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転々 (新潮文庫)の商品レビュー どこか惜しい
一番気になったのは終わりの強引さです。 世代の感覚、価値観の差
借金を抱え逃げ回る大学生文哉の前に現れた謎の中年男性福原からの申し出は、100万円の報酬での東京の「散歩」でした。 ドタバタ東京散歩
ある秘密を抱えてた東京散歩というテーマがそれだけで面白い。出発点である吉祥寺は昔住んでいたこともあって、散歩感覚で読んだ。そうそう、あそこにそれがあった、って感じ。ただ、もっと東京の街の情緒を出して欲しかったし、食べ物ももっと詳しく書いて欲しかった。散歩の途中で繰り広げられるドタバタ、荒唐無稽。ちょっと描写が荒い所が多い。著者得意の中年の心を緻密に書いて欲しかった。福原と奥さんの関係、福原と元奥さんの関係等々。最後はそうくるかあ、という驚き。他の方のレビューの評価は高いが、私としては、そんなに高い評価は与えられない。ミステリーとしては2☆であるし、恋愛小説としても2☆、B級文学として、3☆くらいかな。暇つぶしに読むにはちょうどよい軽い読み物。 散歩小説
ものすごくいいテーマだし料理の仕方によっては 湯船につかると痛い小説
この小説を無理矢理どこかひとつのジャンルに押しこまねばならないとしたら、ある人はミステリーと言うでしょう。主人公が訳の分からない状況に巻きこまれ、真相が徐々に明らかになり、最後に急展開。紛れもないミステリーです。文句ありません。でも、そう言ってしまうと、この小説の持つ痛みが奥に追いやられてしまうような気がします。ですから、そんなジャンルがあるのかどうか知りませんが、あえて言うならこれは青春小説なのです。ただしここには汗も涙も友情もありません。あるのは乾いた痛みだけです。のたうち回るような痛みではなく、手術で取り除けるような痛みでもない。日焼けあとのようなヒリヒリとした痛みを、「ふつう」の暮らしすらまともに出来ない登場人物たちみんなが抱えています。オースターが好きな方なら、きっと「ムーンパレス」を連想されるでしょう。こんなのありえないよ、というくらい奇妙な状況に置かれている主人公なのに、読んでいる僕らはしっかり感情移入してしまっている。ヒリヒリとした痛みは、必ずしも年齢や立場とは関係ありません。存在してしまっていること自体への焦りや居心地の悪さ。もしもそんなものを脱ぎ捨てることが出来たなら、そのときが青春の終わりってことなのでしょうが、嬉々として小説を手にとっているようでは、安息の日々の到来など望むべくもありませんね。痛いあなたはお読みください。読んでも和らぎませんけど。 本の最新売り上げランキング - トップ10
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