長編小説の着想を書き留めたような短編集
しばらく島田雅彦の小説を読んでいなかったので、読んでるうちに懐かしい気分になった。斜に構えた、気取った感じは、昔はもっともっと毒があったように思ったが、相も変わらず。ただ昔の「観念そのもの」といっていいような世界が、ある具体的な、肉感的な世界へと移行している印象を受けた。 例えば、表題作の「そして、アンジュは眠りにつく」は、盲目の少女のストーリーなのだが、暗闇に生きる少女の感性を通じて世界を記述する様は、具体的、即物的な感覚から出発して、少女の想像と相まって、不思議な世界を作り出している。ある日、嗅覚が敏感になって全てのにおいをかぎ分けられるようになった女の話「奇蹟の鼻」などもそのいい例かもしれない。
久々に島田雅彦の小説を続けて読んでみようかと思った。
島田雅彦入門
なんだろう島田雅彦のひねくれ具合がたまんない。そして、本当に頭がいいのかどうかは知らないけれど、変に読者に迎合することが全くなく、しかもかなり愉快で頭の良さそうな文章を書く「アルマジロ王」と「そしてアンジェは眠りにつく」に詰まってる短編を読んで、すげー面白いと感じたら島田雅彦の他の作品もきっと好きになると思う、他のもたいして変わらないので。そしてなんだこれ、くだらない。と思った人がいたら、勿論それはありだとおもう、もっと他に楽しい小説はいっぱいあるし、なんていうか好みがわかれるかも。
とにかく島田雅彦入門には最適