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砂の女 (新潮文庫)

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砂の女 (新潮文庫)の商品レビュー

5.0 す、砂が纏わりついて…。
不条理というより現実味を帯びた理不尽な展開にスッと引き込まれます。
さぁどうする?この手の大きな難問を抱え、如何にしてブレイクスルーするかというストーリーを好む当方としては楽しめました。

オチがやはり文学的。部落に監禁されてから最終的に男がとる行動までの表面的な心境の変化に違和感を感じつつも、読後じわじわと男に内在する「教授」というブレのない根幹が故かという解釈もと考えさせられるから面白い。
5.0 戦後最大の傑作
初めて読んでから、かれこれ17年になります。
今でも時々本棚から出して読んでしまいますね。
砂という無機物を限りない手法で表現し、読んでいる者を不快にさせてくれます。
大江健三郎氏が安部公房を「戦後最大の作家」と絶賛しましたが
そのなかでも傑作といえるかと思います。
5.0 実は映画を先に見ているのですが...。
映画は遥か昔、大学生の頃に観たのですが、英国の店先でDVDが売られているのを偶然見かけ、久しぶりに原作が読みたくなって本棚から引っ張り出して読んでみた。
言葉を紙面上に紡いで芸術を描くのが文学と言うのであれば、今さらの陳腐な言い方ではあるが、この作品はまさに珠玉の文学だと思う。文学作品には難解なものも多いが、難解であることが文学作品の条件では無い。この作品は難解さを感じさせずに一気に読むこともできる。こういった強引に読み手を引きずり込むストーリー展開から、「よく出来たサスペンス」と片付ける方もいるかもしれないが、ここに描き出される人間の業、辺鄙な部落社会での不自由な幽閉生活の裏返しとして描かれる文明社会への批判、「自由」な社会の住人であるのに関わらず見失ってしまった自己の存在など、作品のメッセージをいろいろと考えながら読むべき作品であると思う。
そういう意味で一度ではなく何度でもくり返し読むことに耐えうる作品であり、読者個人の背景によって様々に共鳴できる要素を持っており、様々な解釈をさせてくれる広がりのある作品だと思う。
5.0 安部公房とのなつかしい出会い
 私が安部公房の名を初めて聞いたのは小学校高学年の時だった。四十数年、五十年近く前である。ラジオで「魔法のパイプ」(だったと思う。)が放送されていて、ものすごく面白かった。でも私は作者はお爺さんで、寿命が来てもうあまり長く書けないだろうな、と思い込んでいた。彼の作品をたくさん読みたいのに残念だと思っていた。
 高校生になり、突然、また彼の作品と出会いびっくりする。「赤い繭」が国語の教科書に載っていたのだ。「魔法のパイプ」は子供向けで、めちゃくちゃ面白かったが、それとは全く違った魅力を持つ、ひきつけてやまない、同じ作家の作品があった。そしてまた彼がまだ若い作家だと知るのである。以来、よく分かりもしないのに夢中になって読んだ。そのあと、二十歳すぎまで坂口安吾の本と共に安部公房の作品を読んだ。
 でも25歳のときには、もう安吾も安部公房も卒業していた。嫌いになったわけではない。好きなまんまなのだが卒業したのだ。
 23歳の頃、紀野一義 著「維摩経」を読んだ。これは、もちろんお経の翻訳と解説ではあるのだが、メインは違う。著者の生き様だ。学徒動員で戦争に行き台湾で不発の爆弾を危険を承知で、一人で、手工具で、1752発処理して生きて帰った男の物語である。終戦の翌年、故郷広島に帰った。両親も姉妹もみんな原爆で死んでいた。1年後、東大の印度哲学科に復学し、何事かを伝えるために様々な本を書いた。そして私はこの著者の本は卒業してない。
 今、私が好きな作家は隆慶一郎、中島敦です。
安部公房の読者が何かを感じてくれたらうれしい。
5.0 おすすめ
私にとって安部公房は、「名前だけは聞いた事がある」程度の作家でした。
こちらで評判が良いので読んでみたところ、ぶっとびました!

言葉をこんなにも操れる人がいるなんて…。

ストーリーももちろん奇想天外なスチュエーションと展開と結末で面白いのですが
登場人物の心情や、砂の中に埋もれた村や家の様子。
平坦で易しい文章ではないのに、とても分かりやすい。
それは文章に臨場感があるからだと思います。
臨場感がありすぎて、自分まで口や体が砂っぽくなって来ます(笑)

この作品は映画化されたそうですが、私はあまり観たくありません。
安部公房の作品は、行間から各読者の想像を膨らますというよりも
行間を与えることなくストレートに映像が入ってくる感じがします。
映像よりも映像っぽい文章に映画化は要らないのでは…と思うのです。

あらすじは他の方が書いておられるのでその方を参考になさってください。
私はとにかく文章に注目して読んで欲しいです。

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