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精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)

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精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)の商品レビュー

5.0 ・∀・)ふんふん「精霊の守り人」
精霊の守り人をよんだ。


この作品は大人向けでも子供向けでもない。
そんなわけ方はこの作品に必要ではない。
誰が呼んでもやさしく受け入れてくれるし、徹夜のともになってくれる。
そんな作品だと僕は感じた。

 女用心棒バルサがふとしたことである子供の用心棒を引き受け
国を左右する事件に巻き込まれる。
 悪く言えばよくあるストーリーである。
しかし、一貫した世界観と登場人物の強烈な個性が読者をどんどんと
作品の世界に引きずり込む。
そして、気がつくと空がうっすらと明けている。
 この作品は僕にとって久々となる徹夜させる作品、徹夜するほどに
わくわくさせてくれる作品だった。

この作品は「ゲド戦記」のハイタカたち、「はてしない物語」のバスチアンたち
が与えてくれた興奮を再び僕に与えてくれた。

とにかく、手にとって読んでほしい作品です。

PS、読み終えると次「闇の守り人」も読みたくなるので一緒にあるといいですよ。
4.0 大人も納得のファンタジー
短槍使いの女用心棒バルサが主人公のファンタジー小説。

児童向けかと思いきや、大人でも充分楽しめました。
作品の設計のディーテイルがよく考えて作りこまれています。

主人公の年齢が30歳といい年齢なのも、普通の児童向け
ファンタジーとは違うなと思いました。

世界観にはアボリジニーの思想や哲学的な要素もふんだんに
織り込まれており、飽きない展開と痛快なアクションでお勧めの一冊です。
5.0 世界観のある読み応えのあるファンタジー
凄腕の短槍使いで女用心棒のバルサは、
偶然にも「新ヨゴ皇国」のニノ妃の息子、皇子チャグムの命を助ける。

そして、このことがきっかけでバルサはチャグムを託されるのだが
実は、チャグムには何か得体のしれないモノがとりついていた。
神の子孫と言われている帝の息子にモノがとりついたとなれば
帝の威信に傷がつく。
そのために、実の父親から命を狙われていたのだ。

だが、チャグムの運命にたちはだかるものは
それだけではなかった

チャグムに宿るモノとは何か。


呪術、先住民族に伝えられる伝承などファンタジー感いっぱいだが、
そこにからむ、「新ヨゴ皇国」建国の秘密、
聖導師を中心とする星読みたちが司る政治、
曲げられた歴史。
それらが、この物語をさらに深い物語にしている。

また、ここにはきちんとした世界観がある。
きちんとした歴史的、地理的背景がある世界が構築されているからこそ、
薄っぺらではない、
大人が十分楽しめるファンタジーとなっている。

5.0 まだ読んでなければ絶対読むべき
 説明の必要もないくらいメジャーになってる日本製のファンタジーものの白眉作品。
 アニメ化されている方も全く未見で、あらすじも知らず、先入観なしで読みました。なるほど、世間の評価が高いのも納得のすごくいい作品でした(おかげで「ハリー・ポッター」も読まなきゃならんかなとちょっと思ったりもした)。
 ストーリーは、ヨゴ皇国という半島にある国の第二皇子であるチャグムが川に溺れているところを、たまたま現場に居合わせた女用心棒のバルサが助けるところから幕をあけます。皇族のものと目をあわせると平民は目が潰れると言われるほど身分格差がはっきりとある国だけに、助けたといっても普通は謝礼を渡されてそこで話は終わるはず。なのに、その夜に助けたお礼にとチャグム母子が住む二の宮まで呼ばれて歓待を受けたバルサは、チャグムの母親から彼を連れて逃げて欲しいと依頼されます。彼女の言によれば、チャグムには何かが宿っており、それを恐れた星読みの博士や帝にチャグムは命を狙われているというのです。バルサは、やむを得ず、偽装工作のうえでチャグムを連れて宮を脱出するものの、帝からの追っ手を交わしつつ、チャグムに宿ったのが何なのか、その意味するものは? と謎を解き明かしながら旅をしていきます。。
 このあと、物語はタンダや、トロガイ老師といった魅力的なキャラクターを加えつつ進んでいきますが、これが実に心地よかったです。児童文学ということで難しい言葉や想像力を限定してしまうような描写を押さえていますが、それでも面白さはいささかも衰えることなくむしろ映像がどんどんどんどん湧いてくるような感じで話は進んでいきます。 
 何も知らず弱かった少年が徐々に成長していく過程にも素直に心動かされるし、この世の中とつながるもう一つの世界の不思議な景色にも心奪われますし、モンスターや不思議な人界以外の生き物の営みもあくまで、生物としての自然な営みとして描かれている姿にも安心してはいっていけます。文句なしです。特に、この世界からすると恐るべき人外の生き物も、あくまでそれらにとっては当たり前の生活を送っているに過ぎないというのも良かったです。魔王や神が出てくる話も面白いですが、少年の成長物語やファンタジーの魅力をそこに頼るものよりも、この物語はもっと上質に感じました。
 ということで、手放しでほめてしまうこの作品ですが、いいなと思っただけにこの第一巻以外が全部まだハードカバーだというのが逆に恨めしいです。待つのが辛いです^^

 追記:著者の上橋さんが文化人類学者であると解説で読んでなるほどと納得でした。「指輪物語」のトールキンさんもそうですが、言語学や民俗学の学者さんたちの頭の中はどんな魅力的な世界に満ちているのでしょうね。
5.0 見えるものと見えないもの
とても良質のファンタジーだと思います。
活字も大きく読みやすい。文章も落ち着いていて上手いですね。
ファンタジーといってもゲド戦記などのとも赴きが異なり、
かなりアジア的な土俗テイストが満載です。
伝承や祭の起源をからめた世界観は、文化人類学者の肩書きに
偽りなしだと思います。
なんとなく「虫送り」といったコトバを思い起こさせるような・・・
著者が言うよう、大人が読んで初めてその世界感の奥深さを感じ
ることができる物語です。本書自体が伝承等に対する著者の
「物語論」になっているように思いました。

二つの世界(見えるものと見えないもの)が交わる世界設定は
他のファンタジー作品にありがちな存在論的な観点のみで設定され
ているのではないように思います。
世界の見え方=認識のありようとしての見えないものの
側面を導入しているようにも読めました。つまり認識論として。
これはなかなか斬新なのではないでしょうか。

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