タイヘン面白く読める粒ぞろいのタンペン集
バブル末期1990年から1993年にかけて発表された7編の短篇を集めた一冊。
どれもオモシロい。テッテー的にけだるい高校生数名が、チープなやりかたで死への接近を競い合う「しあわせなら手をたたこう」の虚無的スリルも抜群にスグレているが、他方、狩撫麻礼の原作による「リボルバー」には、謎とサスペンスがあり、ポップ感が濃厚、それでも最後にゃ死ぬテストをしなければ気が済まない、っていうところも大受ケだ。
いずれも、逸脱/脱落していながら、どこか禁欲的な高校生数名が、ただそれだけが己に許された快楽であるかのように、死へのトライアルに酔い痴れる。
それらに比べると、ヤケにうるさくリーダー風を吹かす同級生を、発作的に刺殺する高校生を描いた「ピース」には、じゃっかん退屈さがにじむ。
展開が読めてしまうということか。
同じく、嘲笑されたと勘違いした粘着的で無骨な高校生に、ひたすら追跡されたあげく殺害される少年を描いた「だみだこりゃ」にも、どこか非現実的なムードが漂う。
おとぎばなし的ということだろう。
「夏でポン!」や「ファミリーレストランは僕らのパラダイスなのさ!」といった、不毛な時間つぶしの中で限界まで憔悴しきってゆく高校生数名を描いた作品などもある。
大別すれば、そういうことになるが、いずれも才気溢れる佳品ぞろい、ということで、まずはオススメ。