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金閣寺 (新潮文庫)

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金閣寺 (新潮文庫)の商品レビュー

5.0 ノートを取りながら精密に読めば面白さ倍増
どのページ、どの行も、いささかの緩みもない、正確で力のある言葉が連なっています。歓喜のうちに1回目を読み終わった後は、「主人公はどうして火を付けることにしたのか?」を頭に置きつつ、鍵となる部分をノートに抜書きしながら再読しましょう。三島氏が構築した精緻な構造が明らかになり、この小説の虜になるでしょう。
4.0 狂気の物語
言わずと知れた、三島由紀夫の代表作。

吃音に苦しむ不幸な見習い僧が、
金閣寺を焼き払ったという実話に基づいた物語。

見習い僧の心理を著者が読み解くわけですが、
文章からある種の狂気を感じます。

まあ、国宝・金閣寺を放火した人を題材としているし、
三島由紀夫も割腹自殺をするような人だから、
無理もないと思います。


難解な語彙が山のように出てくるので、
辞書がないと読めません。
日本語にはこんな表現の仕方があったのか、と感服します。
1.0 読み辛く、体力の必要な「歴史的名著」
良くも悪くも、50年前の物語なのだ。

主人公の感覚は、もはや手が届かない(現代だったらキチガイの一言で片づけられていただろう)。巧みに言葉を繰っているが、その7割は自慰行為的に付け加えられた、不必要な贅肉だと感じたのは僕だけだろうか。 4ヶ所だけ、矢のように刺される箇所があっただけに、とりわけ残念であった。

美しい文章と、読み辛い文章は、紙一重なのか?
5.0 A masterpiece by Mishima
I read this book when I was 17 years old. This book gave me quite a shock.

This is a story about a handicapped young Buddhist who set fire to the temple of the golden pavilion - a beautifully constructed 5-story temple in Kyoto. Yukio Mishima gave me strong influence in literature and aesthetics. His novels have superb sense of aesthetics and thus got translated to English and some other languages.

But he is basically an ultra nationalist despite of his deep understanding of
Western culture. He was a right-wing while I was a left-wing. I never agreed with his political opinions. He was surely a genius in Japanese literature but was stupid in politics.

He then committed suicide after failing to agitate Japan Defense Force on 1970/11/25.

Ironically, he evaded from the draft in 1945 (at the age of 20) using a disease for excuses. So I never regard him as a Man. But I miss his talent.
5.0 語りえぬもの
一見、難解に思われがちな本作だが、禅との共通点を指摘されることの多いウィトゲンシュタインの哲学、つまり『世界は語られるものではなく示されるものだ』という真理を通して見るとき、幾分理解しやすくなるのではないかと思う。
簡単な例を一つ挙げると、果物屋で「赤いりんごをください」と言われた店員は、赤いりんごを頭の中に思い浮かべて、言葉の意味を解釈しながら行動する必要はなく、そのシチュエーションに従ってほとんど反射的、スムーズに行動するのが普通であり、本来的には、その行動によって初めて規則が世界に示されるのである。
「金閣寺」で、その哲学に照応していると思われる箇所は、散々美文を連ねたあとの、実にあっさりとしたラストの文章であろう。
主人公は解釈の象徴である金閣寺を焼き払うことによって初めて、「仕事を終えた後の一服」というシチュエーションで、人々がごく一般的に抱くような感慨に到達することができたのである。
しかし、ここで注目したいのは、金閣寺の放火という、大それた行為をしなければ、その感覚を抱くことのできない、主人公の「ズレ」である。
この「ズレ」が青春特有のものであり、「ズレ」を補正していくことが成長すること、つまりは「老い」だとするならば、三島の自決はその拒絶でもあったといえるだろう。
私たちがあくまでも現実世界で生きていくことを望むのであれば、ウィトゲンシュタインの言うように、「最後に全てを理解したとき、昇りきった梯子を捨てなければならない」のである。
「金閣寺」が『世界は語られるものではなく示されるものだ』という真理をどれほど的確に“語った”書であったとしても、「世界が語りえない」ものである限り、それは現実世界とは何か別のものを表してしまうのだから。
私たち読者は、頭の中の「金閣寺」を焼き払い、ささやかな行為を、少しずつ積み重ねながら、日々を生きていくしかないのである。

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