行機の運行を止めようという動きまでには至らない。尤も飛行機事故が今の10倍もあったら話しは違うかも知れない。ところが原発という技術は、事故が全く許されないという特質を持っている。もちろん些細なトラブルのことではない。チェルノブイリのようなカタストロフィのことである。
日本のような人口密集地で、あのような事故が起きたらほとんど国の存亡にかかわる事態だろう。そのような事故は起こり得ないというのが、原発推進者の一貫した立場であるが、いささか根拠薄弱に過ぎるのではないだろうか。
百歩譲ってその主張を受け入れるとしても、それよりはるかに重大な問題を素通りしていることに国民は気づくべきである。
それは、使用済核燃料から取り出される、プルトニウム239の最終処分の問題である。この悪魔の物質は、原爆の材料になるという以前に、それ自体極めて危険なもので、最終的には地中に埋設処分するより他に方法がない。
プルトニウム239の半減期は24000年である。10万年以上のオーダーで安全に管理し、モニターを続けていかなければならないのである。そのような厄介極まりない物質を、日本は何10トンも抱えこんでいて、なおその量を増やし続けて行こうというのである。
高速増殖炉という、ある意味夢のような技術は、今や全く頓挫してしまい、行き場を失ったプルトニウムは、MOXという付け焼刃的な技術でお茶を濁そうとしているが、数年のちには行き詰るだろう。
人類の歴史があと何年続くかはわからないが、10万年以上も放射線を出し続けるプルトニウムを安全に保管するなどということがどれほど現実ばなれしているかは誰にでもわかること。そんな先のこと、知らないよ、と言ってすまされる問題なのだろうか。
ドイツは高速増殖炉から撤退し、フランスも頓挫、日本のみが残されたと本書は結ぶが、結局日本も挫折した。このあたりで原発行政は根本から見直さなければならないのではないだろうか。