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逆説の日本史〈2〉古代怨霊編 (小学館文庫)

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逆説の日本史〈2〉古代怨霊編 (小学館文庫)の商品レビュー

5.0 ユニークな発想、それを史実に結びつける説得力。徒者ではない著者の只物ではない著作。

 相変わらず面白い。以下、著者に関しては1帖と同じ感想である。


 さて、内容に言及すると、自分の興味をそそった点を下記に箇条書きに纏めてみた。参考ししていただければ幸いである。

・何故、古代朝鮮の国「新羅」を「シンラ」と読まずに「シラギ」と読み、「百済」を「ヒャクサイ・ペクチェ」と読まずに「クダラ」と読むのか
・何故、隋の皇帝「煬帝」は「ヨウテイ」でなく「ヨウダイ」なのか
・聖徳太子の悲惨な青春時代
・長屋王の自死と、藤原四子の死、それに触発された怨霊信仰の変容
・山背大兄王の自殺の意味
・崇徳上皇の呪いの言葉と実現、そしてそれが「太平記」に与えた影響
・皇帝と天皇の違い
・日本の戦前の教科書が行った「白村江の戦い」に関する改竄
・「私度僧」と云う言葉が持つ深い意味
・天照大神と東大寺大仏の霊威の敗北と、怨霊信仰
・長屋王を自死に追いやった最終責任者は聖武天皇陛下

 詳述は読んでいただけるとわかるので割愛するが、いずれもユニークで面白く、能く纏まっている。


 歴史嫌いの中・高生が増える昨今、この様な良書に出会えることが彼らの歴史観を一転させること間違い無し、であろう。学生から社会人まで、幅広いレンジの人にお薦めできる1冊である。

5.0 怨霊信仰はひとつの宗教なのか
シリーズ2冊目の本書は、聖徳太子を軸に、「古代から現代にまで継続して受け継がれている、あるひとつの思想」を解説しています。

これこそが怨霊信仰と言われるモノで、あらゆる宗教の枠を超え、日本人に生き続けている考え方だと著者は言います。そしてそのような結論を理解するためには、日本の歴史学の三大欠陥を理解し、それを乗り越える必要があると繰り返し説明しています(「日本歴史学の三代欠陥」こそが本シリーズの裏のテーマのような気もしますが・・・)

よく考えれば、ここまで長期間日本人のこころから離れない怨霊信仰とは、それ自体でひとつの宗教として成立する事ができるわけで、なぜこの信仰が広く日本人共通の認識になっていないのかを不思議に思いました。
2.0 目の付け所は面白いが。
正直読むのに疲れる本である。話が脱線したまま先にドンドン進んでいき、途中で「話が逸れたから元に戻して」で 元に戻ると全く論旨が変っていたり、「この話は前の本に書いたから割愛する」と凄く大事な部分を飛ばす、しかもそれは前の本には記載が無いのがデフォルト。「この話題は後から」と書いてて後にも記載が無いのもデフォルト、やはり元テレビ屋なんだなあ、と。というのは番組進行表と同じノリで多分ここでCM入れてとかシナリオみたいな文章なのだ。もう読んでいてフラストレーションが溜まる事おびただしい。せっかくの妙な視点なのに論点を整理し推敲するという基本が出来てないんじゃないか?と。とにかく一冊読むのに何回も休むから益々何が何やら......ところどころトンデモの匂いが香しく漂ってくるけど読むのに疲れて なんかどうでも良くなってしまった。この本にチョッカイを出す人は まず岩波とかの一般的古代史の本を読んでからにしたほうが良いですよ。
5.0 論の展開にはやや強引さはあるが
 飛鳥・奈良時代の人物や出来事について、非常に個性的な筆者の考えが述べられている。「天智天皇暗殺説」「天武天皇異国人説」など。さまざまな書物の記述などをもとに、理路整然と書き進められている。歴史に詳しい人ならば、筆者の考えに疑問を抱くこともあるのかもしれないが、わたしのような素人は大いに納得させられてしまう。すべてを鵜呑みにしてしまうのは危険であろうが、たいへん面白い話である。
4.0 オリジナリティに乏しいのが玉に疵
「逆説シリーズ」第二作。聖徳太子から持統天皇までを扱っている。この時代は史料が揃って来た割には謎が多く、日本史で最も魅力ある時代であり、藤原氏が日本史の骨格を築いた重要な時代でもある。

聖徳太子と怨霊に関する問題は、梅原猛氏「隠された十字架」の引き写しであり、新鮮味がない。諡号における「徳」に関する議論は、長いだけで結論の説得力もない。ただし、鴎外の諡号研究の紹介はインパクトがあった。天武が天智と血統が異なるという説自身は以前からあり(即ち、天武は易姓革命を起こした)、これもオリジナリティがない。日本書紀を書いたのは天武系と述べているが、実際には持統天皇(天智系)の意を汲んだ藤原不比等が編纂したものであり、この辺に記述の混乱があると思う。天孫降臨の神話が、持統天皇から孫の文武天皇へと天智系で天皇をバトンタッチするためのものである事は最早定説であり、「逆説」性は感じられない。

こうして見ると著者のオリジナルの説は殆どないのだが、全体を通して細かいエピソードを繋いで、読み物として面白くできている点は評価すべきだと思う。特に当時の東アジア情勢と関連させて、現代にも通用する外交戦略を論じている点が印象に残った。

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