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沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

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沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)の商品レビュー

3.0 ノンフィクションなのかそうでないのか…
1巻〜3巻まではもう引き込まれるように読み耽りました。
特に3巻(御巣鷹山編)は圧巻で涙なしには読む事が出来ません。
そこで改めて、あの事故についてもっと知りたくなりいろいろと検索してみました。
この本の事も色々と書かれていましたが、
一番驚いたのは現実の主人公は一切この事故とは関わりあっていない、という点でした。

実際の主人公は、「ご遺族との交渉係」を担当するどころか、
あの事故の翌月に自ら希望を出してアフリカへ戻っていたとの事で…
もちろんこれは小説ですから、恩地自身があの事故やご遺族と関わりあっていかないと成り立たないのでしょうが、
物語の核といってもいい部分がフィクションなのはちょっとがっかりです…
ましてや、自分で希望を出してアフリカへ戻ったという事実。

この他にも、「実像とはまったく違う」といった反論なども多数ありましたが、
その意見が正しいのか、この本で描かれていることが正しいのか、私にはわかりません。

日航自体が大きな問題体質を抱えていた企業である事や、
労働組合に対する不当な圧力や仕打ちがあったのも事実なのでしょうが、
あまりにも「主人公=善」と描かれすぎていると思いました。
特に、何度も言いますが「事故には一切関わっていない」という点…
そのわりにはあまりにも献身的に描かれているのが非常に残念です。

しかし、3巻は本当に心を打たれます。
労働組合や主人公の問題は別にしても、読む価値があると思いますし、
「自分が今生きている」事を改めて考えさせてくれる作品です。
5.0 未だに続く戦い・・人間の根本的なものから見直したい
1巻は多少退屈に思えてくる方もいるかもしれないが、
とにかく3巻までたどり着いてみて!!!

◆出版にあたっても壮絶なストーリーが◆
当時人気作家山崎豊子氏の次の作品を連載させてもらおうと、
多くの出版社がやってきたが、日航の内情を描いた作品だと
いうことが分かるとみな腰が引けて逃げてしまった。
その中で新潮社の山田氏だけが会社を説得し、
週刊新潮での連載が始まる。
すると日本航空(JAL)は、新潮社の出版物から日航の企業広告を
すべて引き上げ(ま、、当然なんだけど、)新潮社は莫大な広告料
を失い打撃を受け、山田氏への非難が集中してしまったのです。
しかし連載は人気を呼び、週間新潮の売り上げは倍増し損失分を
十分にカバーすることができた、そしてさらに単行本にしようとした時に
心労・過労のため山田氏は入院してしまう。
その単行本がベストセラーとなり社員が入院中の山田氏に報告しにいくと
「200万部を突破するまでは見舞いに来るな!」と一喝。
そして200万部を突破し、その報告をしにいくと、彼はすでに亡くなっていた…
※沈まぬ太陽の主人公のモデルが講演会ではなした内容です。

本を読んでいて誰が悪いとかではなくて、
人間の本質や根本的なものから見直していきたいと思いました。
4.0 考えさせられる事の多い作品
この作品は、取材した事実に基づき、小説的に再構築した作品である。
主人公の恩地元は、組合の委員長としてストライキを決行した事により
会社に睨まれ、中近東からアフリカへと内規を無視した十年近くの海外
赴任を強いられる。アフリカ篇(上)(下)は恩地の回想により、その間の
事情が語られる。

うざい妻子を日本に残し、アフリカで狩猟ざんまいの日々。
何人もの召使いを雇い、日本の住宅事情では考えられない広い屋敷
に住む。天国じゃないか。この男は何が不満なんだ?

長期の海外赴任を拒否する姿勢には、世界に航路を延ばそうとしている
ナショナル・フラッグの社員として、国際感覚が欠如していると思った。
航空会社に限らず、商社やメーカーなどでも、ニューヨークやロンドン等、
先進国の主要都市に配属されるのは極一部のエリートだけで、大部分の
海外赴任者は僻地に赴任しているのではないだろうか。海外赴任が嫌
ならば、そもそも何故航空会社を就職先として選んだのだろう。転職とか
は考えなかったのだろうか。

日本に戻すという話も何度かあったが、恩地は頑なに拒否している。
会社にも問題があるが、恩地自身にも問題があったのではないかと
思えてしまう。

日本を代表する航空会社の複雑な労使問題、経済性や効率を追求する
あまり、安全性を疎かにする経営陣の体質など、考えさせられる事の
多い作品である。
5.0 何故女性がここまで書けるのか
「アフリカに駐在した日本航空職員の話」そんな漠然とした知識で読み始めたが、読めば読むほど驚きであった。
「労使紛争」、一時代前の事になってしまったような響きのある言葉だが、人の命を預かる航空会社では重みがある。
その中で、利権を得んとありとあらゆる画策を講じる男達。男達をここまで向かわせるものは何なのか。男の中にたぎる競争心なのか。
この小説の中では、完全な善人はいない。善人役も、多分企業人の目で見れば欠点があり、そこがリアリティの基ともなっている。
企業の中での利権争い、政治の中での利権争い、企業論理の中で軽んじられる人道。
そういったものを目の当たりにさせる。
この小説は、企業に勤めた事のある人間なら、男女問わず是非読んでみて欲しい。貴方の勤める企業にも大なり小なり見出せる事だろう。
5.0 J○Lの実態がこんなにあらわに
恥ずかしながら、山崎豊子さんの作品を読んだのはこれが初めてである。
航空機ファンなら誰でも引き込まれる超大作。
飛行機マニアでなくとも、御巣鷹山といえば分かる航空会社を設定に
組織内部の醜い争い、安全を度外視した実態、顧客不在の労働組合、そして経営不安・・・。
現在の株価も納得できるというもの。
それにしても筆者はよく、ここまで取材したなと思う。
一気に5冊を読んも、飽きなかった大作。

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