エネルギーを感じる
『ナイトクレイバー竜一』『出るトコでましょ!』と続く稲光伸二さんの事実上のデヴュー作です。
それにしても、この作品の孕むエネルギーは凄い。往年の大傑作江川達也『BEFREE』を思わせるエネルギーです。個人的には、連載が長く続くのが容易に予想できる甘口な『出るトコでましょ!』の方が、好きなのではあるが、こと「エネルギー」は数段この作品が上だ。連載中は、その物語の破綻度合いと、その型にはまれない登場人物の情動の振幅のでかさにハラハラした。脚本としては、イマイチなのに、登場人物のもつ極端なエネルギーに強い印象を受けたのを覚えている。まるで虎子光や笹錦を、思わせる。イマイチ脚本の構成力が弱いのが残念なほどだ。もともとは、作者があとがきで書いているとおり、女子高生への劣情(笑)から着想を得ているのはまちがいない単純なストーリー。政治家篠原高志とその娘の女子高生美矢の親子の葛藤を描いている。しかし、この二人のスケールと発想のトンデモなさはどうだ!。ありがちな、親娘の葛藤をぶっとばす(この場合は父親がデカイんだろうな・・・)話の展開は、読んでいてスリリングだった。
できうれば、この登場人物の持つ破格のエネルギーをうまく脚本とリンクさせる熟練した技ができれば、傑作か人気作品を描けるだろう。この方向だとイマイチ難しいかもしれないが。。。今後が楽しみな作家です。