凍りついた凝視
ささやななえさんの少女マンガが好きだったので、
「ちょっと、重そうだけど読んでみよう。」と買い求めました。
8件の児童虐待の事例が載っています。「多くの人々に訴えること」を目的としてかかれたマンガだと
あとがきに書いてあります。
たしかに、この本は、
マンガがとても良く描かれていて
目をそむけずに
最後まで読むことができます。
現在新聞で、騒がれているような暴力の事例
実の親による実子への性的虐待
助けることが出来なかった子供
普通の親子のように、変化していった母子
など
医師、保健婦、児童相談員、ケースワーカーなどの
視点から
耽々と語られ描かれています。
残酷な暴力をふるう場面などは
いっさい画面に出てくることはなく
かわりに、虐待を受けた子供の身体に
コマが大きくとられています。
そのため、「冷静に事実を提示しているマンガ」
という印象を持ちました。
各人が自分の立場から、少しずつやわらかく
親に働きかけていくことで
親も徐々に変わっていく姿をみて、
ドラマのように急転してすっかり良い親になる
ということは、実際には難しいものなのだと、
改めて思いました。
これだけ重く暗いテーマをあつかっているのにかかわらず
書き込まれたセリフを省いたりせず
スラスラ読むことができました。
想像するのも苦しいような怖い事件もあり、
虐待している親が
犯罪者として扱われていないということ、
「親は、子供に対してこれだけのことをしても
罰せられないものなのか?」
と驚きました。
体が震えた
YOU掲載時代からずっと読んでいたけど、改めて読み直すと体が震えるほどの衝撃を受ける。
「虐待」「AC(アダルトチルドレン)」については興味があって他の本を読んでいたが、マンガとなると視覚に飛び込んでくる。
第一話「誰も助けられなかった」では子ども虐待の難しさを見せ付けられる。 第五話ラスト付近での小児科医の仁科さんの叫び。それは性的虐待を受けた子どもだけではなく、虐待を受けた子ども全員の叫びとなって胸に迫る。
できるだけたくさんの人にこの本を読んで欲しい。そして考えて欲しい。