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太陽の塔 (新潮文庫)

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太陽の塔 (新潮文庫)の商品レビュー

4.0 文庫版に、
「妄想小説」という、…おおっぴらに喧伝するにはどうなんだその言葉しかも何だか誇らしげ?、という、あまり見たことのない言葉の帯が付いていたので、多少警戒しながら、手に取りました。
…妄想? 空想? 独創??
とても不思議な小説でした。冒頭で内容について、アレコレ書かれてますが、そんなアレコレな印象は受けませんでした。
どちらかというと、むしろ上品?な部類なのでは…。文体のせい??
内容は、一男子学生の日常(時々、非日常)の話ですが、笑えます。
そして、中身が明るい訳ではないのに、皮肉や風刺やブラックユーモアではなく、そんな印象ではなく、純粋に、健全な笑いを得たのには、驚きです。
「小説」であんなに、(床を叩く程)笑ったのは久しぶり。愉快でした。
…読了後に、何となく帯を見返す。
「妄想小説」…確かにその通りでした。他にどうジャンル分けして良いか、分からない…。
興味を持たれた方は、読んでみて下さい。
ただ、書き口に癖があるので、数ページ読んで「合わない…」と思う人は、読み続けるのが、辛いかも。
ずっと終わりまで、トーンが変わらないので。
そこさえ、クリアできれば、好みの差はあるかもしれませんが、愉しく読めると思います。
(ちなみに、何となーく、ですが、「われ笑う、ゆえにわれあり」の著者の土屋賢二さんに文体というか、ノリが似てる気がします。
※小説ではなく、哲学者のエッセイです。
そちらが読める人なら、尚、大丈夫!!私はそちらは無理でした。読んだけど、面白かったけど、笑ったけど、無理でした。文章…くどい…)

5.0 痛快
 第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞。
 理屈っぽく偏屈な男子大学生が元カノへの未練をジレンマにモンモンとした毎日を過ごす、という日常生活を面白おかしく、どこか切ないモノローグで綴った作品。
 ・・・という、ありふれた紹介では収まらないほどに、異常な描写と思考が連続する痛快極まりない内容だった(笑)

 読み始めた当初、これは精神異常者を題材にしたストーカー小説かな?と思った。でも違った。
 確かに、異常すぎるほど豊かに展開される主人公の妄想と思考は変質者まっしぐらなのかもしれないが、そこには一般的な風潮や文化を否定したがる「哲」学生特有の青臭さと、意地が垣間見られる。
 一般的なもの・・・それは特に男女の色恋についてだ。主人公は(そして彼のかけがえない友人達は)自分がそんなものに現を抜かすような俗深き人間ではない、と主張し続ける。俺は孤高だ、俺が答えだと叫び続ける。(無論心の中で)

 一般的な道楽を正常とするなら、彼らは異常な存在だ。けれど異常な自分を肯定し続けることが彼らにとって正常なことであり、俗にまみれることが逆に異常なことなのだ。異常=異界に身をおく彼らにとっては、むしろ現実こそ異世界である。しかし、どうしても元カノである水尾さんが忘れられない主人公は、その境界線が実は真実ではないことに、うすうすと感づいている。もっと言ってしまえば答えは分かっているのだ。でもそれを認めたくないからこそ、彼はさらに異常な所業を、とひたむきに頑張るのである。

 読者を異常な妄想譚で欺き弄び、お腹いっぱいになるまでシュールな笑いを提供してくれる本作品だが、主人公の意識にひっそり隠れている健気で臆病な想いに気づいた時、この小説は夏の青空ばりの清清しさを心に残してくれるはずだ。
 失恋している人もそうでない人も、ぜひ読んでみて欲しい。
5.0 疲れない(飽きない)程度に分割して読むと、おもしろい部分が見える、かもしれないです。
初めて森見登美彦の本を読み、文学的な文章というよりもこれはおたく的な文章だなと思いました。ひたすら濃く、くどい。
話が掴みづらい上に文章は濃くどうにも疲れるので、途中からつらつらと流し読みました。
結局息切れ切れになりながらも最後まで読みきりましたが、内容をあまり覚えていないのに妙な感覚だけが残るという変な作品でした。
先日、数ヶ月前のその感覚を不意に思い出し、この話の何がひっかかったのか解明すべくじっくりと読み返してみました。
結論として、私には二度読みがちょうどよかったです。
私の疲れで見落としてしまっていた全体のお話や随所にちりばめられているシーンがとてもよく、危うく知らないままにするところでした。
変な言い方しかできないですが、森見登見彦は感覚を外側から表現するのがうまいなと思いました。
嫌々読んだはずなのに二度読みさせられた私の完敗です。
3.0 ま、大学生のさわやかで明るい青春模様っていう方が今時フィクションなのかもしれんが
まず、読みはじめて最初に思ったのは「なんだか読みづらいな・・」ということ。
回りっくどくというか、妙に鼻持ちならない理智を気取ってるというか・・・
自分も文章を書く時、そういう回りっくどいところが無い訳じゃないので、ちょっと小っ恥ずかしい感じもしましたが・・。
でもまぁそれがこの小説(著者?)の風味ということなんだろうということで納得はいたしました。
一言で言って、鬱屈したキモいひきこもり大学生のドツボな青春を描いた小説といったところでしょうか。
私個人としては共感できるところが殆ど無いストーリーでしたが、
これはマンガにするとしたら、『ネムルバカ』や『それでも町は廻っている』の石黒正数さんが描くと面白いかも・・と、
実際の絵柄や台詞、コマ割りなんかを想像してみました(あ、でも石黒マンガならもうちょっとほのぼのしてて、主人公はやっぱ美少女だよなぁ)。

ドラマや映画化?

この小説を実写で観たいと思いマスカ・・・?
3.0 星3つ半くらいかな
星3っつ半としましたが、おもしろいのはおもしろいです(笑)。
他の方のレビューにもあるように、要するにモテないし、どうしてガールフレンドを作ったらいいかもわからないさえない京大生たちのある冬を描いた物語。
そのあたりの芯だけ取ってみると「なーんだ。つまらない。」となるのですが、表現力や独特の感性がこの小説を新鮮なものにしています。
個人的なことで申し訳ないのですが、自分が京都生まれのため、出てくる地名にはすべて親しみがあり場所もすぐ頭に浮かぶので非常に楽しめました。
自分が大学生だった当時、京都では、ボーイフレンドには私学の男の子の方が人気があり、京大生さんたちは、なんとなく近寄りがたいような(あの試験に受かるのだから恐ろしく頭がいいに違いない)けれどどこかさえないイメージがあり、それはきっと学内の女子学生の数が絶対的に少ない中、4年間ほぼ男社会の中で過ごさざるをえない(作者も書いているように)男汁どっぷりの生活を送っているからではないだろうか、と。
終盤に出てくる「ええじゃないか」が四条河原町で自然発生的に広がっていくシーンは痛快。
これからも京都を舞台にした作品を発表していってほしいような、京都から脱してさらに成長してほしいようなフクザツな心境です(笑)。

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