|
商品の情報
卍 (新潮文庫)の商品レビュー 実験???
この題は何を象徴しているのでしょうか。まさか絡まりあった人間関係を物理的に示したとは思えませんが。その後の「細雪」とは違い、舞台と時間が広がることはなく、かなり限定されています。昭和初期の社会の変貌を示唆する部分は最小限の舞台装置に限定されています。映像と違い、「告白」という形を借りた文章という手法ではそれほどスキャンダラスな印象を直接的に与えることはありません。最初は女性同士の関係、そして男性を含む不思議な三角関係、そしてもう一段ひねりの入った三角関係への転換と進んでいきます。細雪とは違い、最後には、たしかにそれなりのdenouementは用意されています。というよりも結末は最初から示唆されているといった方がいいでしょう。私は大阪弁を使った文体の実験小説と捉えました。そしてその文体とテーマはそれなりの平衡感を示しています。 繊細に響く関西弁が、…
ストーリーは、同性愛を導入口とし、晩年に孤独となってしまった悲しい女性の語りである。良家の生まれ・インテリジェンス・恵まれた家族環境にありがら、悪女:光子の虜となってしまう。その果て、光子の影にいる怪しい男と亭主との、まさに雁字搦めの卍となる。自身が開放された時には、亭主も光子も失っていた。その後ずっと女一人で、園子は生きて来たのでしょう。物悲しくともやたらに口に出来る話ではない。 破滅の描き方
谷崎先生中期の代表作。 耽美
谷崎文学の真骨頂
舞台は関西、大阪や宝塚、西宮などの懐かしい地名が数多く顔を出す。そして、題材は婦人と少女の同性愛。だが、作品を通して漂う妖艶な芳香と、意識の流れを彷彿とさせる独白的文体を媒介として描き出される泥臭いまでの人間心理は、単なる耽美的な同性愛小説という枠組みを越えて、日常に潜む狂気性と異常性をまざまざと見せ付ける。 本の最新売り上げランキング - トップ10
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||