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『質屋の女房』です。表題作の他に、芥川賞受賞作の『陰気な愉しみ』『悪い仲間』などを含む短編集です。 いずれの作品も、作者の人柄が出ているというべきか、主人公の小市民ぶりがよく描かれています。 いつもより多く年金をもらってしまって、どうするか。ワルと知り合って、朱に交わって赤くなりかけて、どうなるか。質屋の奥さんと親しくなって全集の整理を手伝ったりした主人公に運命が訪れた時… 現代とは舞台設定が違うとはいえ、いつの時代も小市民の心理というのは、大差ないらしいです。 親近感がわきますし、ユーモアを交えた文章も読みやすいです。
表題作は質屋通いを覚えた堕落学生である「僕」と質屋の若い女房をめぐる小品である。「僕」がこの女房に母親と同時に女を感じてドギマギするさまが、ユーモラスにいきいきと描写されていて、なんとも可笑しい。他にも芥川受賞作『悪い仲間』『陰気な愉しみ』に描かれる主人公は、やはり社会的な劣等感を内に抱え込んでいるのだが、それが陰鬱にかたむかず、そのような自己を受け入れることによってユーモアに転じている。折々読み返したくなる珠玉の短篇集。
「僕」がこの女房に母親と同時に女を感じてドギマギするさまが、ユーモラスにいきいきと描写されていて、なんとも可笑しい。
他にも芥川受賞作『悪い仲間』『陰気な愉しみ』に描かれる主人公は、やはり社会的な劣等感を内に抱え込んでいるのだが、それが陰鬱にかたむかず、そのような自己を受け入れることによってユーモアに転じている。
折々読み返したくなる珠玉の短篇集。