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個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)の解説27歳の予備校講師鳥(バード)は、結婚して間もなく子供が生まれようとしているのにいまだアフリカへの冒険旅行を夢見ているようなモラトリアム青年である。そこに、とうとう子供が生まれた、それも頭に異常のある障害児だという知らせを受けて、バードは今後いっさいの行動の自由が奪われたと絶望し、アルコールに、そして女友だち火見子との性交渉に逃避する日々を送ることになる。その間に子供が衰弱死して責任から解放され、火見子と連れ立ってアフリカに出発することができればというのがバードの期待だったが、その土壇場にきて、彼はこうした態度が自己欺瞞であり、自分の人生を台無しにしてしまうと自覚し、赤ん坊を引き受ける決断をする。障害を軽減する手術が成功して退院できることになった子供と妻を連れたバードは、確かに自分が変わったこと、大人になったことを感じる。 個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)の商品レビュー 240ページと12ページ
バードは障害を持って生まれてきたわが子の衰弱死を願います。勤めていた予備校では失態を演じてクビになり、火見子のアパートに入り浸るようになります。最初から240ページまでの人間的に弱いバードの気持ちはなんとなく理解できたつもりでした。 大江健三郎を読むのは初めてですが、
大江健三郎の長編小説を読むのはこれが初めてであり、 自己欺瞞から「忍耐」への、濃密な物語
主人公の鳥(バード。あだ名)が、障害を持って生まれた赤ん坊から、狡猾に、自己欺瞞を押し隠して、逃げようとし、最終的には、「欺瞞なしの方法は、自分の手で直接に縊り殺すか、あるいはかれをひきうけて育ててゆくか(p.247)」しかないことを認め、「ぼくが逃げまわりつづける男であることを止めるために」受け入れることを選択するに至る物語。 買いです。
初期の作品が持つ猥雑さが、障害を持った長男の誕生という出来事を経て、これ以降長くこだわっていく親子の在り方を通じてしか世間や世界と関わっていくことができなくなっていくという作者自身の在り方に収斂されていく様を記録した作品です。この作者の場合、他の作品から切り離して読んでこそ浮かび上がってくるものが多い(ある時期までは)ので、必要以上になにかと関連付けると読み誤りの原因になるような気がします。 大江をさらに読んでみたいきっかけとなった作品
大江の小説は難解である。しかし、少しずつでも大江と格闘する中で、彼の作品の持つ意味が理解できてきたような気がする。大江に関心を持ち始めて、10年以上たってから、手にしたこの作品。読み終えた後 本の最新売り上げランキング - トップ10
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