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いがらしみきおモダンホラー傑作集ガンジョリ (ビッグコミックススペシャル)

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いがらしみきおモダンホラー傑作集ガンジョリ (ビッグコミックススペシャル)の商品レビュー

4.0 嫌な怖さだ…
『Sink』が怖かったので買ってみた。『Sink』は怖いだけでなくメッセージ性も高かったが、表題作の「ガンジョリ」はただただ不条理に怖い。そして絵と東北弁が精神的に来る。
ホラーは結構読んでいる方だけど、いがらしみきおのホラーは伊藤潤二や楳図かずおのホラー漫画と違って“美しさ”という逃げ場が無いので本当に怖い。「ガンジョリ」は間違いなく星5つなんだけど、ファンタジー(?)っぽい話も混ざっていたりでもう少し内容をホラーで統一して欲しかったので4つにしておく。またこういうの描いて欲しい。
3.0 いがらしみきおのゴール(p252)って、どこなんだろう…?
 表題作「ガンジョリ」のことを、作者は巻末「自分でやる作品解説」で「正調ホラー」と書いてるけど、他方で「東北版『悪魔のいけにえ』」とも呼んでいて、「正調」ってそーゆー意味なんでしょうね。
 私なんか「正調」って言われると、やっぱり神の秩序が信じられている世界があって、フランケンシュタイン博士みたいな人がその秩序を侵犯したりして、結局は破滅する、みたいな物語をイメージします。「ガンジョリ」や「観音哀歌」にも「人間を超える何か」は登場しますが、主人公たちはその「何か」への畏怖を抱いていない。正義とか悪とか天誅とか救済とか贖罪とかが物語の柱となっておらず、ひたすらワケ分からん状況に対する恐怖や驚きやドタバタに焦点が当てられる。だから「モダンホラー」なんでしょうね。
 で、神が死んじゃった世界におけるホラーを追求すれば、やっぱり人間が一番怖いって話になるワケで、『みんなサイボー』(「みんなサイボーグ」?)なんかはそうでしょう。崩壊家庭で静かに精神を病んでいく少年の妄想って言っちゃうと、身も蓋もないですけど…それにしても、周囲の人間が変貌していく姿は、ホントに生理的に耐え難いまでにオゾマシイです。こういうオゾマシイ絵が描ける作者は、主人公の少年と同様に、こういうオゾマシサを知っているのでしょうね。
 思えば『ネ暗トピア』での「バカヤロ様ですよー!」(でしたっけ?)という、「バカヤロ」に「様」をつけてしまう(東北的な?)屈折は、容貌怪異な登場人物ばかりを描き続けた作者の屈折でもあったでしょうし、その怪異でオゾマシイ登場人物たちをそのまま愛らしい動物に描き変えただけの『ぼのぼの』にも通底していました。そして、そういう“複雑屈折”した世界に生きる主人公の孤独というか孤立というかは、実はホラーそのものだったのかもしれません。
4.0 わたしは・好きですよ
いがらしみきお「Sink」路線シリアス絵のホラーあり、不条理ありの短編集。
Sink の、異様な身の毛もよだつ怖さ=オチ、異世界 からすると、その路線なのは「ガンジョリ」だけ。これは映画にしたかったそうで。
というのは作者自らのレビューが付いてるんですよ。この文章がいいよね。またw。

もうBugがでるからのいがらしファンなので、「観音哀歌(エレジー)」の「観音様が歩いたらおもしろかろう、世の中の悩みもメタボも吹っ飛ぶ」ていう切り口はすっごい分かりますw

「みんなサイボー」は家庭に密接した怖さですね。家庭崩壊の怖さ、昨今特に多い家族間殺傷のこわさ。なのにこれ、絵本で書こうと思ってたってwwどんだけw

「ゆうた」最大の謎はですね。タイトルの意味ですねw
笑顔に常に囲まれている落語家が、自分で笑うことをとめられず、客の笑顔が怖くなったら。、。。? これは作者レビューによると「笑顔も場違いだと怖い」ということで書いたそうです。

ホラーの巨匠スティーブン・キングは自分自身が怖がりだからこそ、そのことを描かないといてもたってもいられないので書く。といっていたことがあります。

同じように、実は色々なことに矛盾や怖さを感じる作者だからこそ、今後も色々なホラーや不条理ものを書いてくれる。。とキタイしてます
3.0 ゾッとならぬ恐さ
ガンジョリは一応、ホラーとされているが、普通のホラーとはどこか違う。
それは、ホラーといえば寒気がしたりするものであるが、ガンジョリのホラーは寒気はしなく複雑はホラー感に陥る。
一話のガンジョリは中々読み応えがあり、最後のゆうたという話も妙なホラー感でよかった。
が、後の二話、三話は個人的に面白くなく、特にみんなサイボーは読み終えた後、ダークな気分に陥った。
作品自体は読む人によって好みが別れる感じであり、購入する際は一歩立ち止まりよーく考えてから購入した方がいいと思う。
よって個人的評価は星3個にしておく。
4.0 意義あり+一言
 もともとレビューする気もなかったのですが、先に『絵が下手』と書いてあるのを見て、一言書き込みたくなりました。
 現在の、線が少なくはっきりした絵柄を好む人から見たならば下手と見えるのかもしれませんが、いがらしみきおさんは多分な表現力を持った漫画家です。絵が汚い、荒いという意見は通るかもしれませんが、下手といってしまうのはいささか短絡過ぎると思います。本作内の『ゆうた』に見られるあの強烈な笑顔が証明しています。絵の下手な人に、あれだけ迫力があり人に嫌悪感、恐怖を与える笑顔は描けないでしょう。

 モダンホラー傑作選と銘打っていますが、ホラーに当てはまらない作品も含まれています。
 また、各作品には、各分野の先人達が残した作品からの影響が見られるような気がしました。例えば

『ガンジョリ』→田舎を舞台にした古典的なホラーより。
『観音哀歌』→新井英樹『ザ・ワールド・イズ・マイン』
『みんなサイボー』→『パラサイト・イヴ』?

 様々な趣向の作品が読めると思えれば、悪くはない作品集です。ただ、同作者の『ぼのぼの』にみられるような強烈な個性を感じることができなかったのが残念でした。

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