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青い春―松本大洋短編集 (Big spirits comics special)

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青い春―松本大洋短編集 (Big spirits comics special)の商品レビュー

5.0 素晴らしいね
僕も漫画を描いているけど、これは簡単にマネ出来そうで出来ないんですよね。
一コマ一コマが凄く詩的で何かを感じさせる。
始めて読んだのが十年くらい前だけど、今読んでも、全く古くない。
絵は下手だと思うけど、いや、そもそも絵の上手い下手ってのは
なんなんだろうかと思う。
ありふれた上手い(とされる)絵と、この漫画のような、へた(とされる)
な絵のどちらが優れているんだろう。
これはとにかく素晴らしい漫画で
個人的には世間で最高級の評価を得ているバカボンドにも匹敵すると思う。
3.0 思春期特有の苛立ちのようなものがリアルに表現されている。

 松本大洋による初期作品の短篇集。1990〜1993年に発表された7篇が収録されている。

 この単行本に収められている短篇には、土田世紀の初期作品(例えば『未成年』)と同じ匂いを感じる。言葉にするとそれは、虚無感、焦燥感、崖っぷち感、というようなことになるだろう。この本には、感じている本人にも理由のわからない苛立ちのようなものが満ち溢れている。おそらくこの苛立ちの理由は、自分の感じているものに言葉を与えられない、ということなのだろう。強烈に何かを感じているのに、それが何なのかわからない状態というのは非常に気持ちが悪い。僕もかつては同じような苛立ちを感じていたように思うが、今は比較的スッキリしている。自分の感じていることの大部分を言葉で表現できるようになったからだ。

 この単行本に登場するのは1980年代テイストの不良男子高校生がほとんどで、こう言っちゃナンだが「自分の感じていることに言葉を与える」という行為そのものを知らないようなヤツラばかり。そういう彼らの姿を、自分自身は不良学生ではなかったけれど、と言う松本大洋がハードボイルド的に淡々と描いている。言葉によって説明するのではなく、彼らの日常生活を切り取っているだけなのだが、彼らの内面におけるもがき苦しみのようなものがよく表現されていると思う。エンターテイメント作品として楽しめるかどうかは、もちろん別の話だけど。

 僕としては、『しあわせなら手をたたこう』『ピース』に描き込まれた閉塞感をリアルに感じた。失った夏を取り戻すために延々と麻雀を続けるだけの高校球児を描いた『夏でポン!』も吉。声をかけてくれたヤクザの話『鈴木さん』も面白い。

5.0 ぼくたちには松本大洋がいる
 あとがきにすら感動できる本です。過去、狂気、創造性・・・届かないものへ強い憧れや哀
愁・空しさが松本大洋さんの醍醐味だと思います。なかなか感動する体験です。いわゆる『不
良』たちの、この短編もそんな松本大洋さんの魅力を堪能できる数珠の一冊です。映画にも
なってます。両方とも面白い稀有な例であったと思います。
4.0 タイヘン面白く読める粒ぞろいのタンペン集
バブル末期1990年から1993年にかけて発表された7編の短篇を集めた一冊。
どれもオモシロい。

テッテー的にけだるい高校生数名が、チープなやりかたで死への接近を競い合う「しあわせなら手をたたこう」の虚無的スリルも抜群にスグレているが、他方、狩撫麻礼の原作による「リボルバー」には、謎とサスペンスがあり、ポップ感が濃厚、それでも最後にゃ死ぬテストをしなければ気が済まない、っていうところも大受ケだ。

いずれも、逸脱/脱落していながら、どこか禁欲的な高校生数名が、ただそれだけが己に許された快楽であるかのように、死へのトライアルに酔い痴れる。

それらに比べると、ヤケにうるさくリーダー風を吹かす同級生を、発作的に刺殺する高校生を描いた「ピース」には、じゃっかん退屈さがにじむ。
展開が読めてしまうということか。
同じく、嘲笑されたと勘違いした粘着的で無骨な高校生に、ひたすら追跡されたあげく殺害される少年を描いた「だみだこりゃ」にも、どこか非現実的なムードが漂う。
おとぎばなし的ということだろう。

「夏でポン!」や「ファミリーレストランは僕らのパラダイスなのさ!」といった、不毛な時間つぶしの中で限界まで憔悴しきってゆく高校生数名を描いた作品などもある。

大別すれば、そういうことになるが、いずれも才気溢れる佳品ぞろい、ということで、まずはオススメ。

4.0 映画が先でしたが
映画を見てから、原作を読みたいと思って探しました。周りにいる松本太陽作品が好きな人たちは、あまりこの本を持っていなくて、「読んだけど訳判らなかった」と皆言うので、不安はあったのですが思い余って買ってしまいました。でも、買って良かったです。私はリボルバーが好きです。馬鹿やってられるのって奇妙だけど楽しい。それが滲み出てる感じで好きです。98年のあとがきの方が、93年のよりも好きですね。「夜明け前、街の姿がおぼろげにあらわれる時の青色」って一文が凄く心に残ってます。93年の青い春と98年の青い春では名目も収録作品名も同じようだけど、違いはあるのか、ちょっと気になってます。93年の方と違うところがあるのなら、買ってしまおうかとも思うのですが・・・。熱狂的に常に読んでいたい感じよりも、時々無性に読みたくなって読み返す本だと思ってます。

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