商品の情報
裏庭 (新潮文庫)

裏庭 (新潮文庫)

この商品が欲しい!
この商品は Amazon.co.jp で購入することができます。このボタンをクリックすると、商品が Amazon.co.jp のカートに入ります。

裏庭 (新潮文庫)の商品レビュー

5.0 傑作
宮崎駿を超えるんではないか?と思えるほど、想像に富んでいて、内容の濃い、こどもが主人公の本だった!
宮崎駿さんに頼んで映画化して欲しいと思う。
5.0 三世代の傷の物語
生きるということ自体に向き合うならば、それは矢張りどうあっても、繰り返し傷を抉るような過酷なものにならざるを得ず、多くの青少年のための文学がそうであるようにこれもまた矢張り過酷な物語です。
主人公は三世代分の傷を無自覚に背負っており、だからこそ恐らくはあの旅をする資格を得た。多くの人々がたどり着けなかった、あの終わりの場所に彼女が到達したのは、それらの三世代分の痛みと傷を引き受けて自己を構築することに成功した結果なのだろうと思います。
そこへついにたどり着けなかった多くの死者たちが居て、痛みに蓋をして魂の死者のように生きてきた大人たちが居て、
けれどそれらはひとつも無駄にならなかった。
そこへたどり着けなかった死者達の残したものを手繰って、彼女はすべてを終らせる場所へと辿りついた。その果てへついにたどり着けなかった多くの人々が居て、しかしその多くの人々の残したものは、確実に彼女の足許を照らす明かりになっていた。

だから結局この物語のなかでは、
無駄に終った旅はないし、意味のない命もなかった。
意味のない想いもまたなかった。

実際にわたしたちは、多くの言えなかった言葉や果たせなかった抱擁、届かなかった手、流すことのなかった涙を無数の傷のように絶えず葬りながら生きている。それらは決してゆくべくところに届くことなく、二度と開くことのない墓場に永遠に埋葬されてそして無となる。

わたしたちはそのようにして生きているのだけれど、この物語のなかでは、それら無数の果たせなかった物語が、根の国でひそかな水脈となり、すべてが行き着くべきとことへと行き着いた。こんなことは本当はありえないのだけれど、わたしはそれが本当に嬉しかったのです。

主人公を導き最後の場所へと辿りつかせたのは、他でもない、そこへ辿りつくことの出来なかった人々だった。三世代分の傷は三世代分の力であり手がかりであって、その傷ゆえに「テルミィ」は世界を蘇らせる最後の場所へ辿りつくことができた。
だから彼女の旅の終わりは、周囲の大人たち、分けても彼女の両親のひとつの旅の終わりとなったのだと思います。

この物語のために作者はとても優しい嘘をついた。このうえなく巧妙に、やさしい嘘をついた。出来ればこれが嘘だと気づけない年頃のうちに、つまりは小中学生の間に、出会ってほしい本ではあります。
他者への想いは決して無駄にならない、言えなかった言葉もいつか届く、それは確かに嘘なのですが、この嘘をまづ信じることも、これから生きてゆくなかで身を切るほどの哀しみを怒りを悔恨をやまほど経験するだろう、年若いひとには必要だと思うのです。
4.0 ココロの庭。
丘の麓の無人屋敷には、
現実世界と“裏庭”とをつなぐ大鏡があります。

“裏庭”は死の世界にとても近いところ。

照美は、偶然、否、必然的にも
その鏡をくぐり、その異界へと足を踏み入れるのだ。

そして荒れた“裏庭”を修復させるため冒険の旅に出る。


双子の弟の悲劇的な死。

そして、自分を見ようとしない
両親との希薄な関係。

それは、現実世界において
自分の価値を見出せずにいた彼女の
成長と自立の旅でもあったのだ。


“裏庭”には
様々なジブリ的、ドラクエ的な生物が登場し
テルミィ(照美)を助け導いてくれる。

地中に棲む不吉なモノもいる。
くろみみず、とかね。

そして彼女が訪れる街は
どこもバランスがくずれ、ねじれが生じている。


例えば、チェルミラ。

ここでは、ヒトは絶えず傷つき血を流している。

そして癒し手と呼ばれる人たちが、
ほつれた袖を繕うかのように
簡単にその傷を癒していく。

その繰り返し。


唯一正気を保つ“おばば”は言う。


「あらわになった傷は、その人間の関心を独り占めする。
傷が、その人間を支配してしまうのだ。
本当に、癒そうと思うなら、
決して傷に自分自身を支配させてはならぬ」


さるきちは、その言葉に胸がチクリとしました。
魚の骨が喉に刺さったみたいに。

さるきちのココロの傷も、
ともすれば、さるきちを支配する力を持っているのだ。


「真の癒しは鋭い痛みを伴うものだ。
傷は生きておる。それ自体が自己保存の本能をもっておる」


ただ馴れ合いの癒しは“癒し”に非ず、
それこそ、病気に依存しているコトなのだ。


テルミィはね、そうやって
多くの不可解な体験を通じ、

自分を深く、深く掘り下げていくのです。


自分の傷とは?
癒しとは?


時に、仲間に刃を向けるほどの
激しい憎悪の念に襲われたり、

実際に暴力に及んだりもします。

一方で、子ども泣きに泣いたりする。


それってね、


現実世界では忘れていた感情だったのね。

無意識に、ココロの奥に
押し込めていた感情だったのよね。

そして、最後に彼女は言う。


私は、頭のてっぺんからつま先まで、
ぴっちり私になりきりたい。


さるきちも、同じように叫んでた。


さるきちも、さるきちになりたいのだ!!


照美の母は、愛情を受けずに育ちました。
アダルトチルドレンであったともいえるでしょう。
だから照美に対してもうまく愛情が注げなかったのです。


冒険を終えた照美は、
一歩も二歩もおとなになり、

そんな母をも受け入れ、
家族のつながりを回復させることができるのでした。


さるきち、この本をベストタイミングで
読むことができたように思います。

ココロの井戸に降りる勇気をもらい、
さらに、その先にある希望を感じさせてくれる、

そんな素敵な小説でした。


ヒトってね、きっと誰しもココロに“庭”を持っていると思うの。

庭ってね、手入れをしないと荒れ果てちゃう。

でも、一方で、手を加えすぎても
整然としすぎて魅力がないのかもしれない。


草木に愛情をもって応援し、
隆盛も衰退も積極的に見つめてあげる


秩序通りに植えてなくたって、
ちょっとぐらい雑草が生えていたって、
バナナの木があったって、
それも愛嬌。

自分なりの“庭”であればいいのよね。
5.0 ジブリ好きならきっとハマります
昔、英国人一家の別荘だった洋館。世代を超えて様々な物語を紡ぎ出してきたこの洋館の「裏庭」に、主人公の少女、照美は入り込んでしまいます。
裏庭の世界は、世にも不思議な異次元世界。不思議なものとの出会い。不思議で危険な体験。そして、自分自身を見つめる旅。

照美の魂の成長と、世代を超えた「つながり」の恢復が大きなテーマになっています。
「千と千尋の神隠し」をもう少しだけ複雑な世界に仕上げた感じ、というのが一番ぴったりくる案内ですかね、個人的には。
#なんとなく日本の神話がモチーフになっている感じも似てるし。他にもいろいろと。

それにしても、日本人にもこんなファンタジーを書ける人がいるんですね。さすがは梨木香歩さん。
ちなみに本作品は、1995年に第1回児童文学ファンタジー大賞を受賞しています。おそらく他作品を寄せ付けない圧勝だったことでしょう。

この作品、非常に重層的な構造をしているファンタジーなので、大人でも十分満足できる深い内容になっています。僕も一回読んだぐらいじゃまだまだ消化しきれないぐらい、いろんなものが詰まった濃度の濃い物語。でも、だからといって、重々しい雰囲気は全くありません。むしろふわふわと清々しい空気が全体に満ちていて、とても気持ちがよい。そして最後は、ぽろぽろと涙がこぼれる・・ (;u;) あぁ、ホントに素敵。
#ちょっと傷ついたり落ち込んだりしたときには、また読み返したいな。

まあとりあえず、ジブリが好きな人は読んでみましょう♪特に「千と千尋」好きなら絶対に読むべし。
5.0 愛すべき1冊
何回も何回も読めば読むほどに、物語の持つ奥深さがひもとかれていく、素晴らしい本です。

この本には色々なテーマが出てきますが、物語を通してのメインは、小さい頃に亡くなった、照美の双子の弟、「純」のお弔いの話であり、「純の死」によってバラバラになった人たちの心を、照美が純のお弔いをする事でまた繋いでいく、という事だと思います。
「死んだという事を周りの人がきちんと受け止められず、無い物になっていた純」、「純が死んだ」という事で、存在を消されそうになっていた照美。
純が、この物語の大きな核であると気付くと、更に楽しめるのではないかと思います。(明確に書かれていないので、分かるまで大変だと思うんですが・・・私も4回目くらいで気付きました)

人の死、自分の持つ感情、人との関わり、生きていくこと、自分自身について。

子供よりも、大人の方が、沢山の勇気や発見を貰えるのではないでしょうか。
私は、生きずらさを感じたとき、照美の辿った道筋をもう一度辿ると、また少しずつ自分を愛せるようになります。
人生の中で、愛すべき1冊です。

本の最新売り上げランキング - トップ10

1位 「儲かる!会社」に一瞬で変わる 1日10分、年収3倍 見田村流超マーケティング
おすすめ度: 価格: ¥ 1,575  通常24時間以内に発送
2位 彩雲国物語  黒蝶は檻にとらわれる (角川ビーンズ文庫)
おすすめ度: 価格: ¥ 540  通常24時間以内に発送
3位 起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術
おすすめ度: 価格: ¥ 1,575  通常24時間以内に発送
4位 30歳の保健体育
おすすめ度: 価格: ¥ 1,500  通常3~5日以内に発送
5位 細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!
おすすめ度: 価格: ¥ 1,260  通常24時間以内に発送
6位 レッスルエンジェルス サバイバー2 ザ・コンプリートガイド
おすすめ度: 価格: ¥ 2,415  近日発売 予約可
7位 タクミくんシリーズ  誘惑 (角川ルビー文庫)
おすすめ度: 価格: ¥ 480  通常24時間以内に発送
8位 生声CD付き [対訳] オバマ演説集
おすすめ度: 価格: ¥ 1,050  通常24時間以内に発送
9位 MUTUALITY:CLAMP works in CODE GEASS
おすすめ度: 価格: ¥ 1,995  近日発売 予約可
10位 旅する力―深夜特急ノート
おすすめ度: 価格: ¥ 1,680  通常3~5日以内に発送
こちらもおすすめです
からくりからくさ (新潮文庫)
おすすめ度: 4.0
価格: ¥ 620
通常24時間以内に発送
りかさん (新潮文庫)
おすすめ度: 4.5
価格: ¥ 500
通常24時間以内に発送
エンジェル エンジェル エンジェル
おすすめ度: 4.5
価格: ¥ 1,470
通常24時間以内に発送
家守綺譚 (新潮文庫)
おすすめ度: 4.5
価格: ¥ 380
通常24時間以内に発送
西の魔女が死んだ (新潮文庫)
おすすめ度: 4.5
価格: ¥ 420
通常24時間以内に発送