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エロ事師たち (新潮文庫)の商品レビュー 昭和色
特有の文体でアンダーグラウンドな世界を描き出すのはまさに著者ならではだと思います。文章を学ぶ人が必ずいわれるのが、野坂昭如の文章だけは真似するな、ということだそうです。それほど個性的で、独特です。書き出しはややぶれている感じを受けますが、少し進むと饒舌な文章はリズムに乗って気持ちよく読めます。スブやんというエロ事を商売にしてしまった男とその仲間の可笑しくももの悲しい物語です。当時の風俗小説としても読めます。男というものは、どんな時代であっても変わらないな、という思いがいたします。いい歳をした大人が、世の常識とかけ離れた価値観と行動様式を持ちながら、したたかに生活の知恵を発揮してゆくのがとても面白いです。それぞれが面白おかしくやっているわけではなく、真剣に生き抜こうとするほど、常識とずれてゆきます。昭和30年代。映画続・三丁目の夕日で描かれた同じ時代です。まだ、空襲を昨日のことのように思い出せます。昭和という時代のニ面性。軍国主義から一夜で民主主義の世界で暮らす羽目になった市井の人たち。昭和という時代にこだわった、戦後焼跡闇市派たる著者の作品は、昭和の色に染まっています。 実は文体の実験作
ストーリーの猥雑な生命力に昭和無頼派作家の味を読めるが、そこは私小説「蛍の墓」や童謡「おもちゃのマーチ」を生み出した野坂の作品であり、何ともいえない可笑しさと哀感が伴っている。この小説は実はかなり技巧的に凝った作品でもあり、これが長編デビュー作ということは驚くべきことであろう。 昭和は遠くになりにけり
野坂昭如といえば、大島渚とケンカしたり、仲良くなったり、酔っ払ってテレビに出てる人という印象とアニメ映画「火垂るの墓」の作者というものしかなかった。実をいうと彼の作品を読んだことはなかったのである。東京出張のお供として本屋さんで購入し、一気読みでした。 性と死を見つめて
基本的には戦後のある時期の、エロとそれで飯を食っている人達についての面白おかしい話ですが、かなり恥ずかしい死に様さえ喜劇になっている辺りが・・・・・面白い、愛すべきエロ馬鹿達の話という表現だけで片付けるには大きすぎる内容かもしれません。 確かに面白すぎる
上品な方でも楽しめると思います。PTAでは確実に黙殺されそうな内容ですが、そういう人に限って裏では喜びそうな、とにかく、面白いとしか言いようのない傑作。最後のシーンは笑いどころか、もし自分がそんなことになったら洒落になっていないと恐怖する場面でもありました。とにかく、多少の癖はあっても、これ以上に笑える文学はないと思える素晴らしい本。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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