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夢の守り人 (新潮文庫 う 18-4)

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夢の守り人 (新潮文庫 う 18-4)の商品レビュー

5.0 夢たちの記憶
凄腕の短槍使いで女用心棒のバルサは、
ある日、「奴隷狩人」から男を救う。
彼は、放浪の歌い手「木霊の想い人」だった。

時を同じくして
バルサの幼馴染、呪術師タンダの姪や、
宮の奥深くにいる皇太子であった息子を亡くした一ノ妃、
そして、新たに皇太子となったチャグムまでもが、
眠りからさめずにいた。

そして、タンダもまた罠にかかる。

なぜ彼らは夢からさめないのか。
「花」とは何か、「花番」とは、「花守り」とは何者か。

この物語では、
「精霊の守り人」で、
チャグムの命を救う役割を果たした大呪術師トロガイの過去が、あきらかになる。
そのことにより、
普通の人々とは違う魂を持つ人々の生き様をもうつしだす物語になっている。

5.0 夢の中で行き続けることが、人の夢なのだ
人の時間の感覚とはかけ離れた長い長い時間を1サイクルとして花々は生まれ、成長し、咲き乱れ、夢を見る。
そんな花の夢の中で人々は救いを求める。
現実の世界で現実の辛い出来事に向かい合うより、花の夢の中で幸せだった頃の思いを抱いたまますごしていきたいと思っている。
一の王子の母である妃の哀しみと現実から背を向けてしまう気持ちはとても心をうたれる。

そんな人の弱さと花の世界が交じり合い、その中でタンダに対するバルサの友情と愛情を描いている本作はシリーズの中でも異色を放っていると感じるものだった。
ちょっと難しいという感触もないではない。
なぜなら前二作ほどストーリーは簡潔ではない。
過去と未来が交差し、本物と花の世界の偽りの姿が人々の弱さを感じさせる。

が、花の香りと湖とお城と人々の哀しみとそして救いを感じる作品である。

主人公達の成長とともに作品も成長している。

さあ、そして我々は次の続編にとりかかろう。

5.0 豹変しタンダ
シリーズものなので、この本から入る人は少ない
でしょうが、前二作を読んだひとは、すでに
守り人ファンになってしまったということでしょう。
ということで、本作も、ファンの人の期待を裏切らない作品。

この著者は、書きながら世界観を作り上げてゆくのではなく、
書き始める前に、確固とした世界観をもって書いているように
感じます。(実際のところは知りませんが。)
そう思えるほど安定していますよね。

5.0 現実を生きるということ
シリーズ通して、人が自分の人生を生きるということが描かれてきたが、
今回もまた現実とは違う世界(=「夢」の世界)が舞台で描かれる。
シリーズ3作目ということで、かなりキャラクタも「生きて」描かれるようになっていて、これまでの作品を読んでいない人は若干物語に入り込みにくいかもしれない。
ただ、相変わらずテンポ良く、あっという間に読み終えられてしまうので
きちんと最初から読んでも苦にならない面白さだと思う。
4.0 コノ世は夢よりも美しい
夢なら醒めないでホシイ。

コウ 想い願ったコトは 誰しもアルはず。
ソノ 「想い」や「願い」を逆手にとって、
ヒトをたくみに誘い込み 夢に留まらせるコトで
ソレを自分の糧にしてしまおうとする《花》
歌や夢に惹かれ ソコに留まってしまったヒトたちは、
最後には 命を落とす危険が・・・
正に夢は 死へ向かう緩やかな階段
という すこし 怖い物語。

歌でヒトの魂を誘い込み 《花》の開花を助ける<木霊の想い人>
誘い込まれた先にアル ソノ《花》は、ヒトの夢を開花させる糧にする。
ソシテ、《花》に囚われて 夢から醒めなくなってしまい
眠りつづけるヒトたちを 何とか救おうと
主人公たちが ソノ《花》と《夢》の秘密を探り 解明しよう
とするコトで物語は 展開していきます。

本作は、「守り人」シリーズの3作目デス。
守り人シリーズは、最初からの 物語を順を追って読んでいないと
其々の 物語の中での「想い」や 人間関係などの詳細がわからないと
物語の面白さ半減なので、1作目から読み進むコトをオススメします。
1作目は、「精霊の守り人」
2作目は、「闇の守り人」デス。
児童文学という カテゴリーで書かれたシリーズなのですが、
文庫化されて ますます「おとな」のファンを増やしていマス。
著者の上橋サンは、文化人類学者という肩書きを持つ 大学教授。
児童向けファンタジーで 終らないのは、
彼女のソノ深い知識と文章力による リアリティーから成せる
まるで 歴史小説を読んでいるような 錯覚にさえ陥る物語だからかもしれません。

あとがきで 作者が、
「眠って見る夢と、憧れとして追い求めるものを、
なぜ人は、同じ言葉で表現してきたのでしょうね。」
という 疑問を投げかけていマス。
現実を ほんの一瞬でも離脱できる「眠り(夢)」の世界は、
人にとって ナンとも拒否しがたい 甘く幸せな世界なのかもしれません。
「生まれて ソシテ 死ぬ。」
=主人公の老婆トロガイの言葉を借りると
「夜明けに起きて、1日中働いて、眠る。嫁にいって、子を成して、年老いて死ぬ。」
という 生物としての営みだけでは
決して満足しない できない 人間の辛さ刹那さ哀しみ。
辛いと想っている現実が、実は 夢よりも美しく大切だというコト。
ソレが ココには描かれているように想いマス。

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