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オーデュボンの祈り (新潮文庫)

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オーデュボンの祈り (新潮文庫)の解説

   既存のミステリーの枠にとらわれない大胆な発想で、読者を魅了する伊坂幸太郎のデビュー作。レイプという過酷な運命を背負う青年の姿を爽やかに描いた『重力ピエロ』や、特殊能力を持つ4人組の強盗団が活躍する『陽気なギャングが地球を回す』など、特異なキャラクターと奇想天外なストーリーを持ち味にしている著者であるが、その才能の原点ともいえるのが本書だ。事件の被害者は、なんと、人語を操るカカシなのである。

   コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった。しかしある夜、何者かによって優午が「殺害」される。なぜカカシは、自分の死を予測できなかったのか。「オーデュボンの話を聞きなさい」という優午からの最後のメッセージを手掛かりに、伊藤は、その死の真相に迫っていく。

   嘘つきの画家、体重300キロのウサギさん、島の規律として殺人を繰り返す男「桜」。不可思議な登場人物たちの住む島は、不条理に満ちた異様な世界だ。一方、そんな虚構に比するように、現実世界のまがまがしい存在感を放つのが、伊藤の行方を執拗に追う警察官、城山である。本書が、荒唐無稽な絵空事に陥らないのは、こうした虚構と現実とが絶妙なバランスを保持し、せめぎあっているからだ。本格ミステリーの仕掛けもふんだんに盛り込みながら、時に、善悪とは何かという命題をも忍ばせる著者の実力は、ミステリーの果てしない可能性を押し開くものである。(中島正敏)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)の商品レビュー

5.0 カオス理論
カカシが見ることの出来る未来はとても細かな事象の積み重ねである。

「カオス理論」という言葉が本編に出てくる。それは、例えば僕達が今日朝ごはんを食べたか食べなかったか、のような些細なことでも未来には大きな影響を及ぼしうる、ということを表している。そんな理論が物語全体を構成しているように思えた。理由は、すみずみまで伏線を拾ってくれていたから。

いや、すげー面白かったわ。なんか難しいことはあんま考えんと、笑いながら読めましたよ。
4.0 シュールなのにリアルに感じる不思議
人に借りて読み始めたら、止まらなくなった。

コンビニ強盗未遂を起こした男が、なぜか仙台の先の島にいる。
その島は150年前から外の世界と交流を断って孤立している。
島には江戸時代につくられた未来がわかる喋るカカシがいて…。

と、なんとなく荒唐無稽でシュールな話のはずなのに、リアルに感じる不思議な小説。

主人公がわけもわからず島にいるという冒頭から、最後、パズルがはまっていくように、すべてがおさまるところにおさまる。
かといって、謎解きのように【意味がわかる】小説ではないけど。

ストーリーが気持ちよく完結するのが好きな人には向かない小説かもしれない。
私は、島の住人たちの、どこか何かが欠除していて得体がしれないけれど、にくめない共感できる人物像にひっぱられて最後まで読んだ。

島の人間は「この島には何かが足りない」と思ってそれでも島で生きて死んで行く。

外の人間である私たちは、たくさんありすぎて、すべてが足りているような気がして暮らしているのかもしれない。

5.0 ヒモトカレタミステリー

ミステリー小説とは、自分で伏線を散らかしておいて、それを回収するという自虐的な部分がある。
本小説でも、なぜ主人公である名探偵の行く先々で事件が起こるのか。
いわゆる、名探偵のパラドックスについての言及が行われている。
その言及は、このデビュー作がスタートラインなのだという決意の表明に思えてきます。

伏線を散らかしては、それを回収する。
それはどことなく、人生だとか、歴史だとかに似ている。
そんな気がしました。
4.0 表現しようのない、魅力
『グラスホッパー』が気に入り、デビュー作を手にしました。
若干まだるっこしい部分もありましたが、なんとも表現のしようが無い、非常に独特で不思議な世界です。物凄い数のレビューがあり大変人気のある作家らしいので解釈本とかあるのかも知れませんが、そんな物に頼らずに自分勝手にイメージを広げて思う存分楽しめばいいのでしょう。
つかみ所がない故に惹かれるという点で、自身の体験では村上春樹、中でも『世界の終わり〜』に通じるものを感じました。
5.0 オーデュポン中毒
結論:おもしろすぎます!!

今までにないタイプのストーリー。
・・・超シュール。
おもしろくておもしろくて引き込まれてしまった。
オーデュポン中毒だ!

現実にありえない設定がどんどんでてくるのに
「この場所って本当に存在するのかな?行ってみたい・・」と思わせる。
続きが読みたくてたまらなくなって、

朝は30分早起きして読み、
朝の通勤は電車の中だけでは物足りず、
駅からの歩きをやめバスの車内で読み、
昼休みによみ、帰りによみ、夜に読み

少し厚めの本だったんですが、
のべ3日で読み終えちゃいました。

今思えば、あのあまり魅力的ではなかった表紙の絵も
「狙い」だったのか?と思えるほどです。

最近はエッセイや自己啓発、ビジネス本に偏り気味だった私。
そろそろ頭の片側が重くなってきて
いろいろなジャンルの本を読みたいと思ってた矢先に
絶妙な出会いでした。

皆さんも現実の自分に疲れたら、
この本を手にとってみてください。

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