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定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)

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定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)の商品レビュー

4.0 時刻の正確さという観点から、日本の近代化と鉄道の関係を捉えています。
日本の鉄道の正確さは、移動に不向きな日本列島において、急速な国家の発展のために大量かつ迅速な貨客の輸送が求められた結果と言えそうだ。起伏に富んだ複雑な地形や狭い平野部への人口密集などの環境要因は、移動する際に様々なボトルネックを生み出し、鉄道の運行状況にも「起伏」を生じさせることになる。そのうえ近代に急速に作り上げてきた日本の鉄道ネットワークには、インフラ的な余裕、本書で言うところの「安定化装置」がそれほど十分には用意されていない。このように複雑でいわば逃げ道の少ないネットワークで大量輸送を実現するには、時間的・空間的に小刻みな運行管理を必要とする。緻密な運行のために定刻発車せざる得ない、というロジックは、日本の鉄道システムを理解する上で大事なポイントだと思われる。
5.0 日本の鉄道はやはりすごい
 久々に鉄道ものの本が読みたいなぁと思って書店で探していたところ、目に付いたのが本書である。昔、列車ダイヤを作る「スジ屋」の話を読んで結構おもしろかった記憶がある(おそらく「列車ダイヤの話」(中公新書))ので、それに類する本というか現代版は何かないかなと思って手に取った次第(「みどりの窓口を支える「マルス」の謎」も一緒に買った)。

 この本のテーマは誰でも抱く疑問だが、誰も答えを出していなかったテーマ、つまり、「世界中でなぜ日本の鉄道だけ驚異的な定時運行率を達成しているか」である。これが、日本人の気質(きちょうめんな運行側とせっかちな客の側の期待)によるものなのか、貧弱な整備で膨大な需要に対応するための生活の知恵なのか、この辺りを読み解いていく作業が続けられる。

 鉄道を描いた本(雑誌もそうだが)は、およそ、技術的な話を中心に話が進み結果としてバランスの悪いものになっているケースが多いが、本書は、経済学的、経営学的な視点が随所に入っており、新鮮というかはっとさせられる点も多い。読んでいくうちに、鉄道は日本という産業国家の強力なインフラとして、道路交通網とともに日本の競争力を大きく下支えしているのではないかとも感じた。

 なお、最近読んだ英国人(多摩大学名誉学長のグレゴリー・クラーク)のエッセイに、日本人が世界に誇るべきものとして「新幹線」をあげて、「あの流線型の怪物が完璧なタイムスケジュールで、数分おきに滑るように駆け抜けていくのを見ると、この奇跡的な仕組みと完璧さを生み出した民族は、まさに卓越した存在と認めざるを得ません」と書いているが全く同感。なお、他には、「「サービス精神」と責任感」(大晦日でもテレビの修理に来てくれる国は他にないとのこと)、さらには、「日本人の尋常でない正直さ」(落とし物が手つかずで戻ってくる国は他にないとのこと)をあげているが、これまたいたく賛同するところである(蛇足ですが)。
4.0 JRについて知らなかったコトが満載
 電車がホームに乗り入れたとき、並んでいるヒトが重ならないように
左右の電車の乗降口をずれる事まで効率化をすすめる。しかも開閉は
10秒間というあっという間、電車内を広く、イスをたたみ、出入り口
を限りなく増やす、1分のダイヤの乱れは、ニュースになる。臨時ダイ
ヤをなんなく書く線引きという専門屋、首都の電車の事故や天候による
ダイヤの乱れの度に、この本に書かれていたことがリアルに思い出され、
三戸祐子のオタク度に脱帽する。
 早く、続きを書いてほしい、だから星ひとつ落とした。
4.0 説得力があります
山手線などの電車は、運転士レベルでは
○時○分45秒発 などといった秒単位の刻みで
運転されているようですが、そんな定刻発車のルーツが
江戸時代にあったとは! 他の方も書いていますが、
本当に目から鱗です。とても面白く読めます。

節のまとまりごとに参考文献と注釈がしっかり
記され、文中には参照番号が添えてあるなど
まるで論文のようなカッチリした作りの本です。

一方で、同じことが何度も繰り返し出てくる部分があって
少し気になりました。もう少し整理されていれば
さらに読みやすくなった気がします。
5.0 江戸時代にルーツがあった!
日本の鉄道がこうも正確な時刻に運行する理由が、まだ鉄道がなかった江戸時代にルーツがあったと知ってびっくりしました。江戸、東京をハブとした街道、宿場町が江戸時代に整備され、それに沿った形で鉄道が敷かれたからなんですね。駅間隔も適切な距離だし、どの駅間隔もほぼ同じ距離。江戸の庶民が旅行好きだったのも、鉄道の発展に寄与したというのも面白かった。

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